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コロナで中規模サロンが店舗縮小をしなければならない理由をシミュレーション

原宿・表参道・池袋にシェアサロンを展開するSALOWIN代表の阿部です。2020年4月より、美容室の稼働率を最大化させる「SALOWIN LINKS」というサービスも開始しました。また、美容師や美容室経営者で運営するコミュニティ「supporters」も開設しましたので興味のある方はDM頂けますと幸いです。

出店攻勢をガンガンかけている中規模美容室チェーンが、今回のコロナで店舗縮小を実施しておりますが、実際問題、どんなキャッシュフローの状態になっているのか?あくまで想定ですがシミュレーションをしてみたいと思います。

15店舗を経営した場合の収支を考えてみる

まず先に、15店舗のサロンを展開した場合の会社の収支を考えてみたいと思います。

■1店舗単位の収支
売上:600万円
原価:50万円
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粗利:550万円
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人件費:210万円(7人×30万円)
賃料:80万円
販促費:55万円
光熱費:13万円
決済手数料:12万円
通信費:2万
タオルクリーニング:5万円
雑費:5万
減価償却:33万円(2000万を60ヶ月)
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営業利益:135万円(営業利益率22.5%)
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1店舗単位の場合、上記のような感じでしょうか?営業利益率22.5%なので、かなり優秀な分類になると思います。こちらが15店舗ありますので、月間売上9000万円、営業利益2025万円となります。

おーめっちゃ優秀。

多分、ここまでの好業績なサロンはあまりないかも。ここから会社全体のコスト考えてみましょう。

■会社全体の収支*現預金6000万円
売上高:2025万円(店舗の営業利益合計より)
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役員報酬:500万円(社長の給料300万、副社長200万)
人件費:300万円(本部人件費)
賃料:50万円
求人採用費:100万円
もろもろ経費:50万円
返済額:450万円
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本部コスト合計:1450万円
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営業利益:575万円

こんくらいですかね?毎月575万円くらいが会社に現金として残る訳ですが、イケイケのサロングループであれば積極的に出店を続けるでしょう。

ここを前提に物事を考えていきたいと思います。

急速な出店による現金不足

仮に、今年は1ヶ月1店舗の出店を計画しており、1店舗あたり500万円を自己資金、1500万円を銀行借入として、総額2000万円で1店舗を作るとします。

こうなると、毎月の現金は内部留保には回らずに出店コストに消えていくことになります。

もちろん、その分だけ、1店舗あたりから得られる収益が増加していく訳ですが、ここで「コロナ」がやってきます。

全店舗の売上はゼロになりました。

毎月の維持コストは少なく見積もって、「店舗:5175万円」+「本部:1300万」=「合計:6475万円」の現金が流出することになります。

現預金は6000万円ですので、1ヶ月も余裕がありません。。

そのため、コロナ融資などを実施して、2億円を新規に借入し合計2.6億円の現金を準備しましたが、それでも、4ヶ月くらいで会社は倒産することになってしまいます。

店舗縮小を選択する

コロナがいつ鎮静化するか分からない経営者は判断に迫られます。早期鎮静化を見越して、ここはじっと我慢するのか?それとも、一部のコストが重たい店舗は見切って潰すのか?

仮に、15店舗中10店舗を潰して本部コストも軽くしたらどうなるのか?計算してみましょう。

店舗損失:5175万円>1725万円
本部損失:1300万円>1000万円
合計損失:6475万円>2725万円

店舗を急速に閉店すると、毎月のキャッシュアウトは、2725万円まで縮小することが可能になります。2.6億円の預金があれば、9.5ヶ月まで延命が可能です。

生存期間が2倍に伸びる訳ですね。これはデカイ。。

先行きが不透明な状況で従業員の雇用を守るためには、店舗には犠牲になってもらう。そう考えた経営者は早々に店舗縮小を実施したと言えるでしょう。

リスクがあるから成長する

今回の話は、実際の企業をイメージした訳ではありませんので、実態とは乖離する部分がありますが、出店スピードの早い会社は、総じて、現金不足であり借入額が大きいと言えるでしょう。

ただ、これを見て、上記の経営者は無謀な戦略で規模を拡大した。とは私は思いません。

なぜなら、企業である以上、売上利益の最大化を求めることは、自然なことであり、この拡大があるからこそ従業員の昇給や昇格なども可能になると言えるからです。

そして、そのリスクを経営者が一挙に担うのが中小企業の宿命。

今回は、店舗縮小という決断をしたサロンも、不死鳥の様に復活してくると私は思いますし、このようなやばい状況を経てより強い組織になると思っています。

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