過去の記録

夏に書いた記録を下書きにしたままだった。

以下記録。

猫様が他界しいわゆる「虹の橋を渡って」からそろそろ一ヶ月。(記録したのは8月です)

猫様の呼吸が粗くなり始めた頃にさよならする覚悟を決めながらも実際のところ何も準備していなかったので実際に猫様が呼吸をやめてからバタバタすることになったという後悔とうっかりで構成された備忘録。ただ、他の人の役に立つような記事ではないです。

何が一番怖いってね、記憶がもうすでに欠落し始めてるんだよ。情緒 #とは。


せいいっぱい頑張って今記憶にある範囲の詳細を残すのでちょっと有料記事にチャレンジ。

ちなみに課金してくださった分は猫様のために使います。(報告します)が、先にも書いたとおり、他の人にとって役立つような情報はないです。


7月9日の夜。


猫様が苦しみから解放されぽこぽこ膨らんだり戻ったりを繰り返していたお腹の動きが止まった。直前まで病院に連れて行こうとしていていたが、移動中にケージのなかで息を引き取ることにならなくてすんだのは幸せだったと今でも思う。

さて、いつまでも現実を受け入れないわけにはいかないので、まずは旦那氏が動物病院に連絡を入れて挨拶だけして終わった。呼吸は止まったけれど連れて行くのかなと思ったが、連れて行かないことになったそうで、墓につれていって虹の橋を渡ってもらわなきゃと気がついた。

電車の広告で「ペットと一緒に入れるお墓」は見ていたのだが、正直なところ高過ぎて維持できる気はしなかった。

その状況で選択肢はふたつ。

1.お世話になっていた獣医さんに紹介してもらって今住んでいるところから近い距離にある霊園

2.旦那さんの実家にいた先住民たちがお世話になっている霊園

ちなみにワタシは昔に文鳥を飼っていたことはつがいで一組だけあったのだが、お亡くなりになったときは二羽とも見送っていないので(一羽目は詳細不明・・・あれ・・・今さらだけどなんでだ・・・二羽目は長生きしてくれたのでワタシはもうすでに家を出ていた)初葬儀。なのでツテはない。


たぶん、会いに行きやすさを考えると1の方がよかったのだろう。だが我々家族は今の土地には愛着がない。ついでにいうと今の家にも愛着はほとんどない。猫様が飼えて交通網が発達しているだけが取り柄の賃貸。

今こそ住んでいるが、この先何年この土地にいるかもわからない。


一方、2とはいえば、旦那氏が一緒に暮らして来た歴代の住民たちが眠っている。頭お花畑みたいな思考回路で「先に家族が行ってるからさびしくないよ☆」と考えたのである。ちなみに、ワタシはかろうじて先住民の顔は見たことあるものの、猫様同士は顔は合わせたことがない。

そして、旦那氏の実家には優しいママがいる。こんなダメ嫁でも嫌わず、年始に訪問すると嫌な顔一つせずにご飯作ってくれるいいひと。

これすなわち、猫様の墓参りを行えばオプションで旦那氏の実家に訪問してちゃんと挨拶もできるのである。ちょうダメな嫁からちょっとダメな嫁に格上げするかもしれないししないかもしれない。

こんな思考回路開示を家族で行い、結果、2の旦那氏の歴代住民がいる霊園にお世話になることを決めた。

旦那氏が実家に電話してママから霊園の情報を聞き出す横でワタシといえば徐々に冷えてかたくなっていく亡骸に触れては「まだ毛づやがいいねえ」「おみみやわらかいねえ」などと話しかけていた。

続けてレンタカーの手配を旦那氏がとってくれてる間は「やあうっかり気を失っちゃったテヘペロ☆」という勢いで猫様が息を吹き返さないかなあなんて考えてもいた。ちっとは動け自分。

抜け殻になってもまだつやつやの背中を撮ろうとして、可愛がってくれた人々に報告を早めにしておこうと思い立ち、イラストレーターの相方(こんなとこだけど宣伝。https://note.com/rainxdrop)、猫様をもともと拾った元彼(別れた時にワタシが猫様と一緒に彼のもとを出た)、猫様を可愛がってくれた旧知の友、そしてワタシの実家。

かつて猫様のわがままを全部聞いて欲しがる分だけアホほどご飯を与えてまるまると太らせてばかっかわいがりした父の悲しみはどれほどのものだったか。

実はワタシは知らない。

我ながら鬼という自覚はあるが、報告直後からの鬼電もSMSもまるっと無視したままなのである。次に会った時がくっそほど面倒臭いのはわかっているが、猫様と暮らすことになってもまだなおタバコをやめなかったことをワタシはまだ許していないのである。

閑話休題。(PS.令和2年11月現在いまだにその話題に触れていない。鬼だ)


