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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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【感想】第16回ウディコン!!!


はじめに

ウディコン、始まってます!
今年も71作品参加で大盛況。過去の優勝者さんとかが多く参加されているみたいです。毎年レベルが高いので、魔境という意味ではいつも通りですけど。遊ぶ側としてはワクワク!

個人的にはあまり遊ぶ時間は取れなさそうなんですが、ここに感想を書いていこうと思います。X(Twitter)より詳しめに書こうと思うので、後半はネタバレがあると思います。

履歴
2024/7/27:記事作成(5作品分)
2024/7/28:1作品追加
2024/8/4:2作品追加
2024/8/9:3作品追加
2024/8/15:3作品追加

遊んだきっかけ&つぶやきまとめ

チリガミの塔

Massaqさんのゲームを遊ぶのもこれで何作目かになりますが、毎回斬新なシステムですごいです。今回はどんなシステムなんだろうというワクワク感で一番初めに遊ぶことにしました。ダメージ予測という神機能があるおかげで、ふわっとした理解で1周遊んで、コツを掴むとドンドン楽しくなる良い流れで楽しめました。


魔王復活物語

TLでかなり話題になっていて、うっかりしているとネタバレを食らいそうだったので早めにプレイ。かげろうさんは妖刀伝の作者さんだそうです。妖刀伝は自由度の高さがすごく印象に残っている好きな作品なので、プレイ前から本作にも期待しちゃいましたが、その期待を上回る面白さでした。


瓶詰の誕生日

クリムSさんは物語性で高い評価を受けている方だなという印象はあって前から気になってました。短編から入って相性を確かめるのもいいよね。キラキラしたタイトル画面に惹かれたのと、説明文も好きだなと思ったのが決め手です。作品の説明文が日を追うごとにちょっとずつ変わってるのがじわじわ来てます。


チーターは無理ゲーを走る

なごみやソフトさんの作品もいくつか遊んでいます。毎回、ストーリー上に大きな仕掛けがあり、戦闘面でもパズルチックな凝った戦闘が好きなので、今回も早めに遊ばせて貰いました。構成要素の取捨選択がはっきりしたメリハリあるゲームデザインなのもありがたいです。


やけくそ料理人と不良債権

14回、15回と華々しい順位のなす太郎さんの新作ローグライト。何度も遊びたくなる絶妙な難易度はもちろん、イラストの可愛さ、キャラの会話の魅力、書下ろしのBGMなど全方位に隙がなくて毎回大好きです。今年も時間を溶かしてる方がTLにいっぱいいたので、やろう!となりました。



ぐぅたら少年の七転八起

はるししさんのRPGと言えば第14回の『宝珠使いシズクのかえりみち』が印象に残っていたのでプレイしました。その作品はリアルタイム性が強めのパズル×RPGと言った感じで斬新でした。今回もリアルタイム要素がある点は共通しつつ、システムはかなりシンプルで取っつきやすかったです。


魔女にお菓子を届けましょう

テキストが良いという評判を聞いてプレイを決めました。作者さんの作品を遊ぶのは初めてですが、新人フリコンの感想ブログは拝見した記憶があります。ストーリーは見ても見なくてもいいスタンスになってますが、毎回違うお話をしてくれるのでつい何度も話しかけちゃいます。前評判通りで大満足でした。


水底の記憶

ここまではRPG系を多めにやってきたので、趣向を変えて短編でさっくり遊べるADVということで選びました。おススメされているのも何度か見かけていました。サークル初作品と書いてありましたが、ビックリするくらい丁寧に作れらていて楽しめました。


アンブレラブレイバー

サムネイルに写っているお化けとか女の子が可愛いな~とは思っていたものの、プレイの決め手にはならず。ちょっと癒しが欲しい気分のときに、ほのぼのしていそうなこの作品を選びました。ノンホラーアドベンチャーと書いてあるので、ホラーが苦手な私でも大丈夫なはず(実際大丈夫でした)。お化けなんてないさ!



