自ら行動することの大切さ

 3度目の緊急事態宣言が東京や大阪に発令された。以前より厳しく、発令後すぐ開始、17日間続く予定だ。新型コロナウィルスが騒がれだして1年以上。これまでに日本の問題点がかなり浮き彫りにされてきた。まるでウィルスに意思があるかのように、弱点を狙い撃ってくる。ITの遅れ、政府の決断力とスピード感、リーダーシップ、医療施設などなど。でもそれ以上に気になっている事がある。国民そのものの判断能力だ。周囲と話しをしていても、人から言われないと動けない人が意外と多い。こうした人々の発言は、「誰か(国)が何とかしてくれる。」という無意識な無責任さから出てきている気がする。

 例えば街頭インタビューで繁華街にいる人が「禁止してくれた方が、やらないんですけど。。。」とか、今回の緊急事態宣言を受けて「もう最後にして欲しいですね。」「3度も言われると、もう聞きたくなくなります。」とか。こうした意見をメディアは取り上げ、繰り返しニュースで流すのだが、その度に違和感が込み上げてくる。この人達は他人事なのだろうか、、、

 コロナは私達国民一人一人が向き合っている問題だ。いくら今感染していなくても、医療従事者でなくても、パンデミックの行方は一人一人の人間の行動にかかっている。感染した時に誰にも迷惑を掛けないなんてことは有り得ないのだ。(無症状で何も感じなくても、誰かに感染させ、知らないうちに人の命を奪っているかもしれない。)

 「最後にして欲しい。」など、誰かが感染を止めてくれると思っているのだろうか。私達が最後にするつもりで、感染を封じ込めるために努力をしなければ、感染は止まらない。飲食店や買い物、娯楽に行けるようになるのも、今、我慢すればこそ。我慢しなければさらにこの状況は続き、結局自分たち(特に外出したい人達)を苦しめる。安全や幸せは自ら手に入れるもので、誰かがもたらしてくれるものではないのだ。まして頼まれてやることでもない。

 私はSNSが苦手なので、情報はテレビとインターネットからがほとんどだ。人類の生み出した文明は大変有難い。専門家の方々の正確な情報が手軽に得られるのだから。(インターネットが普及していない30年前だったら、、、考えるだけで恐ろしい。)コロナの特性、予防法、現状など諸々の情報。それに自分の生活常識と経験を併せて考えれば、自ずと自分の行動すべき道が見えてくる。「今何をすべきか、どう行動すべきか、、、自分、家族、社会の為に。」その際、根底になくてはならないのが「命が一番大切」ということだ。命がなければ何もできないのだから。

 日本は世界中で一番と言っていいほど、平和で安全な国だ。災害以外には「非常事態」というような状態を経験することは滅多にない。これは本当に誇れることだと思う。でもだからこそ「安全」や「命の大切さ」に鈍感だ。それが空気のように当たり前にあるから、有り難みすらない。悲しいかな、今回どんなに政治家が「緊急事態」と言っても、経験した事のない人々の多くは真の意味すら理解できていないように見える。

 今、人類はウィルスと戦っている。災害と比べ、目に見えないので想像しにくいのかもしれない。例えれば、目に見えないほど小さな宇宙人が攻めてきたようなものである。地球が一つになって戦わなければ、収束は不可能だ。個人個人が、「人からやってはダメと言われた」ではなく、自ら「感染を止める為に今やるべき事」を判断することが一番強い防御になる。誰のせいにもしない。最後は自分でしか身を守れない。

 人生のハンドルは自分で握った方が楽しいに決まってる。自分そして他者の命を守るため、命令に従うだけでなく自ら行動することで、コロナ禍だってストレス無しで過ごせるのだ。心を満たす方法はいくらだってある。今こそ想像力を無限に広げてみるチャンスだ。


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