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アメリカで毎日マリファナを吸っていました

電気グルーヴのピエール瀧が逮捕されたというニュースはアメリカで読んだ。ポートランドの小さなホステルで朝食のベーグルを食べながらツイッターを見ていたら「ピエール瀧氏、コカイン使用容疑で逮捕」と流れてきた。

まあ、テクノの人だし、しょうがないんじゃない?きっと依存してたんだろうし、メディアの露出が増えてきたあたりで治療受けておくべきだったね、などと思いながらコーヒーを飲む。マグカップを返却し、ジャケットを羽織って、近所の公園まで散歩し、マリファナを吸い、さて今日は何をしようかな、などと考える。

マリファナはアメリカの多くの州、カナダ、ウルグアイで嗜好用の使用が解禁され、ほとんどのヨーロッパ諸国やオーストラリアといった国で医療用の使用が認められている。最近では韓国でも医療用大麻の使用が合法化された。なぜならコカインや覚醒剤、ヘロインといったドラッグと比べ、大麻は安全で、広く普及しているからだ

お昼を回り、日本時間の朝になると、ツイッターではピエール瀧の話題でもちきりだった。というか、帰国した今でも続いている。
なんだよ、みんなドラッグに興味津々なんじゃん

じゃあ、コカインではないけど、私がよく知っている大麻のこと、ちょっと話しちゃおうかな

国外事情と国内事情

ポートランドがあるオレゴン州は2015年に医療用・嗜好用を含む大麻の販売、購入、使用が合法化され、ディスペンサリーと呼ばれる大麻販売所は街の各所に点在している。隣りにあるワシントン州も、シアトルを中心に似たような感じだと聞いた。
その中でも「QUALITY DRUGS(質のいいおくすり)」を標榜する”SERRA”というお店などはかなりクリーンでイケていて、一見すると美容室かカフェと勘違いしてしまう。
VAPE(電子タバコのように水蒸気にして吸引する器具)、カプセル、お菓子…どれも女子のカバンに入っていてもおかしくないような、おしゃれなデザインのものばかりだ。もちろん昔ながらのパイプやジョイントも扱っている。

こうしたディスペンサリーには海外からの旅行者でも気軽に入れる。酒やタバコのように21歳の年齢制限があるので入店と会計の際に身分証明書を見せる必要がある。パスポートを見せるたび、「実は日本の税関とツーカーで、こっそりチクられてたらどうしよう」とも思ったが当然ながらそんなことはなかった。現金払いのみでカードは使えない。

肝心のマリファナは、品種にもよるがだいたい1グラム10ドルくらいで売っている。ちょっとためしに吸うくらいなら1グラムで3、4晩くらいはもつ。いわゆるジョイント…タバコ状にきれいに巻かれていて、火をつければすぐに吸える状態でも売っているので、初めてでも安心だ。
私は日本では買ったことがないので詳しくはわからないが、国内の末端価格は1グラム5000円とか6000円とかするらしい。それに加えて逮捕されるリスクがある。

(久田将義)大麻は解禁になりそうな気も、ねえ。

(高野政所)まあ、そこはなんともわからないですけども。

(久田将義)医療大麻がね。

(吉田豪)宇多丸さんですらね、「たかが大麻」っていう言い方をしていましたからね(笑)。

(高野政所)されど大麻ですよ。でも捕まっちゃうと大変なんですよ。みんな、知っていますか?

(久田将義)本当、そうだよね。

(高野政所)なにで捕まっても大変なんですよ。

(吉田豪)僕も高校の講演会で1回、呼ばれたことがあって。「芸能人のドラッグ事情について話してくれ」っていう。

(高野政所)なんで高校生にそんな話をしなきゃいけないんですか?(笑)。

(吉田豪)だから僕がいろんなドラッグで捕まった人のインタビューをしているから。それを話した上で、「日本ではリスクが高いからやめた方がいいよ」っていう話をするという。

(高野政所)「割に合わないよ」って。俺、本当にそう思いますよ。

日本では認可を受けていないドラッグは「割に合わない」らしい。

カフェイン・ニコチン・アルコール、あとは医療用のもの以外、使用は控えたほうが良さそうだ。

大麻を吸うくらいなら法律で認められていて安全なアルコールがいい。
どのくらい安全かと言うと、2017年の日本では急性アルコール中毒で16911人しか救急搬送されていない。