Inifis

暗めの展開がありそうな不穏なスクショを見かけていたので、元気なときにやろうと思っていました。すごく好意的な感想を見かけることが多かったので楽しみにしていて、満を持してプレイ。前情報が少しあるくらいがミスマッチもないし、ゲーム体験としても楽しめるし、ちょうどいいですね。


放浪者セレナ~少女を救うため、闘技場で戦う女~

おもしれー女がいるということだけは知ってました。こういうSLGってストイックに能力を上げるタイプとお手軽に遊べるタイプがあると思うんですけど、何となく前者をイメージしていたんですよね。セレナさんが凛々しいお顔してるから? そういうのも好きだけど、今の気分ではないなと。でも何となく引っ掛かるものがあってプレイして良かったです。超好みでした。



LIGHT OF MANA

第13回王者のLAKOさん&RUCOさんによる新作です。私は奥義伝シリーズ2作をプレイ済み。商業顔負けの圧倒的なグラフィック&音楽&ケモ要素が印象的です。約束されたクオリティだと、かえって後回しにしてしまいがちじゃないですか? 麻雀的な要素があると聞いていて、個人的にはあまり得意でないことも腰が重かった一因です。いざやってみるとシンプルで遊びやすい仕上がりでした。



迷宮郷まよろば

TLを賑わす話題作です。シナリオはほとんどないと聞いていたので、物語LOVEな私からすると食指が動かずプレイが遅くなりました。話題作は避けるという天邪鬼な面もありまして。とはいえ、これだけ評価されている作品をプレイしないのはウディコンというお祭りに乗っかれていなくて寂しいなと思ったので遊ぶことにしました。結果として、スクショや動画ではわからない良さを体験できたのでプレイして良かったと思ってます。



赤の騎士と青の魔法使い

フォロワーさんが推していたので気になりつつ、合う合わないは好みによるので迷っていました。スクショと説明文から感じるデフォっぽさとか堅苦しい感じは好みに合うか五分五分といった印象でしたが、ずっと気になっていたのでおススメを信じてプレイを決めました。信じて良かった!









ネタバレ込みの感想メモ

チリガミの塔

1周目は難易度ノーマルでプレイ。すでに先人の登録してくれた強いギフトが沢山有ったのでサクッとクリアできました。後から気づいたんですけど、手持ちの枠が4つしかないのに同じヘッドの武器を集めて合成するのってめっちゃ難しくないですか!? 皆さん凄すぎる。プリティアックスとかあって笑っちゃった。

チリガミの塔とか主人公のグラフィックが3Dでビックリしました。どうやって作ってるんだろ。重厚な鎧を纏った主人公のグラフィックはテンション上がりますね!

システム的にはアーマー削りとハート削りが分かれているのが面白いなと。狙った点を集中攻撃するのが難しいから、強い武器がないと一点集中する工夫が必要になります。さらにハードではボムの重要性が増すから雑に強い武器を振っても勝てないのも面白いです。

ハードのラスボス戦は、そこまでにボムでハートを削られた状態からスタートで大変でした。何度も負けてはリトライを繰り返して、プラドが守ってくれなきゃ勝てなかったし、アンガスの削りがなきゃ火力が足りなかったでしょう。めっちゃギリギリの闘いで最高にドラマチックでした。

物語の核真が気になります。実績もある程度解除して、輪郭はつかめてきたけど分からないこともいっぱい。ワンダーランドに迷い込んだみたい。初めは主人公が唯一の戦闘兵って言われてもピンとこなくて、じゃあアンガスは何なんだろうとか疑問を持ちつつの進軍でした。散神とは、神とは、人とは…? 答えはGOOD ENDにあるのか、ないのか、気になります。

作者さんは何やら一癖あるキャラクタ作りが上手いな~と。特にウッスくんが好きなんですけど、ハードで子猫クリを置いて行ったら悲しいセリフになっちゃってごめんよ~という気持ちでした。でもそういうセリフ差分があるの好きです。





魔王復活物語

作りかけのゲームのセーブデータを見てメタ的にギミックを解くという設定と、その作り込みのリアリティがすごくて、没入感がありました。死神戦でウルファールがくれるヒントがバグを想定していないヒントなのがツボです。いや、2人同時に死ぬから回復とかできないが!? 一旦冷静になって友人が作ったバグだらけのゲームという気持ちでプレイすることでとっても楽しめました。

暗証番号が変数に残ってるうんぬんの話とか、パーティメンバーの移動イベントが完了しなくてフリーズするとか、一騎打ちで主人公がパーティにいないと強制敗北とか、何ともリアルな感じがするバグも多くて拘りを感じました。でもピンとこない人も多そうです。というか私もあまりピンと来てない。ツクラーやウディタリアンならあるあるなんですかね。

謎解きで一番詰まったのは氷の壁のやつです。第三の方法がまったく想像も付かなかったので変なことばかり試してました。雷で氷が壊せないかとか。でもよく考えたらアレ使ってないじゃん!と気づいて進めました。こういう思い込みって、一度ハマるとなかなか抜け出せないものですね。次点で最後の謎も詰まったけれど、ネタバレが著しいので割愛。

