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【紹介・感想】雲間からレグルス

◆制作
ぬぬぬ 様
(SEPTET)

◆プレイ時間
5時間~(分岐なし)

◆ジャンル
RPG、ADV

◆特徴
レベル上げ下げ自由、ボス戦のみ、難易度選択可能、SF、星座、宇宙人、幻想、不思議、ほのぼの、コメディ、シリアス、人間賛歌

◆筆者プレイ日、プレイ状況
2022/7/18、難易度Normalでクリア

◆一言紹介
その笑顔を見るために戦ってきたんだ、きっと

◆特記事項
第14回ウディコン エントリーNo.【17】

◆サクッと紹介(ネタバレなし)
 全宇宙を律する「レベル制」によって最下位とされた人類は、辺境の星に閉じ込められていた。自由が制限された日々を変えたのは、遺跡の奥で発見された「星の子」――あらゆる願いを叶える財宝
 主役は星の子を名乗る少年「レオ」と、この子を発見した青年「ルグ」のデコボココンビ。ルグの暮らすスラム街の住民たちの願いを叶えるために、星々を飛び回る冒険の日々が始まる。

 最大の特徴は、敵の攻撃のほとんどがこちらのレベルを対象とした条件付きであること、そしてこちらのレベルは戦闘前に自在に上下できることです。例えば、「レベル50以上を対象とする」攻撃は、レベルを49以下にすれば無効化できます。斬新な遊び心地を味わえるでしょう。
 なお、せっかちな方は「間」がやや長いことに注意です。ドット絵の細かな動き、立ち絵表示、BGMの選曲など、演出に気が配られていますのでこれも意図的なものでしょう。
 また、ドットで描かれるグラフィック、イラストの豊富さと温かみも大きな魅力です。宇宙人たちの見た目はトリッキーですが愛嬌があり、景観や建造物が星によって全く違うなど、マップを歩き回る楽しさに溢れています。

◆サクッと感想(ネタバレなし)
 正直、せっかくの斬新な育成・戦闘システムの割には、バトルは回数が少なく、簡単すぎたかな、という印象なのですが・・・もうね、シナリオ、演出、キャラクターが抜群に良かった! そして戦闘システムとシナリオのリンクもしっかりしていて、これは戦闘ありだからこそ盛り上がったと心の底から思います! 個人的な好みだけど、終盤のバトルは言葉じゃなくてバトル形式だからこそ泣いちゃった。他の作品の名前を出すのは憚られるけど、「戦闘で」これだけ感動したのはまもも以来なので10年以上ぶりです。
 それもすべて、道中の積み重ねがあって感情移入できてこそなわけですが、その点も素晴らしかったです。頻繁にコミカルな掛け合いが入っていて読みやすく表情差分も豊かな通常会話と、しんみりとしたシーンでの立ち絵なしのテキストのみの演出、ここぞという場面でのスチル、と使い分けが的確。構造は定型の繰り返しで分かりやすいのに、星ごとにグラフィックの個性があるので飽きにくい。シナリオには、少しだけ引っ掛かりを覚えるような「隙」も用意してあって、いつ伏線として回収されるかのワクワク感もある。キャラクタはネタバレになっちゃうので書きませんが、それぞれ突き抜けた個性があって魅力的です。ノンストップの5時間でした。

◆作品ページ

↓以降はネタバレあり

◆感想(ネタバレあり)
 まずタイトル画面が起動するたび(画面を切り替えるたび)に変化するのがすごくいいよね。しかもそこで流れているのが鳥のさえずり、という自然味あふれるBGM。本編自体は未来SFなので、文明が滅びたポストアポカリプス感を感じる。好き。

 掴みで「レベル20以下の者に大ダメージ銃」とかいう分かりやすいアイテムを出してくれるヴィッサにはとても笑わせてもらった。この銃が効かなくて「え?」っていう表情になるのが面白すぎる&芸が細かい! しかも一人称が「わし」なの? そのホストみたいな見た目で!? 新たなギャップ萌えに目覚めそうになったよ!
 セーブポイントさんは黒幕の一味じゃないかと疑っててごめんよ。こっちの生命線を握っている相手だから警戒はしとかなきゃと思ってて。無料ゾーンでしかセーブしなかった。途中で我が子のために稼がなきゃ、というエピソードを聞いた後は、貢いでおかないと恨まれるかも?と打算で有料ポイントを使うことにしました。終わってみればただのいい奴だったね。お詫びに全財産あげるから許してぇ。
 ドミドゥカも第一印象から疑ってたよ。飄々としてなんでも知っている風(だけど肝心なことは話さない)やつは重要キャラだし、最低1回は裏切ると相場が決まってるからね! これについては謝らない!