このコロナ禍のせいかなかなかレンタカーもあいておらず苦戦したもののどうにか車を借りれたので猫様の旅支度をすることになった。

猫用のカバンもリュックも持っていなかったので、かわいい花柄の巾着にちゅーるとカリカリとネコエリを詰めたのだが、我々は人生における最大級の(当社比)ミスをおかしていたのである。


家族全員で写っている写真が一枚もなかった。


いちまいも。


猫様とワタシ、猫様と旦那氏、この組み合わせのはいずれもあったのだが、全員で撮っている写真がなかったのである。

家猫だからね、病院行く以外は外に出ないから仕方ないよねって言いながらも、実はなくなる直前に妹が我が家にスマホのメンテナンスのために来ていたのである。しかもその日に限って旦那氏はボウリングが終わったあと早めに帰って来ていたので、夫婦と猫様の3ショットは撮ることは可能ではあった。

写真嫌いでも定期的に家族写真は撮ろうね、ワタシ。

だだへこみしながらも荷物をまとめ、巾着を用意し終わる。

本当は巾着は同柄のお揃いが欲しかったのだが、未練が長引きそうだからと諦めた。


この日の夜は本当は家族全員で布団で寝たかったのだが、硬くなった亡骸を抱き上げて現実を思い知ることがまだつらくて、抱き上げられずに布団まで連れて来れなかった。

あとはちゃんとした理由もあって、体をあたためてしまうのが怖かったってのもある。7月なんて例年だと暑い、翌日の天候が読めず暑くなってしまうことを考えると冷やしておかねばとも思った。

3月のライオンでもあったでしょ、ご遺体冷やしておいてくださいてきな流れ。滑川氏の家業のあたり。あれを思い出したら冷さなきゃって思ったのですよ。

その夜は結局、翌日に霊園まで運ぶための保冷剤を冷凍庫にぶっこんで、さらには今夜も冷やしたままにするために玄関の命が終わった箇所にいてもらってまわりを保冷剤で冷やして、ワタシは台所の冷たい床にそのまま寝転がって寝た。広さの都合と翌日運転のための体力維持のために旦那氏は部屋で布団で寝てもらった。

猫様も床が硬いかなって思ったけど、クッションや布団であっためたらやばいから我慢してねって話しかけた。

まあ当然返答はなかったけど。


7月10日。

小雨の中、旦那氏がレンタカーを借りに行ってくれているあいだに毛布に保冷剤と一緒に猫様と彼女の旅支度を包み込む。さすがに遺体そのままを運ぶのは無理だった。

快晴じゃなくてよかった、遺体が傷んでしまったらつらい。

レンタカーの都合で某高級車をお借りしたのだが、どうにもナビが機能しない。どんどこ渋滞の道へ入り、今まで通ったことのない道を通る。

後部座席に猫様と一緒に座った。膝の上に乗せるのは難しい(丸まってなくて長く伸びていたので)から横にいてもらった。たまに毛布の中に手をつっこんで撫でた。噛まれることはなかった。

結局かなりのタイムロスになってしまったが、遺体から異臭はすることなく到着できた。

もしかしたらナビが気を利かせて遠回りしてくれた・・・?いやないな。

(ちなみにナビ云々の件は結局のところなにか事故や問題までには発展しなかったのでお借りした会社様には何も報告せず終了した。)

遺体を引き渡すための部屋に通され、最後のお別れをしてくださいと係の方に微笑まれる。

そこは人間と同じような装飾が施された最後の部屋で、ただ、遺体を入れるための棺はそれぞれのケースによって異なるオプションとのこと。

無事に虹の橋に渡れるなら棺に入れる必要はないと言われて、オプションはなしにさせてもらった。

タオルから出てきてもらうと、しばしの別れの時間をもらったが、人間の方が離れがたくなってしまうので、おもいきって時間は早めにして切り上げた。

場によって違うらしいのだが、個葬するか集団葬にするかなどの選択を行い、また、四季の挨拶の日の話しなどの説明を聞く。

a.個葬→さらに個々の墓に入るかなどの違いが発生する霊園が多いらしい(自分たちは集団葬と決めていたので詳細は聞いていません)

b.集団葬→オプションとして、名前を墓地に遺す、写真を墓地に遺すなどの個別化オプションがあった。我々はいずれも選択せずだったが、実際に他の飼い主様が立てているのを見た時は一瞬迷った。

ちょうどお盆シーズンだったので、近いうちに会える日があるとは聞いたものの我々はどうにも固定休がない身。その場での回答はせずに集団葬にしてもらうことと支払を行うまでにして猫様と別れその場を後にした。


ありがたいことに最期の姿を見せてくれたせいか、ペットロスなどにはならずにお別れできた気がする。その日の夜も普通にご飯食べたし、特に体調不良も起こしていない。

いまでも探したりはするし、ご飯も出してるけどな。


サポートいただけたらうれしいです。次の運命の出会い(猫様かもしれないし犬様かもしれない)と出会ったあとのための軍資金にします。