タイトルが真っ暗な時点で、復活した魔王を倒す話というより、魔王≒このゲーム世界を復活させるお話である可能性のほうが頭をよぎりました。結末自体に新鮮な驚きはなかったものの、その過程がとても楽しく、構成が美しかったです。謎解きに苦労した分、エンディングにたどり着けたときの感動は大きいものでした。

あと温泉イベントとかギャグも面白かったですし、水神戦の演出が凝っててすごかったし、偽造緑帯とかいろんな点に作り込みを感じました。あくまでゲーム内ゲームとして世界観がきっちり統一されているところが個人的にポイントが高かったです。





瓶詰の誕生日

弟のために頑張るお兄ちゃんは尊いと古事記にも書いてあるので最高でした。ちょっと地獄が垣間見えたような気がしますが、それも好きです。地獄も最初はジャブから入ってくれる親切設計で良かったです。

謎解きは格ゲーのやつが一番難しくて、あれが一問目だったら解けなかったと思います。文章のパターンが分かってたから何とかなりました。それも含めてちょうどいい難易度の謎解きになっていて楽しかったです。

お兄ちゃんは昔は万引きしていたのに、最近は急に金払いが良くなったとか、弟くんはひらがなすら苦手とか、そういう断片的な情報を見たとき、私の心は汚れているので色々と想像して悶々としてしまいました。クローゼットの中身は見られなくてよかった…

作者さんの過去の作品にも俄然興味が湧いてきたのでウディコン後にプレイしたいです。





チーターは無理ゲーを走る

雑魚戦でも一撃でやられてしまう緊張感はまさに無理ゲーという感じでした。敵と味方のステータスを眺めて、どうやったら倒せるのかな~と作戦を考える時間が楽しかったです!

苦戦したボスはだいたい何をされたのかわからなかったぜ!というタイプのボス。黒服しかり、ダチョウしかり、ラスボスしかり。即死とか超火力で一瞬で全滅させられると辛い。ヒント開示はできれば段階を選べるとよかったなと思います。行動パターンは知りたいけど対処法は自分で考えたいというワガママ。

なるべくチートを少なくして攻略したいという気持ちがあったので、どこまで解禁すべきかという悩みがありつつの進行でしたが、そうやって手探りで進めるのも醍醐味でした。洞窟ボスは後から倒しに行ったせいで1ターンキルになってしまったり。

ラスボスにカットイン技を決める展開がめっちゃ格好良くて好きです。その反面、倒し方は1通りなのでもう少し自由度が欲しかった気持ちもあります。




やけくそ料理人と不良債権

BBくんが料理人を目指していていきなり笑っちゃった。毎回、冒頭と終わりに少しエピソードを語るだけなのにグッと心を掴まれるのが不思議です。

ひとまずノーマルで1周クリアの時点だと使ってないキャラや道具が多いんですが、すでに楽しかったです。デッキ構築型ローグライトという前作までと同じジャンルなのに、まるでレストラン経営シミュをやってるような気持ちになれちゃう。こんな落とし込み方があるなんて脱帽です。

今作もイラスト、BGMともに豪華で大満足でした。クレスかわいい! シルバーさんかっこいい! 何度もやりたくなる魅力の一端はやっぱり愛着の湧くキャラクター造形と耳に残るBGMだよなあと思っています。





ぐぅたら少年の七転八起

かなり敵の火力&耐久が強めかつ連戦なので、継戦を意識した回復&デバフ系のビルドが強いと思いました。スピード系、パワー系、バランス系の3つの敵に対してこちらが取れる戦術も4つあって、シンプルながら組み合わせが楽しめました。スキルビルドと戦略と敵との相性を考えながらの攻略が楽しいです。

修行は負けたら最初からなので辛かったですが、大会では途中までスキップがあり、ぐぅたらできてありがたかったです。でもプレイヤーはぐぅたらですが、ヒナタくんは相当勤勉な気がするぞ!

