【紹介・感想】海賊黙示録
◆制作
挟まり卿 様
◆プレイ時間
3000秒~(分岐なし)
◆ジャンル
シミュレーション、アクション、RPG
◆特徴
シナリオ◎、自由、渋いオッサン、終末、SF、熱い、やや難アクション
◆筆者プレイ日、プレイ状況
2022/8/16、クリア
◆一言紹介
カッコつけで弱っちくて、でもドあちぃオッサンたちの挽歌
◆特記事項
第14回ウディコン エントリーNo.【66】
◆サクッと紹介(ネタバレなし)
気候変動により世界の大半が海中に沈んだ世界。残り僅かな終末までの時間を後悔しないように航海しよう。
主人公は平凡な3人の海賊。どう見ても悪人面の彼らですが、憎めない面も多々あります。彼らは、終末を回避しようとする少年少女と出会い、その若さゆえの熱い思いと今は亡き友人の遺志に感化されて「足だけは貸してやる」と共に旅を始めます。
ゲーム性のメイン要素は2つ。ひとつは、島から島へ、水を補給して船体を修理し、時には略奪で資金を補充し、とにかく生き延びるシミュレーション要素。もうひとつは、海図を調べ、海流を読み、敵艦や雷雲を避けて目的地へたどり着くアクション要素です。アクションは後半難しくなるので、苦手な方は覚悟が必要です。
しかし何より素晴らしいのはシナリオです。王道展開ではあるのですが、一度はヒーローになるのを諦めたようなオッサンを主人公に据えることで、一味違う切り口になっています。キャラクタの魅力が伝わってくる軽妙なセリフ回しは必見。なお、Cキーで地図を開いて指示通りに進まないとシナリオを見られないので注意。
◆サクッと感想(ネタバレなし)
ネタバレなし…!? 自分で書いておいてなんだけど、ネタバレなしで語れることなんかないでしょ!? ボリューム少なめになるかも。というかこの良さはプレイしないとわからないのでLet's download NOW!!
まあとにかくセリフに痺れましたね。スクショ200枚撮ってます。マグパイのセリフが格好よくてね! マグパイの仲間の2人(ラプトとステラ)も5秒でやられるモブ悪役っぽい雰囲気出してるのに大好きになっちゃうんだもんな~。おめえら…最高だよ。
話変わってプレイのきっかけですが、このスクショに簡素な説明文なので、コンの中では優先度が低かったです。こういうのは面白いパターンより合わないパターンのほうが多いから。でも信頼できるフォロワーさんが面白いと言っていたのでプレイ。
開幕で説明なしに大海原へ放り出されるので、最初は当てもなくさ迷って死亡。これは外れか…? いや、なにか見落としが…? はい、地図がありましたね。
最初のいくつかのイベントで一気に心を掴まれました。正直、シナリオはもっとフレーバー的な感じかと思っていたので、ボリュームのある会話が用意されていてビックリ。
もうとにかく先が見たい一心でガンガン進めましたが、終盤のアクションの難しさよ。発狂しそうになりましたが、私でも10~20回くらいで突破でき たので、練習すればきっとなんとかなるよ!
シミュレーションパートは簡単。RPGパートは簡単ではないかもだけど、選択肢は限られるので難しくもなさそう。無事一発で倒せたけど、SP切れになりそうな緊張感がめちゃ良かった。
◆作品ページ
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↓以降はネタバレあり
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◆感想(ネタバレあり)
ウディコン後に作者様のツイート&ホームページを見て知ったのだけど、去年の『独立理想国家アヴァロン』と同じ作者様なんだね。これはプレイしなければ! かなり難しいという噂を聞いてクリアできる自信がなかったので敬遠しちゃってた。
こういう覆面作者ってウディコンの風物詩というか、遊び心を入れてくれるの嬉しいよね。単に上位を目指すなら同じ名義のほうがDL数的には有利だろうに。今年だと『ソウテン鏡事件』もそう。
さて本題の中身だけど、好き。好きすぎて語彙力はログアウトしてる。我が200枚のスクショから名セリフについて語っていきましょうね。
ツンデレのお手本のようなセリフ。まるで自分に言い聞かせるような。素直じゃないよねえ。と、同時に、自分たちが生き延びるためなら切り捨てるという覚悟も感じる。
ここでマグパイ大好きになっちゃった。親しみやすさを一瞬見せたかと思ったら、舌の根も乾かないうちにそんなこと言うの? コントじゃん。こう、頭が固いというか、昔気質なところが表れていて、キャラクタの掘り下げとしてすごいセリフだと思うんだよね。
完全に理解した(してない)ってやつね。ラプトのこと好きになっちゃった。子どもたちの頭が良すぎるのでオッサンたちはポンコツっぷりを随所で発揮するのだが、それがいい。
「(表面上は)乗り気じゃあないが、旅に付いて行ってやるぜ」をこんなにオシャレに格好良く言える人います?? そんな飲み屋をハシゴするような軽いノリでさあ、命がけの冒険に付き合おうっての? 惚れた。
お、お前~。そんなヒャッハー顔しておいて、何でそんなに愛嬌ある言動ができるんだよ。面白すぎでしょ。海賊3人衆の中でも随一のチョロインだぜ。
最高オブ最高。無責任とも捉えられるセリフだけどさあ、でも自分で決めなきゃ後悔するよね。後悔させたくないんだろうな。突き放すようでいて、親心を感じるのが好き。前後の流れもいいよねえ。クライマックスでモリオが自分で決断するシーンではこのセリフが想起されて泣いちゃった。
ここに来るまで何度か滅んでいるし、実際この後滅びまくるので重みのあるセリフになってるよね。痺れる。
な、仲良し~。普段そっけない感じなのに信頼関係があるのすごい好き。一番バカっぽい(失礼)ステラがこれを言うのがいいなあ。子どもたちに絆されてるんだけどさ、それでも仲間のほうが大事なんだよね。
言葉とは裏腹にってやつ。この後の展開はネタバレが過ぎるから書かないけどさあ、確かこの後でBGMが切り替わったんだよね。誰も口にしないけど、行動で魅せる。想いは同じ。あ~、好き。
これはさ、お前らならできるって信頼がなきゃ言えないセリフなんだよ。この航海を通して紡がれた絆の集大成がここに込められてる。最初は「足を貸してやる」だけのはずだったのにさ。それと同じくらいの気軽さで、でも遥かに重みを増して響く。
最後、何が起きたのかは書かれているけど、何故そうなったかは書かれていない。私の想像力ではわからないことも多いけど、「滅びた」じゃなくて「おわり」になったということは、終末を避けて未来を掴み取れたってことなんだろうと思う。
こんな生き様を見せられたらさ、続きを見てみたいと思うじゃん。別れるには惜しいって。超高性能AIだってきっとそう思ったんじゃないかな。
素晴らしき冒険の日々に感謝を。
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