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営業代行会社のエース級人材は、あなたの案件にはアサインされませんよという話。

営業代行会社に依頼すると、営業力の高い人材に営業活動をしてもらうことができると思っていますか?

営業代行会社に依頼した場合、その会社に所属する営業スタッフの中から、案件に合った人材を提供してもらうことができます。

でも、あなたが営業代行会社の立場なら、どんな人をアサインしようと思いますか?
その点を考えると、依頼を受けた案件にエース人材を投入することはまずないとわかるはずです。

営業代行会社が事業を行う上での生命線は?

前回、「営業代行会社はプロ。クライアントへの営業もプロ。」という記事の中で、「営業代行会社は受注しないと仕事がない」と書きました。

もちろん、一度引き受けた案件がずっと続くなら、新規案件を取りに行く必要はありません。しかし、どんな仕事でもいつかは終わりが来ます。

だから、営業代行会社は、新規受注を取り続けないと、経営が行き詰ってしまいます。
新規案件を受注することが、既存のクライアントから突然に契約終了を通告されても、経営体制を揺らがせないで済む方法のひとつなのです。

受注担当と案件のスタッフ。どちらが営業代行会社にとって重要か

とはいえ、受注した案件で成果を上げることができなければ、契約を継続してもらうことはできませんよね。だから、案件のスタッフに優れた人材を投入すべきだと思う方もいるでしょう。

だから、自分が依頼した案件にエース級の人材を投入してくれるはずだと・・・。

残念ながら、その期待は裏切られます。

実際に私が他の営業代行会社で見聞きした範囲では、案件のスタッフにエース級人材をアサインしているケースはほとんどありませんでした。

エース級人材が案件スタッフになるケースはまれで、そういった人材は新規開拓に注力しています。

その理由は、会社の業績への影響度です。

新規開拓では、毎月、いくつもの案件で提案を行い、受注を目指します。1人の人材が、たくさんの案件を受注することができるため、どんどん売上を増やしていくことができる可能性があります。

一方、案件のスタッフは、その案件で成果を出すかどうかだけで、その効果は「案件が維持できるか」です。
もちろん、成果が出たから依頼している量を増やそうかとなることもありますが、そんな案件は少ないです。むしろ、取り扱う商材そのものの魅力や競争力が低く、誰がやってもまず成功しないというケースの方が多いくらいです。

極端に言ってしまえば、こうなります。

新規開拓担当:営業代行会社の売上を増やす役目
案件スタッフ:今ある売上を維持する役目

あなたなら、どちらにエース級人材を投入しますか?

それでもエース級人材が投入される案件はあるが・・・

中にはエース級人材を案件スタッフにすることもあります。
けれど、それは例外です。

例外①営業代行会社が大事にしたい案件の場合

営業代行の仕事は、マンパワーで動かす仕事です。しかし、管理業務や経験での成長を考えると、任せられる業務量が多くなると、その分だけ利益を出しやすくなります。

そのため、1か月で50時間稼働する依頼よりも、1か月で5人がフルタイムで稼働する依頼の方が、効率的に利益を得ることができます。

そして、稼働量が多いということは、当然、売上規模も大きくなります。
つまり、依頼する業務量がかなり大きくなると、営業代行会社がその案件の契約を維持したくなるインセンティブが働くため、エース級人材を投入してくれる可能性が高まります。

例外②受注するためのアピール

営業代行会社と交渉していると、よく「弊社で一番の人材をアサインします」とか「私自身が案件のスタッフとして稼働します」といった約束をしてくることがあるでしょう。

これは額面通りに受け取ってはいけません。
上に書いたように、新規受注を担当する人材を案件のスタッフにすることは、営業代行会社の経営上は「リスク」以外の何物でもありません。

あくまで、受注するための演出です。
約束なので、最初はその人材をアサインしてくれます。しかし、いつの間にか、その人材がスタッフとして稼働している時間が減り、すぐに他のスタッフに担当変更となっていることでしょう。

あと、「一番の人材」と言っている人材が、本当に一番の人材かを確認する方法はないので、口だけでそう言っておき、普通の案件担当専門のスタッフをアサインしておくというのも常套手段です。

さいごに

結局、営業代行のビジネスモデルから考えると、あなたが営業代行会社の立場でも同じことをするのではないでしょうか。
仮に、とても高い倫理観があり、クライアントのためにエース級人材を案件スタッフにアサインしたとして、次の案件を取る時にはどうしますか?
エース級人材が無限にいるわけではないですし、会社を維持するためには、彼らを案件スタッフにしておくわけにはいかないこともあるでしょう。

だから、よほどのことがない限り、エース級人材があなたの依頼した案件にアサインされることはないんです。
営業代行会社の営業トークに惑わされず、冷静に、話半分・・・いや、話10分の1くらいで聞くようにしましょう。

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