サバイバル

サラリーマンという弱者の不動産投資戦略

「○○さん、素晴らしい企業にお勤めですね!」

サラリーマンが不動産投資を始めると、業者さんが色々な物件を紹介してくれます。

サラリーマンの読者の皆様。
不動産業者に面談に行ったときに、こんな風に言われたことありませんか?

「○○さん、素晴らしい企業にお勤めですね!」
「超エリサーじゃないっすか!僕なんてダメダメっすよ~」
「○○さんのご属性だったら、銀行も喜んでお金貸してくれますよ!買わないと損ですよ!」

お世辞だとわかっていてもなんだか嬉しくなってしまう。

ノセられてしまう・・・♡

しかし、なぜこの人たちは我々サラリーマンのことをこんなに褒めてくれるのでしょうか?
その理由が分かりますか・・・?

・・・

・・・

それは・・・あなたがカモだからです・・・!!!

私が不動産投資の勉強を始めた2017年末頃は、今とは異なり、金融機関もまだまだ積極的に融資してくれる時期だったため、怪しい業者はとにかく私に物件を買わせようと、執拗に勧めてきました。
(※信頼できる業者さんは、20に1つあるかないか)

業者さんは、私のサラリーマンという属性を活かして、与信枠ギリギリ限界値までの物件を一気にフルローン(ときどきオーバーローン)で融資斡旋しようと躍起になっていました。

三為や四為、再販系、再生転売系・・・

今になって思えば、僕の目の前に資料を広げられていた物件には、いったいいくつの「あんこ」が詰まっていたのだろうか?と思います。

※「あんこ」とは、物件の本当の所有者と自分との間にいくつもの業者さんが介在していて、多額のマージン(さや)を抜かれている状態のことを言います。

僕は、業者にとっては「使い捨て」の顧客で、おいしそうなネギをしょったone of KAMOとして、捉えられていたのだと思います。

さて、こんな魑魅魍魎が跋扈する不動産という世界で、まさに言葉通りの「カモネギ」であるサラリーマンが、生き抜いていくことができるのでしょうか?

カモネギとしてのサラリーマン

業者はあの手この手を使い、サラリーマンに対して甘い言葉で誘惑を仕掛けてきます。

それはビジネスですし、彼らも生活をしていくためのお金を稼がなければいけないので、当然といえば当然です。

そして、私やあなた自身も、つまるところ、

「お金を儲けたい!」

という欲をその行動の起点として、その場に存在しているわけですから、同様のニーズを持っている彼ら業者さんを批判するのは論外ですね。(もちろん、違法行為に手を染める業者がいたとすれば、それは許されたものではありません)

それでは、そういった「皆が儲けたい!」と思っている業界において、どのように振る舞い、どのように生き抜いていけばよいのでしょうか?

弱者が採るべき戦略

サラリーマンとは、不動産業界においては圧倒的な「情報弱者」です。

百戦錬磨の業者が、こちらからは見えない物件の情報を仕入れ、周到に準備し、隠れた瑕疵を隠したままに、うまく誘導してくるでしょう。

そんな中で、弱者が採るべき不動産戦略とは何でしょうか?

