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トリミングサロンの電話予約デメリットと対策方法


お客様より予約電話がかかってきて、電話に出て対応するという一見当たり前に見える行動は大きなデメリットを抱えています。
今回はそのデメリットの内容と、
その具体的対策である電話予約撲滅三段活用についてまとめてみました。


電話予約デメリット

1.トリマー生産性と顧客満足度が下がる

トリミングサロンにおいて、予約電話の対応をトリマー自身が行うケースが多く見られます。
その理由として、予約スケジュールを組むためには、担当するトリマー毎、犬種毎により施術時間が異なるため、専門的な知識が必要となるためです。
するとトリマー以外の人間にとって予約受付の難易度が高いものになってしまい、結果としてトリマー自身が予約電話を取らざるを得ない状況と言えます。

専門知識を持つ電話対応専門のスタッフがいればいいのですが、コールセンターとは違い、電話対応のみに多大な人件費をかけることは現実的ではありません。

常時接客・カット・シャンプーを行っているトリマーが、
予約の電話に対して完璧な対応をすることは難しく、都度施術の手を止めるため、トリマー自身の生産性を低下させます。
また時間に追われる中での電話対応は、本来ありがたい予約電話が施術の手を止めさせるものへ変わり接客対応の質が低下します。

それだけではなく、
これは2013年に時計メーカーで知られるCITIZEN(シチズン)が行った意識調査で以下のような結果が出ています。

電話口で待たされる時間
「 6割が30秒でイライラ。待たせる場合は“30秒”以内で。」
仕事で電話を掛けた際に電話口で待たされるケースがありますが、どのくらいがガマンの限度なのでしょうか。「30秒」(29.5%)がトップで、“30秒まで”(「5秒」「10秒」「20秒」「30秒」の各数値合計)に過半数(59.6%)がイライラしています。
電話口で相手を待たせる目安は、30秒以内というところでしょうか。

みなさんもコールセンターに電話した時、なかなか電話に出ない、
繋がったあとも保留で待たされたりしてイライラした経験がありませんか?

トリミングでも同じことが言えます。
カットやシャンプーの施術を一旦ストップして電話に出るため
電話に出るまでにどうしても時間がかかりますし、
空き枠の検索とそのペットの施術時間、出勤トリマーの確認など、
様々な情報を加味するためどうしても保留時間が長くなります。

その間お客様は待つこととなり、結果として顧客満足度は低下します。


2.来店周期(頻度)が長くなる

来店周期とは顧客の前回来店日から今回来店日までの期間のことです。

顧客が電話で予約をするということは、
顧客が来店周期を決定している状態となり、
その顧客がペットにとっての望ましい来店周期を知らない場合、来店周期が長くなる恐れがあります。

来店周期が長くなると以下のデメリットがあります。
・ペットに負担がかかる
来店周期の伸び=前回からの来店期間が空く、ということですので、
毛玉やもつれが発生しやすくなります。
・トリマーに負担がかかる
トリマーにとって毛玉やもつれを解くことは肉体的にも精神的にも悪です。
・店の売上に負担がかかる
来店周期が伸びることで年間来店回数が減り、売上が下がります。


デメリットまとめ

① 電話での対応はトリマー生産性を下げるだけでなく、顧客満足度も低下する恐れがある

② 顧客都合での予約では来店周期が伸び、ペット、トリマー、売上に悪影響をもたらす

顧客側にいつ予約するかの主導権を渡した状態では、一見顧客重視に見えてみんな損することになります。
大事なのはお店がその仕組みを理解し、施策IT導入により問題を先回りして解決することが重要です。

