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その一勝は何のため?~ポケモン日中交流戦を観戦して~

※ヘッダーは害悪ゴチルゼルを推しポケの抜群技でワンパンしてスカッとしたい願望のイメージ

はじめに

こんばんは、さらたつです。記念すべき最初の投稿はポケモン日中交流戦についてです。いきなりヘビーなことを書き殴るよ!
自分はくろこ氏、神谷月音氏、バンビ―氏、いろは師匠氏の対戦配信を見ていたのだが、「おいおいこりゃネタになるぞwww」という感想を持ちましたし、正直あんまりいい印象を持てませんでした。後日こちらの記事を拝見し、世間の声を見ることになりました。

(話題の顛末もこちらに詳細が書いてあるので、ぜひご一読ください。)

大方の予想通り世間でも荒れたは荒れたのですが、自分が抱いた感想と全く違った(ともすれば真逆の感想で)荒れていました。
リンク先の筆者さんが細かく書いてくださり具体的な世間の不満・批判も良くくみ取れたので、自分の意見と照らし合わせながら感想文を書いていきたいと思います。
(もちろんこれは筆者の一意見なので、優劣はなくこういう考え方もできるかもよ!というただの所感以上のものではありません。)

1.害悪だろうが勝ちは勝ち

まず大前提として、ポケモン対戦にはさまざまな勝ち方があります。
その中でも所謂害悪戦法と呼ばれる「防御・特防(防御力)の強いポケモンやそれらにバフをかけられる技、回復技などを採用し、相手に倒されない状況を作ってから相手を倒したり時間切れ(TODと呼ばれる)を狙う戦術」というものが古くからあり、世のトレーナーからは嫌われ、一部の陰キャガチ勢からは熱烈な支持を受けています。
今回の件は端的に言えば上記のTODを使用して中国チームが7戦中2勝したことで「実力派が集まっているのにやり方が姑息だ!正々堂々と戦え!」、「国際試合というイベントで配信映えしない戦法とは何事だ!」、「親善試合にゴチルゼルを使用するなんて全然親善する気なくて草」などと騒動になっているわけです。
もちろん個人の感想としてはよーくよくわかる(筆者もランクバトルで害悪戦法に嵌められては一人で絶叫することもしばしばあるので)のですが、それぞれ批判材料とするには主観が強いんですよね。

「正々堂々と戦え!」
→害悪戦法も立派な正々堂々とした戦略の一つです。
かつて1試合60分だったり逆に15分だったりといった極端に長かったり短かったりする過去を経て、現在の1試合20分という「TODで逃げ切れるか逃げ切れないか丁度いい塩梅」を公式側がルールとして策定しました。
もし公式がこの戦法を蛇蝎のごとく忌み嫌っているなら「対戦中に相手に与えたダメージの総量」で勝負を決めるなど害悪の肩身をもっと狭くさせることもいくらでもできるわけです。

「配信映えしない戦法を使うな!」
→元々配信するかどうかも未定で、個々人にゆだねられていました。

くろこか誰かが言っていたのですが、主催本部があるようなオフィシャルな大会ではなく、まずは日中戦をするという前提のもと、少なくとも日本勢は全員配信者でもあったので配信視点をとって我々も楽しめるイベントになった、という流れです。
なのでこの意見は個人的にはちょっと主張が強いクレームに近いものに感じてしまいます。
しかも映えという視点で言えば、何も対戦の中身うんぬんだけでは決まらないはずなのです。運悪く喉を潰してしまっていた月音さんは気の毒でしたが、個人的にはバンビ―がゴチルゼル相手に四苦八苦して絶叫する様子なんか十分に素敵なコンテンツとして楽しめました。
(そもそも対戦の上手さなど実力だけで決まるなら、もこ先がトップポケモン実況者なわけn(ry)

「全然親善する気なくて草」
→この意見に関しては全面的に同意せざるを得ない。

2.この親善試合の目的は何だったのか

しかし筆者は冒頭のようにこの試合に違和感を感じ、それがどういうものかを振り返ってみました。そしてそれを言語化すると、

「国際戦を通してポケモンや戦術のトレンド・好みの違いを楽しみたかったのに、蓋を開けてみれば相手をガンメタして害悪のなかでも定番の戦法を使われたがっかり感、挙句贔屓チームがそれで負けてしまった残念さ」

