見出し画像

我が家の突破事件

「また、息子が突破した」
我が家では、息子がスマホやゲームの時間制限や機能制限を突破してしまうことをこう呼んでいる。

息子は中学2年生だ。
こどものゲーム、動画問題は我が家でも悩みの種である。
ゲームは、任天堂Switch。
スマホはYouTube。
Amazon Fire TV Stickでプライムビデオ。
放っておくと、ずーーーっと見ているので、もちろん時間制限とパスワード設定を行っている。

ゲームは、任天堂が提供している「みまもりSwitch」というスマホアプリがあり、毎日制限時間を設けられるようになっており、パスワードを解除しない限りは、制限時間になると、電源が切れる仕組みになっている。

スマホはiPhoneを使っており、スクリーンタイムという機能を使って、アプリ毎に1日あたりの使用時間を設定することができる。キャリアが提供しているあんしんフィルタ付きのブラウザがあるため、YouTubeは見られない用になっている。

がしかし、これを色んな戦法で突破してくる。

iPhoneのスクリーンタイムで息子のアプリの使用状況を見ていたところ、株価のアプリを何度も何時間も見ていた。株価に興味があるのか? 面白いじゃないか! と息子の興味の矛先に私は小さいころ株価なんかに興味なんて、1ミリたりとも持たなかったのに、色んな興味の幅があっていいなと思っていた。
「小学6年生の娘より、お兄ちゃん株価アプリから動画見ているよ」
とタレコミが入った。
株価アプリから、Yahoo!ファイナンスのウェブページに移動し、そこからYouTubeを見ていたらしい。速攻で株価アプリに時間制限を設けた。

はたまた、Amazon Fire TV Stickではこんな出来事があった。
動画を見る時に、4桁の数字を入れないと見られないようになっている。私がパスワードを設定しており、宿題等やることをやったかどうか、見る時間を制限するためにも私の目の届く範囲で見られるようにしていた。

ところが、ある日外出先から帰ってくると、見まくっている痕跡がある。
娘のタレコミによると、息子はパスワードを知っていたようだ。
息子に問いただすと、なんと、私がパスワードを解除している時の指の動きで、パスワードを見破ったらしい。
もはや、ハッカーだ。呆れを通り越して感心してしまった。

もう一つ、呆れを通り越して感心した突破事件はこれだ。

緊急連絡用にと、電話とショートメッセージは時間制限を設けていない。
ある日、どうもスマホを見ている時間が長いなと思い、そーっとスマホの画面を眺めにいった。すると、SMSのアプリの中でYouTubeを見ているではないか。

YouTubeが見られるときに、URLをコピーしておき、妹のSMSに流しておく。
メッセージの小さい画面の中で、YouTubeを見ていたらしい。
おー!! なるほど!! この手があったか!!
ここまで来ると、「デジタルネイティブ世代の驚きのスマホ活用術」だ。
その工夫する力は、もしかしたら何かに役立つかもしれないなと思ってしまった。

とはいえ、やるべきことも終わっていないのに無制限に開放するわけにはいかない。
こんなことなら、いっそのことゲームもスマホもなくしてしまえばいいと考えたこともあった。
でも、完全に禁止してしまうことも、デメリットだと感じている。
動画やゲームで得られる情報も、友達との会話や、将来役に立つこともあると感じているからだ。

私はこどもの頃、ゲームを一切させてもらえなかった。
中学生の時、先生がドラゴンクエストの大ファンで、掃除にドラクエ方式を取り入れていたが、私は全くその意味がわからなかった。
社会人になって、飲み会でワイワイ話していると、昔のゲームの話になったりする。話についていけず、話を膨らませることもできなかった。
ゲームは全くの悪ではなく、ビジネスの中にゲーム性を持たせる発想力や、雑談力にもつながるのではないかと思っている。
こんな経験もあり、動画・ゲームの完全禁止は無だと思っている。

一時期流行った「スマホ脳」という本で、こんなことが書かれていた。
「人間は、衝動にブレーキをかける前頭葉という脳内の領域がある。しかし子どもは未発達。スマホやゲームを我慢することが子どもは、大人より難しい」
ブレーキをかけることが難しいのであれば、ブレーキをかけることを親がサポートしなければいけない。

そして、昨日も突破事件が発覚した。
祖母が、「平日ゲームばっかりやっている」とボソッというのだ。
あれ? おかしいな。平日は30分しかゲームができないようになっているのに……
みまもりSwitchアプリを見ると、2~3時間毎日やっているではないか!
時間の横には、パスワードを解除したマークが……
またしてもパスワードが見破られていた。

息子と親のイタチごっこは、まだまだ続くのであった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?