 人間はオールドヘイブンから出られないのに、メイの妹が他の星にいると聞いたときは、義理の妹かなと思ったけど、なるほど妹さんはハーフなんだね。かわいい~。お姉ちゃんを大好きなのが駄々洩れでものすごくかわいい! おバカな姉と優等生な妹が仲良しって最高!
 このエピソードの時点でルグが振り回されるお父さんポジションなんだけど、それも好き。ルグ自身はわりと物静かというか、黙ってたら取っつきにくいキャラだと思うんだけど、こういう苦労人なところを見ると親近感が湧く。ルグのやれやれ顔コレクションしたい。
 ダリマがボスなのに準備ができるまで待ってくれたり、スルーされそうになったりするところで、ゆる~いノリの作品なんだなと、いい意味で肩の力を抜いてプレイできた。と、同時に、作りこみと気配りがすげえ!と作品に対する信頼感が増した。

 他のキャラについても、イノシェは頭いいのにテキトー過ぎとか、リクじいの悲しい過去にしんみりしたりとか、ワノンとラミーはマジ最強とか、いろいろあるんだけど、書き出すと長くなるので割愛!
 印象的だったのは、パモとヴィッサがさ、あんなにいい笑顔で笑うんだなと思って。まったく想像もしてなかった。パモのエピソードの締めでルグが言っていたけど、レオには人を笑顔にする力があるのかもな、なんて漠然と感じた。

 ルグがオールドヘイブン以外から来たことを仄めかす発言が何回かあったと思うんだけど、人間は自由に出入りできないことと矛盾しているなと思ってたんだよね。予想としては密航者とかそういう類だったんだけど、見事にはずれた。レオの1個足りないという発言を最初に聞いたときは全く分からなかったけど、例の記録を読むうちに1/21がルグであったこと、だから遺跡の扉が開いたこと、そしてルグとレオの正体が一気に繋がる瞬間があって、めちゃくちゃ気持ちよかった。

 だからさ、ルグの血が赤くないのを見たときに、心配するより先に、やっぱりそうだったんだって思っちゃったね。宙機の負荷に耐えられたのもそういうことか。(そういえば宙機が徐々に修理されていたのもワクワクだった。)

 最後の星が明かされて、「ルグはきっとここにいる。」って表示されたときふいに泣いた。もういないんだよって。でも信じたいねって。

 途中まで、レオの正体はパソルヴィエーラじゃないかなぁと思ってたんだよ。レベル制を覆すことができる存在は他に考えられないし、容姿が隠されているわけだから。でも違った。パソルヴィエーラたちは案外のんびりと暮らしていて、60年以上前に滅ぼした文明のことなんて、大半は興味もない。

 でも、興味を持っている変わり者もいる。花を愛する心もある。何も人間と変わらない。本当に戦うのか?という私の気持ちを代弁するようにレオが動いてくれて、とても感情移入できた。

 リブラ戦で全ての記憶を取り戻しての覚醒はアツすぎた。ルグはここにいる。しかもボーカル付きBGM&カットイン!? ラストバトルじゃん!!!! レベルは0~100ってノートに書いてあったから、100か0は来ると思ったんだよね! 熱いぜ!

 実は、ルグ=Regulus=レグルスなのはすぐに分かったんだけど、レオ=Leonis=獅子座なのは、自分の頭の中で繋がるまでに少し時間がかかった。「心臓ってなに?」⇒「大切なもの」という会話の流れが理解できてなかったんだけど、リブラ戦の後で、そうか、獅子座の心臓はルグなのか。レオにとってルグは大切な存在なんだ、と気づいて痺れた。そもそもゲームのキャッチコピー「ぼくの心臓、きみの星。」もそうだったのか。一人称が違うから気づかなかった。すべて最初から暗示されていたんだ。うおー!!!

 そしてレベルの概念が明かされてからのラスボスのレベルは衝撃! パソルヴィエーラにとっての危険度が振り切れてる! まさに人間の妄執の権化。なんだよこのゲームデザイン完璧かよ。

 もうラストバトルはこのアイテムしかないよね!?と思っていたらその通りだったんだけど、分かっててもあれは泣くよね。いやむしろ王道展開ありがとうございました!

 あと個人的にすごく衝撃的で解釈に迷っているんだけど、レオは「ぼくっ娘」なのか「男の子」なのかどっちなんだ!? どっちも好きだけど、ロングだから女の子と思い込んでいた自分の浅はかさを呪うぞ!

 で、レオは人を笑顔にする力があるのかなって話に戻るんだけど、レオの泣きそうな笑顔も、ルグの笑顔も本当にいい顔してるんだよ! だから、この表情の変化に作品のテーマ性を感じて、パモとヴィッサも印象深いんだよね。

 ちょっとストライクゾーンど真ん中過ぎたので冗長&乱文になりましたが、熱いうちに感想を言葉に残せて満足! 以上です!

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