守りの戦略

正しい物件を正しい価格で買わなければいけません。

不動産は規模が大きいだけにリスクも大きいです。

既に手元に資産が十分にあるのであれば、万が一のことがあっても、その潤沢な資産を背景に乗り切ることができます。

しかし、そもそも潤沢な資産があるのであれば、わざわざ不動産に手を出すこともないかもしれません。

恐らくこのnoteの読者の方はみな、現状のご自身の資産状況になんらかの不満があり、今後より良い状態にしていきたい!という強い思いがおありのことと思います。

だからこそ、多少のリスクがあることは承知の上で、正しい弱者の戦略、つまり守りの戦略を採り、生き残っていかなければならないのです。

ここからは、「弱者の戦略」の一つの考え方を提示したいと思います。

不動産投資におけるゲームオーバーを回避する

弱者の不動産投資戦略を考えるときに一番大切なこと。

それは「死なないこと」です。

不動産投資におけるゲームオーバーとは、キャッシュが回らなくなることです。

ロールプレイングゲームで例えるならば、キャッシュはヒットポイント(HP)のようなもので、無くなった瞬間ゲームオーバーです。

つまり、不動産投資界からの退場を余儀なくされるのです。

それを踏まえると、キャッシュフローが確実に回る物件を探すことが、弱者であるサラリーマンにとっての一つの大切な戦略になります。

購入後の数年だけではなく10年・15年といった長期スパンで、安定的にキャッシュフローを生む物件である必要があります。

更に、大規模修繕の発生リスクも、弱者にとっては重要なポイントです。

数百万円~1千万円程度という大規模修繕リスクは、やはり通常のサラリーマンに背負えるものではありません。

ましてや、日本や世界の経済の変動リスクについては、予測可能性にも限界があります。

仮に日銀が急に金融引き締めを行えば、自分が所有するアパートの次の買い手の候補は激減するかもしれません。(融資が出にくくなるため)

つまり、いつ売れるか(いつ出口を迎えられるか)は正確に予測できないのです。

そうすると、弱者であるサラリーマンにとっての命題は、

■売らなくても(≒持ち続けても)
■死ぬことなく(≒キャッシュフローが枯渇せずに)
■じっくりとレベル上げをできる(≒純資産を蓄積できる)

3拍子揃った物件を探すことが大切だということになります。

それではここからは、3拍子揃った物件は具体的にどのような物件なのか、説明していきたいと思います。

弱者に適した物件とは

①エリア

地方都市」をおすすめします。ちなみに僕は、北関東の人口数十万人規模の都市部に物件を保有しています。

地方都市は、利回りと入居付けの難易度のバランスが優れています。

意外と知られていませんが、北関東エリアでも都市部であれば、20-50万人程度の都市が結構にあります。

入居付けにおいて、もっとも難しいのは、「そもそも見込み客がいない」ことです。

逆にいえば、「客さえ存在していれば、物件を適切な家賃で募集に出していればいつかは入居してくれる」ともいえます。

加えて、これはエリアにもよりますが、まだ投資家さんがあまり参入していない穴場エリアもあります。

②構造

木造×築浅(築10-20年程度)をお勧めします。

地方都市の新築はあまりオススメできません。

新築プレミアムが乗りまくっていて、プレミアムが剥落するころには、キャッシュフローが回らなくなるリスクがあるからです。

そのリスクを回避するためには、賃料下落曲線のカーブが緩やかになってくる、築10-20年程度の築浅アパートを購入することが合理的です。

ちなみに、のちの稼働年数のことも考慮するならば、築10年前後が最もバランスが良いです。(フルローン前提で25-30年程度の融資を引く場合、利回りと金利のイールドギャップは7-9%は欲しいですね)

更に、築浅は大規模修繕発生リスクが築古に比べて低く、万が一大規模修繕が発生しても、木造であればその金額リスクもRCに比べて低いことも利点です。

③間取り

単身者用をおすすめします。

ファミリータイプに比べて、入居年数は短くなる傾向にありますが、坪あたりの賃料単価が高くなる傾向にあるからです。

したがって、退去の度に発生する原状回復費用の経費率が相対的に安く済むからです。

入居付けについても、ファミリー用よりも単身者用の方が難易度は低いです。

④規模

中規模(物件の良し悪しや購入者の資産背景にもよりますが、僕は一棟目は3,000-5,000万円程度)をお勧めしています。

万が一失敗したときでも、多少のリカバリーが効くぎりぎりの規模です。

最初から「億超え」の物件で一気に規模拡大を目指すのではなく、少しずつレベルアップしていきながら、複数の物件で安定したポートフォリオを築いていくのが最も再現性が高いサラリーマン大家の戦略だと思います。

サバイバル・ロード(生き残りをかけて)

不動産投資界において、サラリーマンは弱者です。

生まれつきの資産家ではありません。

しかし、弱者には弱者に適した戦略というものがあります。

巷には、強者(資産家)の戦略が蔓延っているような気がします。

サラリーマンは、いつかラットレースを抜け出して、強者になってから、満を持して強者の戦略を採ればよいのです。

まずは着実に純資産を拡大し、その純資産規模に応じたリスク戦略を選択すべきだと思います。

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noteは以上で終わりになりますが、このnoteが皆さまの不動産投資の安全なスタートを後押しするものになることを願っています。

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