ちなみに大麻(というか酩酊成分であるTHCとかCBD)の急性中毒で死亡した人は、全世界、人類史上で0人もいる。たいへん危険ですね。

マリファナが日本で非合法な理由

マリファナが日本で非合法な理由は誰もマリファナを吸っていないからだと思う。

アメリカで大麻解禁に向けた動きが2010年あたりから広まったのは、大麻による逮捕者の増加が原因だと私は感じている(具体的なデータとかはなく、所感です)。
そもそもアメリカでは古くからマリファナはコソコソと消費されていたものの、使用している人のパブリックイメージは、アルコールが手に入らないイキった中高生か、いい年こいて定職についていないボンクラというようなものだった。
そんなガキかボンクラしか吸わないもの、いまだにやってんの?という感じ。
だから別に非合法のままにしておいても、”まともな”人は捕まらないから話題にもならなかった。

しかし医療大麻の研究が進み、実際に処方されるようになった一方、メディカルカードを持っていない人は逮捕されてしまうという状況で、使用者は増えているのに時と場合によるだけで逮捕されてしまうのはおかしいんじゃないか、という世論が形成されていった。
だからアメリカでは合法化する必要があった。

あと多分メキシコの麻薬カルテルが力をつけ、そのマーケットで大麻を扱われているとトラブルに巻き込まれやすいということもあったかもしれない。これは想像です。

しかし、日本では誰も吸ってないと思われてるから、そもそもいいものなのか悪いものなのか、誰も教えてくれないし触れる機会もない
グラム6000円もする上に、手軽には入手できない。だからいい年した大人でも、大麻を使用したことがなかったりする。
使用したこともないし使用する予定もないものは非合法でも構わない。自分の手に入らない楽しいことは全部取り締まればいい。
そんな感じなんだと思う。

日本でのマリファナのイメージ

アメリカではイキったティーンか無職のボンクラというイメージの大麻だが、日本ではいまだにアウトローやヤクザのものだと思われている
しかし実際に大麻所持で逮捕されたというニュースを見ていると、会社員、公務員といった正規雇用の人も多くいる。その一方で、無職や大学生、高校生、中学生もいる。ミュージシャンやアーティストも逮捕されている。

要はどういう人が吸っているかなんてわからないんですね
海外で経験してこっそり持ち帰ったビジネスマンもいれば、アメリカと同じようにイキったティーンもいて、大麻で生計を立てている無職の人もいる。
コミュニティを作って販売している人もいれば、一人で栽培している人もいる。
なのに、一律で裏社会とのつながりを示唆したりするのは、ちょっと違うんじゃないかなと思う。

あとメディアつながりでいうと、いまだに大麻を吸って幻覚を見て超危険だからやめときましょうみたいな思い込みを持っている人はやっぱり多い。

これとか、錯乱したのはどう考えても大麻関係ないよね。
中学3年生だったらシラフだって錯乱の一つもするでしょうよ。
ちなみに酒を飲んで錯乱している大人は毎日どこかにいます。

体調不良はまあ、バッドはいっちゃったんだろうけど、それを呼吸困難とかまで言っちゃうと、これは嘘だよね。
知らずに食べて、いきなりハイになって、ちょっとパニックになっただけでしょ。
「メディアは嘘をついて国民をコントロールしている!」みたいな陰謀論めいたことは言わないけど、メディアはたまに嘘をつくし、このニュースは嘘です

こうした、大麻とヤバい症状をセットで紹介するフェイクニュースって誰がなんのために書いているのかよくわからないんだけど誰か知っていますか?
もしかして大麻を吸ったこともない人が想像で書いてるの?
最低限の知識を正しく国民に伝えるということすらできていないけど新聞とかニュースってそれでいいの?
AVをたくさん見てるからセックス博士みたいになっている童貞と変わらないんじゃない?

なぜ私はマリファナを合法化させたいか

マリファナに対する多くの意見としては、「日本から出て海外でやれ」というもの。
なので私はアメリカに滞在していた一月ほどは毎日大麻を吸っていた。これでいいでしょうか?

しかし海外に行けない事情がある人も多くいる。例えば私の父親である。

私の父親は去年ガンで亡くなった。

ガンも末期になってくると、痛みも激しく、全身が痙攣し、ベッドでのたうち回るようになる。それを抑えるための痛み止めもあるし、場合によってはモルヒネのような医療麻薬を使用することもあった。モルヒネは大麻と違ってけっこう依存性とかがあるらしい。よくないですね。
それでもやはり体質があるのか、一般的に使用されているものをあらかた試しても、痙攣に関して良くなることはなかった。