電話予約撲滅三段活用

そんなデメリットの多い電話予約ですが、
結論、そのすべて無くすことは難しいです。
ただし以下の方法により電話予約を大幅に減らすことは可能です。

 電話予約撲滅三段活用 その一 「次回予約」
一番メジャーな方法であり一番効果があります。
顧客来店時に次回のご予約をその場でとることにより、その顧客は予約電話を行わないため当然その顧客からの電話は無くなります。
次回予約を取るテクニックとして以下があげられます。
【割引提案】
次回予約を取ると〇〇%off
【強制提案】
今予約を取らないと埋まってしまう
【施術提案】
ペットの健康や顧客希望のスタイルを叶えるための来店周期を提案する
具体的には、
・毛玉やもつれが多いとペットに負担が生じること、毛玉もつれ料金により金銭的な負担が顧客にかかることを伝え、その解決策として周期短縮を提案する。

このあたりはこの道のプロがいますので、他のブログにはトリマーさん自身がもっと具体的な内容を掲載してくれている方がいます、
ここでは代表的な部分のみ記載致しました。

電話予約撲滅三段活用 その二 「ネット予約」
次回予約推進をあの手この手で行うと、1年程度で次回予約率が40%以上、個人店では90%以上なんてお店もあります。
ただどうしても次回の予約を取ることを嫌がる顧客もいます。
実は私もその一人です。
元々忘れっぽいため、予約忘れによるお店への迷惑が一番怖いため1~2か月先となる予約は怖くて取れません。

そういった次回予約が取れない顧客に対しての施策としてネット予約が有効です。
ネット予約は電話予約のデメリットの多くを解決します。
・トリマーの手が止まる(トリマー)
・電話で待たされる(顧客)
・18時とか19時以降トリミング店が閉店したら予約できない(顧客)
・空いている日がわかりやすく選びやすい(顧客)

このようにネット予約を活用することで施術の手が止まる電話が減り、
さらにネット予約で発生するメリットが顧客側に多くあり、高い顧客満足に繋がります。

ネット予約はトリミングには向かないというお声を多く頂戴します。
それはトリミングに特化した予約システムが今まで無かったからです。
サロンドワンではペット毎、犬種毎、トリマー毎の施術時間を認識し、
その結果を空き枠として顧客画面に表示する仕組みがあります。
皆様が懸念される無理な予約がどんどん入ってくるという状況は無くなります。
詳しい内容はここでは長くなるので、ご興味ございましたらお問合せください。

電話予約撲滅三段活用 その三 「こちらからアプローチする」

正確には、
(今にも予約の電話をかけてきそうな顧客に)こちらからアプローチするです。

すべての顧客には生活リズムが必ずあります。

同じトイプードルでも、
顧客A様のプー助ちゃん、1か月周期での来店
顧客B様のモコちゃんは、2か月周期での来店
このようにペットそれぞれの個体の特徴、その顧客自身の価値観などにより顧客ごとに来店周期は異なります。

この来店周期を個別に把握し、それを逆算することで次回来店日が予測可能になります。

次回来店日を予測しその来店一歩手前にこちらからアプローチを行うことで、来店周期の伸びを防止するとともに予約の電話を減らすことができます。
アプローチ方法は、メール、SNS、お電話などがあげられますが、
いずれの方法でも、来店一歩手前のタイミングなので、大きな効果が望めます。

ただしこの方法を正確に行うには人間の感覚では難しい為、
一般的にはシステムで顧客管理を行う必要があります。


まとめ

電話予約は顧客、トリマー、ペット、お店すべてが損をしますのでその件数を少なくすることが重要です。

すべての予約を次回予約にすることが理想ですが。

それは難易度が高い為、次回予約できない顧客をネット予約へ誘導することで顧客満足度を上げながら残りの電話予約をさらに少なくできます。

それでもぎりぎりまで予約を行わない顧客へは、
システム等で顧客管理を行うことで、来店一歩手前の顧客を常に把握し、こちらからアプローチを行います。
ネット予約も顧客管理にも共通する問題は、費用が発生する点ですが、専門の電話受付スタッフや顧客管理担当者を雇うことを考えると安いもので、トリミングサロンにおけるIT化で人件費を削れる数少ないポイントとも言えます。


この電話予約撲滅3段活用を行うことで電話件数を減らし、
快適なトリマーライフを実現していただけたら幸いです。

以上、ご覧いただき誠にありがとうございました。