大会の40STAGE以降の敵には苦戦しました。同時にいくつも状態異常を付与してくるので戦術の切り替えが忙しくてバタバタ。戦闘速度を落として何とかなりました。画面上に表示されるアイコンに合わせてキーを押すというリズムゲー的な要素なのかなと思いますが、戦術によるステータス補助の恩恵を受けにくくなるので難しかったですね。

そしてラスボスがまた強い! HPが多すぎて、途中で負けたときは心が折れそうになりましたが、ステータスを上げて倒しちゃいました。どれくらいが適正なステータスなのかな~。メテオとかフレアとかいろいろ試したんですが、ダメージ効率で言うとポイズンが圧倒的に強い気がしてます。

ストーリーは少年漫画の序章みたいな超王道展開で、まだ続きそうな雰囲気を出してましたが、もしかして続編も構想があるのかな? 天真爛漫なヒナタくんの活躍をまた見てみたいですね。





魔女にお菓子を届けましょう

可愛らしいゴーレムたちやお菓子を集めるというゆるふわな雰囲気に反して、無機質な魔女の塔と業が深い世界観が不思議な調和を見せていました。遊べば遊ぶほど闇が見えてきてうお~って悶えます。

木くんみたいな臆病な自尊心を持ったキャラがめちゃめちゃ好きなので毎回話しかけていたんですが、こちらがお腹を空かせているとデレるのを見てはわわと惚れ直しました。

あと水くん。たまに大人びた発言をする子どもだと、そう、思ってました。あれを見るまでは。ゴーレムの中には2人いる。2人いる!?!?!? あ~~~~~、ダメです。それはダメ。そんなの壊れちゃうよ。断片的に情報が繋がってくる感じがとても好きです。





水底の記憶

大好きな友達との距離感の測り方がわからないとか、自分でも自分の気持ちの正体が掴めないとか、ふとしたきっかけで疎遠になってしまうとか、すごく身に積まされるなあと感情移入しながら楽しめました。

お互いにどんな思いを抱いていたのか、2人でいっぱいお話できるといいね。すれ違いの切なさと、再会の喜びと、どちらも詰まった素敵なお話でした。

ちなみに1周目はアイテムが使えることに気付かずに(そんなことある?)Normal ENDだったのですぐにヒントを見ました。ゆうちゃんの気持ちが憧憬なのか羨望なのか、難しい問いかけでしたね。どちらもありそうだけど、個人的にはヒーロー面だし憧憬なのかなあと感じていました。





アンブレラブレイバー

プレイする前後で印象がガラッと変わった作品でした。アメリちゃんとのお話が楽しいです。一歩進むごとに話しかけちゃいました。こちらを半身で振り返ってくれるの好きです。アドベンチャーと聞いていたけど普通に勇気をゴリゴリに削られる敵の火力、気を抜いたら、いや、気を抜かなくてもジリ貧でやられるやつです。

初回は1つめの通路でドッペルゲンガー(?)にやられてClosedエンド。広院先輩のありがたい訓示を頂いて再挑戦。Shift+クリックでサクサク進めたらBitterエンド。え!?このゲームってRPGじゃなかったんですか!? …作者さんの掌の上で踊っている気がしながら3周目。ここからは順調に全クリまで行けました。終盤の展開的にはもっとやられておいたほうが熱いけど、わざとやられたくもないし、難しいところですね。初期バージョンはもっと敵が強かったみたいです。

一番熱いのは何と言ってもスターレインを手に取るシーン! BGMのサビと星空のアニメーションがシンクロして最高に熱かったです。これは加点100点。てっきりBGMをループさせてタイミングを合わせる的なことをしているかと思いきや、セリフの尺とBGMのイントロの長さを調整しているんだそう。そう聞くとタイミングばっちりだったことが運命的にも思えてすごく嬉しいです。作者さんの意図とプレイヤーの行動が一致してゲームとして成立するってすごくいいですよね。

あらためてゲームの紹介文を思い出すと、「バッドエンドを手を取る」と書いてあるんですが、これは確かに重ねたバッドエンドの数だけ熱いな~と思いました。2個しかバッドエンドを見てませんけど、勝手に並行世界のコウくんたちの数多のバッドエンドを想像して胸アツでした。





Inifis

世界観がすごく好きです。伝承として残っている聖者エルと聖騎士アドラーの真実に迫りつつ、現代の自分と"妹"の真実にも迫っていくという構図が秀逸だと思いました。大筋はふたりの金眼やレイルくんの怯えっぷりを見たらわかるものの、散りばめられた書物や遺物を見つけたり、長命の悪魔や精霊と話すにつれて、具体的なイメージが湧いてくる体験が素敵でした。