白目を剥き、胸をかきむしり、やせ細った足をジタバタさせる親を見たことがある人はどれくらいいるのだろうか。見ていてあまり気持ちのいいものではなかった。

私はてんかんの発作の治療などにマリファナが使われていることを知っていたので、こういう痙攣にも効くんじゃないかと思ったが、そんなことを言い出しても医者や家族を混乱させるだけと思い、黙していた。
すっかりやせ衰え、病院への行き帰りだけで疲弊する父親をアメリカまで連れて行くことなんかできるわけがない。

医療において、全世界的に効果が認められて既に使用が始まっている、しかも真新しいとも言えないような手法を、試すことすらできないというのはどうなんだろう。せめて医療大麻が使用ができれば、父はもう少し楽に治療できたんじゃないかと思う。

「ガンジャでブリブリにキマってればラスタパワーでガン細胞なんか破壊できらあ!」というようなトチ狂った代替医療を求めているわけではない。
ガン自体は抗がん剤や放射線治療をするとして、痛み止めや吐き気止め、そうした副作用に対する苦痛を軽減するのにマリファナの選択肢があってもいいんじゃないか?
普通の病院の普通の医療で普通に使いたいというだけだ。

頭痛関節痛、不眠、食欲不振、うつ…そうした治療に使われる化学薬品に拒否反応を起こす人はけっこういる。
拒否反応というのは副作用という意味ではなく、「なんかケミカルは怖い」と思っている人のことで、なぜか特に睡眠薬は恐れられている。
私は睡眠薬を日常的に使用している。マイスリー。よく眠れてとても助かっている。記憶がなくなったり頭痛がしたりするようになったけど。

しかし、アメリカにいる間はマリファナのおかげで睡眠薬いらずでぐっすり眠れていたし、頭痛も記憶障害もなかった。

化学薬品が嫌だと言うなら大麻はどうでしょう?
ただの葉っぱなのでとても体にいいですよ。

大麻をやっていると公言すること

日本でマリファナが合法化されないのは誰も使っていることを主張しないからだと思う。
私はそのへんの感性が狂っているので、日本の友人にもマリファナが大好きということを言って怪訝な顔をされたりしている。不良自慢のようにイキっていると思われているんだろう。

日本で大麻が流行らないのは遵法意識が高いからだと言う人もいるが、スピード違反をしないと煽られるような遵法意識って高いんだろうか。
私には世論を武器に弱い者いじめをしたい人ばかりの国に見えますけどね。

日本ではマリファナのことを扱っているようなミュージシャン、アーティスト、ライター、作家、研究者…といった表に出る職業の人は、
「俺はやってないけど、音楽とマリファナには密接な関係があるんだぜ」
とか
「私はやってないんですけど、アメリカでは人気みたいですよ」
という体でマリファナ関連のことを表現する。

いやいやいやいや、やってるっしょ、絶対

一部にはマリファナとかその他のドラッグのイメージを忌避する完全にクリーンな人もいるが、少なくとも葉っぱのイメージを使ったりしている人や国外にいる人は確実に経験しています
それを何故言わない?

確かに日本語で活動する以上、余計な波風を立たせたくないという思いが強いのかもしれない。
でも今どき大麻が良くないなんて思っているのは単に物を知らないだけだ。
なぜなら大麻がいいものだということは完全に照明されているからだ。

私は直近ではアメリカに滞在していた一月ほど、毎日欠かさず大麻を吸っていた。
逮捕はゴメンなので持ち帰ったり日本で買ったりしたことはない。
表立って政治活動もできず、こうして匿名でnoteとかを書くことしかできない。

しかし、そうやって吸っていることを公言しないでいると、いつまでたっても日本では合法化されず、結局逮捕されてしまうという悪循環から抜け出せない

”理解っている”ような仲間内で420なんていうのも楽しいけど、そこじゃない人に波及しないと意味がない。
だから絶対安全な国外にいる人や、匿名で顔を隠して活動している人は、積極的に公言してほしいと思う。
大麻はいいぜということを。

私は大麻を使用している・使用していたと公言している人を応援します。

あと、マリファナを持ち出すとその人のイメージがマリファナだけになるのも短絡すぎだと思う。他にやってることを全部マリファナに紐付けるの、バカすぎだろ。芸能人の不倫とかがいつまでたってもいじられているのを見ると、そういうものの見方しかできない人ばかりなのかなと薄ら怖くなるが、多分私もそういう一側面でしか人や物事を見ていないのかもしれない。これはみんなで注意しましょうね。

最後に、ラスタカラーでマリファナマーチとか縄文パワーがどうとかもいいけど、そういう活動はスーツでやったほうが効果的だと思う。珍奇な集団だと思われるのは逆効果なんじゃないか?でもこれはまずお前がやれよって話ですね。でしゃばったこと言ってすいませんでした。

毎度どうも