お風呂…
新しくお部屋のメンバーになる人がやってきた。
なんの病気なのかわからないけど、テキパキ…と言うのが正しいのか、どこか横柄な態度で色々指示していくおばちゃんだった。
まぁ、一言で表すなら偉そうな態度のおばちゃんやった。
私らに対して偉そうにあれこれ言ってこないからどうでもいいのだけど、もうちょっと優しくしてあげればいいのにと思った。
そして不思議なのは看護師さん?が私らに対する対応とは違う対応をしてるように見えた。が、私が入院してから見た覚えがない人のように思えた。
私設看護師さん⁉️
と思ったが、そんな人連れてこれないやろうしこの看護師さんはどう言う立ち位置の人なのかよくわからなかった。
まぁ、誰がきたところで私には何も影響なく、私の好きに動くだけなんだけど。
Kaoさん。
今日はリハビリの他にお風呂あるからね。
お風呂?
一生懸命考えてもお風呂の入り方がわからない。
車椅子ではいるの?
普通に入れるの?
なんて疑問が頭に浮かぶ。
後で迎えにくるから待っとってね。
急性期にいる間の私の記憶は飛び飛びで、ここにきて何日目なのかもわからない。
後からいろんな話を照らし合わせると記憶に残ってないこともたくさんあった。
看護師さんから怒られても、なんのことかわからないなんてのもたくさんあった。お風呂に入った記憶もなかった。
どやってお風呂入るんやろ…
多分何回か入っているだろうけど何ひとつ記憶にはない。
お風呂まで歩けるかなぁ?
いろんな疑問を浮かべながらお風呂の時間を待っていた。
その間向かいに新しくきたおばちゃんは1人ぶつくさ言いながら自分の過ごしやすいように色々ずらしたりどかしたりしていた。
そして、ベッドから足を下ろして腰掛けテレビをつける。テーブルを自分の方へ引き寄せくつろぎスペースを作ると頬杖をついてテレビを見始めた。
あれ?
あの人さっきベッドから降りちゃ駄目言われてたよね?足だけ下ろすのはありなん?
と思ったが、どうせ人のことやからどうでもいいか。と気持ちを切り替える。
そうしてるとお風呂だよ〜とおばちゃんが迎えにきた。手元には…ストレッチャー…?
あれでお風呂行くが?
えー?
そのまま私はストレッチャーに乗せられお風呂へ。お風呂で乗り換え、服を脱がされる。
寝たまんまシャワースペースへ。
明日転院やろ?
爪切りもしておくか。
そんな話をしながら体を洗われ、さっと服を着せられる。シャワー浴ってやつなのかなぁ?
部屋に帰ると後爪切りしとこうね。と、ピンクの爪切りが出てくる。爪切りには私の名前が書いてあった。ただ、見覚えがない。私のじゃないのに私の前書いてある…
明日持っていくものはこっちで荷造りするから心配せんでいいよ。着替えもこの間持ってきてもらったからそれ着ていけばいいし準備はすぐ終わるね。と色々確認して看護師さんは帰って行った。
この辺りから私の記憶はある程度しっかりしてくる。今でもここより前はあまり記憶がないが、1日の流れが理解できてきたのはこの辺りからだった。
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