固有名詞が結構多いんですよね。でも、情報量のわりに苦にならない塩梅でした。アドラーが倒したとされる"影"が重要だろうと思って、悪魔の名前をメモしながら遊んでいたら、まさか魔界に行ってご本人たちに会えるとは。探索範囲が一気に広がるのはワクワクしますし、意外と親しみやすいキャラ造形にほっこりしました。無料で地理を教えてくれるの優しい~。

初回は不殺をモットーにプレイ。時間を止めるチートは使わせてもらいました。ケイレスくんが脳死でやっちゃおうとするのでハラハラ。オグノーズ以外の強敵を倒して、祠でメギスを倒してやれることはやったけど、自力では回帰の心を見つけられなくてヒントを見ちゃいました。条件は満たしていた気がするので、クリア後の空間で追想を見たから入手できなかったのかな? メギス戦のBGMとか、増援を召喚するときの口上とか格好良くて大好きです! ラスボス戦で盛り上がるのはいいゲーム。

一撃でタオセールとかのメタな救済措置が前面に出過ぎていたことだけが気になりましたが、それ以外はとっても楽しめました。写し身の証を手に入れたくてエンドを埋めに行ったんですが、最後まで避けてた殲滅エンドにありましたね。業が深い。





放浪者セレナ~少女を救うため、闘技場で戦う女~

オープニングのノリからして大好きで、今のところ今年のウディコンで一番好きな作品です。初っ端からヒャッハーを見せてくれるおかげで作品のリアリティラインとか雰囲気がバッチリ掴めるので、終始楽しめました。

育成SLG要素は難しすぎず簡単すぎず。戦闘のランダム要素が強めなので、ちょっと育成が足りないくらいなら試行回数とクリティカルでごり押せるくらいのバランスでした。試合当日に疲労のピークを持ってきたら気合で吹き飛ばすのが面白すぎる&育成上は結構重要なポイントになっていてバランスがいいです。

看守さんがデレたり、最後の闘いに行く前に囚人たちがゾロゾロと出てきたり、定番なんだけど大好きな展開がいっぱいでした。全体的には湿っぽくならずにさっぱりした雰囲気なんだけど、キャラとの絆とか人情をすごく感じて温かい気持ちになれました。

スクショ取りまくるくらいどのセリフも好きですが、特に独自性エンドのジャイ〇ニズムが面白すぎて笑い転げました。おわかりいただけただろうか!の勢いが良すぎて全てを超越してる。ちょっといい雰囲気になっていたブートくんがショックを受けているのも面白すぎる。でも私のセレナさんへの好感度は爆上がりだぜ。振り落とされるんじゃねえぞ、ブート。





LIGHT OF MANA

てっきり奥義伝シリーズの続きかと思いきや、完全な新作なんですね! オープニングのアニメでがっちり心を掴まれました。バサルトおじさんが華麗に変身しそうなキラキラ感を出しているのがすごくツボです。知らないおじさんについていっちゃダメっていうリリスちゃんがとっても可愛い。

私は麻雀がめちゃ下手くそなんですが、本作はとりあえず面子を作ればよいということで、他のプレイヤーもいないし、のびのびとカジュアルに遊べました。青が意外と出ないので、序盤はマナポーションを切らすとピンチでしたが、1ターンに3枚補充されるアイテムを装備した後半はかなり安定。もっと早く買っておけばよかった~~~~!!

コストが高めの大技はロマンがありますけど、安定を取るなら小技を連発するほうがいいですね。小技と言っても、同時に複数個を発動できるとバカにならない威力があって爽快でした。Xを見ていると大技を決めている人もいるようなので、人によって個性が出るのが面白いですね。

ヴァルトくん、とっても可愛いんだけど、セオリー的に役割を予想してしまったので複雑な気持ちでした。予想が外れてくれ!と思ったものの、その願いもむなしく…!! 笑顔から泣き顔まで表情豊かで良かったです。タルク親方への愛情が溢れているのも好き。

親子の絆とかそういう人情話に弱いので、どの結末にも涙腺が緩んでしまったんですが、右の結末が一番好きです。リリスちゃんが決断をして、自分で運命を変えていくという強さに心を打たれました。






迷宮郷まよろば

最初は現実感のある、けれどどことなく浮世離れした町からスタートして、次の瞬間にはおとぎの国のような場所にいるという現実と夢の狭間を行き来しているような感覚がとても良かったです。次の瞬間にはどんな景色が広がっているんだろうかというワクワク感がありました。