というものでした。

ポケモンは日本が世界に誇るコンテンツですが国・地域で独自の人気の出方がそれぞれあり、殊ゲームの対戦でもそういったものが強く出ます。(セジュンさん韓国勢に異様にウオノラゴンが人気だったり、欧米ではそもそもダブルバトルばっかりだったり…)
今回国際マッチと聞いて、「日本のトレンドvs中国のトレンド」を実力派のプレイで見られるという期待をしていました。

しかし試合を見たり試合前のこぼれ話を聞くに、どうやら中国チームは「各々の戦いたい相手を(全員かはわからないが)指名して、少なくともバンビ―といろっちゃんのお相手は1リスナーだった」ようです。(だからこそサイクル戦が好きなバンビ―にゴチルを投げたり、黒バドのイメージが強いいろっちゃんがダイアークヌオーと対面したように、絵にかいたガンメタが多用されていたよう思えます。)
察するに中国ニキたちは「自分の戦いたい相手に挑戦してしっかり勝利をおさめたい!」というモチベーションで臨んだのではないでしょうか。なにそれかわいい。

…つまりそもそもこのバトルにおける目的を「日本の外野」が「発案の中国ニキ達」の考えからはかけ離れたもので想像した結果のすれ違いだったわけです。

3.その上でゴチルゼルの採用を批判したい

さてここまでだとまるで筆者は今回のゴチル嵌め勝利に問題を見出さないように思えるが、そんなことはなく、寧ろ世の大勢よりもクリティカルに捉えている自信がある。
なぜなら
「今回のルールにおいてゴチルゼルを採用することは今後のランクバトルや(もしあったら)大会においては悪手になるケースの方が多い、再現性の低い作戦であると考えられる」
からである。

現在の禁止伝説2体環境において、圧倒的トップメタのザシアンの相棒として組まれているトップ3はカイオーガ、黒バドレックス、イベルタルである。
…この「ザシオーガバドイベル」にゴチルゼルは対面や後出しじゃ基本的に勝てないのだ。十分厄介な相手ではあるのだかもっとヤバい天敵と比べたら有象無象寄りなのである。
もちろん他の伝説ポケモンには強く出られるのも多いし、活躍する場面が多いポケモンではあるのだが、対戦環境というものが重要視されるポケモンバトルにおいてはこれまで以上に積極的に採用することは褒められることではないのだ。
そして見ている側からは「ランクバトルでは実際には使わないだろうけど、今回の試合に勝つために連れてきました!」というように感じられてしまうのだ。
…いやいや、今回の対戦がピークの戦法かよ。それじゃあ今後の対戦に生かすも何もないじゃないか。

バンビ―らが運営している「今日ポケチャンネル」では強者の心得として
「強い人は基本的に安定行動しかしない。読まなくて良い場面では決して読まない。」ということをしばしば述べている。
自分もまだまだ勝率が安定しないが、安定行動とは何なのかを日々考えながらわざを選んでいる。
そういう意味ではそもそもゴチルゼルを採用していくこと自体が「読まなくて良い場面で読んでいる」ことであり、勝ってもあくまで運勝ち、その後の成長に繋げることは難しい。
今回の交流戦が交流と研鑽を第一の目的とするなら、より潰しのきくベストメンバーを連れてきてほしかったなというのが率直な感想である。
(多分「今日ポケ」を熱心にチェックしているかどうか、がこういう感想を抱くかの決め手だと思う。)


まとめ

☆今回の交流戦はあくまでフレンド戦なので配信映えをプレイヤーが狙う必要はないし、なんなら取れ高としては十分にあった。
☆個人としては、大会ではないからこそピンポイントメタという方法で置きにいって勝利したことは再現性が低いので対戦内容としては好きではなかった。

おわりに

…頭の中の考えをアウトプットしていたら、自分が思っていた以上に屁理屈だったことに愕然としています。
ただ、今回の件は対戦勢もロム専勢も含めてポケモンバトルとは何なのかということを考えるきっかけにできると思うので、FPSに押され気味のポケモンを当事者としてさらに盛り上げる材料にしたいと思いました。
(そんな委細なことはいいから楽しんだもん勝ちだけどな!害悪戦法は嫌いだけど!)

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