プレイして得られる体験が素晴らしいと思いました。例えば室内に入った瞬間に弱まるセミの鳴き声、見上げた夜空に瞬く満点の星、静寂の中に聳え立つ仏像など、はっとさせられる瞬間がたくさんありました。

一方で、人がまったくいない世界に寂しさも感じました。おたからを発見したときのポップな効果音やもどれるチャンの存在が救いにはなりましたが、生き物のいない世界は美しくも恐ろしいものです。それだけ没入感が高かったということでもあります。

ゲームとしてはかなり異端で、「攻略する」要素は迷路の突破と隠し通路の探索くらい。自分のペースで迷って、見て、聴いて、感じるというインタラクティブな要素に重きが置かれているなと思います。とくにこのうち、「迷う」という点が重要で、もし一本道だったら個人的にはゲームじゃないと感じたと思います。意味合いが不明瞭な空間を心細くさ迷い歩く、あるいは人によっては観光気分でウキウキかもしれませんが、そういうプレイヤーの目線を通して構築される要素があるのがいいなあと思います。






赤の騎士と青の魔法使い

RPGとしてはオーソドックスですが、その分わかりやすく、安心してプレイできました。操作キャラが基本1人なのもあって、考えることはシンプル。それでいてカウンターからのジャイアントキルという格好いい展開もあり、絶妙なバランスだと思いました。

宝箱の中身が後からでも分かったり、戦闘ごとに全回復してくれたり、次の目的がいつでも見れたり、購入済みの武器より弱いものはショップから除外されたり、イベント会話が途中で区切られていてセーブができたり、細かい気配りが非常に多くて遊びやすかったです。

全容を理解できているかかなり怪しいのですが、世界観の広がりと掘り下げ方とか、その中であえて個人に焦点を当てる語り口だとか、ものすごく好みでした。メモを取りながらプレイすればよかったです。

アレンくんとアンさんはかなり生真面目で堅物というか、そんな面があるのですが、その殻を破って変化する過程が描かれているのが素敵だなと思いました。特にアレンくんのほうは頼まれれば人を助けるけど、自分からは助けないタイプだと思っていた、という風に騎士団員から評されていて、すごく納得感がありました。

なんとなくの理解ですが、青が理性で大人らしく孤立した振る舞いの象徴、赤が本能で子どもらしく助け合う振る舞いの象徴。アレンくんは青が強すぎて人狼に振り回されていたけれど、自分の中の赤を受け入れることでバランスが取れて一歩成長できたのかなと解釈しています。ちなみに刻印は「うぬぼれ」を選びました。うぬぼれはなんぼあってもいいですからね。他の選択肢を選ぶとセリフとかが変わるのか気になります。

かなりシリアスなシナリオですが、ところどころでハジケているのも好きです。地下迷宮をレーザーでぶっ壊したり、お城に威嚇射撃して騎士団が飛び出してきたり。ん? 全部アンさんかもしれない。

そしてファンタジーあるあるに理屈を通す説明も面白かったです。くどくない程度に伏線を張りながら最後に一気に回収していくのは気持ちが良かったです。モンスターの経験値、迷宮の主の千里眼、アンさんの超回復魔法など。この世界独自の仕組みが説明されることで、より楽しめました。

タイトルは直接的にはアレンくんとアンさんのイメージカラーを指すのかなと思いつつ、赤の騎士団と青の騎士団が登場したので、そのあたりとも絡めたダブルミーニングなんでしょうか。青の騎士団が1000年前に主によって設立され、赤の騎士団が700~500年前に人狼病の制御に成功した。500年ほど前に自由の民が願いの水と引き換えに呪いを受けた。というあたりは何となく理解できましたが、キタザトさんの出自や迷宮の深部にある碑文の主については不明なところもあり、もう一度読み返そうかなという気持ちです。

こういった壮大なスケールのお話もありつつ、あくまでも物語のクライマックスはアンさんとエスターちゃんの親子の絆である点も良かったです。お人よしな騎士団のみんなも、漢を見せたアレンくんも、お互いに気持ちを伝え合えたアンさんとエスターちゃんも、みんな好きです。

あ、ちなみにサブクエストは自力では一個も解けなかったです。ヒントとにらめっこしながらやっと全部クリアできました。次にやることが聞き込みなのか、探索なのか、それ以外なのか、今進められる材料がそろっているのかが全く見当が付かないし、調べられるものが非常に多いので難しいですね。本筋はサクサクだったのできっと意図的に難しくされているんでしょうね。わかればなるほど~となるけれど、自力では困難なくらいの難易度でした。

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