キャラクターの凝ったラバースーツ作ったるでという人に捧げる備忘録 ~道具と材料編~
前提として、私がキャラクターラバーを作る時に使っているものをまず列挙します。
大事なことは、別にこれが最適解ではないだろうということです。
今のところ肌に合っていた、手探りで試してきた中で手になじんだというだけです。
とりあえず最低限着れるものが作れているという意味で参考にしてください。
「これのほうがよくね?」と思うのなら、自身の感覚を信じる方が良いです。
できれば俺にも共有してくれ。単に俺が存在を知らないだけのこともある。
厳密にはこれら以外にも使用する道具、消費する材料があります。
局所的に使用するものは、作り方編に添えて別途解説するつもりで割愛しています。
道具
別に昇降でもデスクでもある必要はありません。やろうと思えば床でもできる。
四畳半でもできます、できると思いましょう。思いが全てを変えていく。
「作業空間がない」は甘えです…甘えなんです………ウッ
姿勢を変えられる方が楽なので、腰を労わるのならば昇降デスクお勧めです。
重要なのは天板の大きさです。
例えばラバーシートは巾100cm程度あるので、最低限それらをしっかり広げられる作業スペースを確保すべきだからです。私は現状140cmx70cmでやってますが、それでも狭さを感じます。たぶんこれは単なるわがままです。
デスクに塩ビシートを敷いて、天板がボロボロにならないようにしてやってください。
直径は小さければ小さいほど良し、小回りが利く。
大きくて良いことはあまりない…と思う。
刃は消耗品。切れなくなったら躊躇せず取り替える。
違いがよく分からなければとりあえず布切ばさみを買うべし。
刃渡りはお好みの長さで。刃先丸まってない方が作業性高いかも。
紙切る用のは咬み合わせに隙間があるので、シート挟まってまともに切れないよ。
プラモデル売り場とかにある精密ピンセットを推す。
キャラクタースーツ作りは精密作業だからです。
曲がっていて助かるシチュエーションが思い浮かばないのでストレート。
こちらは先が丸い方がいいです。シートを突いちゃうので。
ぶっちゃけ必要ないかも。
最近は自分の手の爪で事足りてきちゃってる。
ネイルにお洒落とかしてるギャルの人は買ってください。
圧着するのに使います。金属の方が重くていい。
キャラクターラバーでは形状的に平置きできない箇所の方が多くなると思いますが、
できる箇所はドチャクソ鬼みたいにゴリゴリ押し付けたほうがいいです。
まあぶっちゃけなくても指でしっかり押さえてればなんとかなります。
類似品ならなんでもいい。
糊を乾かす時に使います。風当ててる方が乾きが当然早いので時短になります。
https://www.nitori-net.jp/ec/product/2113400000070s
どこからも買えません。
しかし才能や素質がすべてではありません。何度かやれば慣れます。
自分の不器用さに萎えてる暇があるなら、ワンモアセッ!
消耗品
例えば洋裁におけるチャコペンです。
明色シート、暗色シートどちらに引いても視認性がいいので重宝します。
革細工用品売り場にあります。というかゴム工作の道具はそこでだいたい揃います。
引いた線がしっかり見えて、アルコールで拭き取って消えるのなら正直なんでもいいといえばそう。つまり、普通の水性ゲルインキでも可。
「とはなんぞ?」って感じですね。イソプロピルアルコール。
脱脂(ラテックスシートの油分や汚れの除去)に使います。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/artflower-huka/shenseiaru.html
成分的には大して変わらない気がするんだけど、薬局で売ってる無水エタノールや消毒用IPAは接着不良を確認したのでお勧めしない。
俺は化学畑ではないので詳しくはよく分からないが、たぶんアルコールだけでは不十分で、メチルエチルケトン(MEK)が作用してはじめて有用なのだと思われる。
成分が謎でよくわからないし、空輸できなかったりコスパ悪いので、俺はラバーブティックで取引されているクリーナーは使ってないです。たぶん同じ?なのか?
ちなみにリンク先のお店は俺の得意先なので、迷惑かけたらぶっ〇すかんな。
くれぐれも失礼なきよう。
理系のお友達。
「ティッシュと何が違うん?」な方は、理系の人間のお友達に訊いてください。
脱脂の際、こいつにアルコールを含ませて拭きます。
鼻をほじったら鼻血が出るくらいにはザラついている紙なので、しっかり脱脂されるまでシートを拭うことが軽くヤスリ掛けしたようなもんになる。一石二鳥。
接着剤を塗布するのに使います。
乾きかけてる接着剤がダマになってくるので、ケチって使い回し過ぎると綺麗に塗れなくなります。おとなしく新しいのを下ろしましょう。
刷毛でもできますが、溶剤使わないからスポンジが溶けないのでこっち派です。
最近仕様変更でスポンジの粗さや柄が変更されて使いづらくなりました…ファック!!!
以前の仕様の品を見て、私の嘆きに共感できる方は天性のモノづくりセンスあります。
はみ出さないように糊を塗布するとき、
ラテックスシートが裁断時や接着時に伸びてほしくないとき、
前もって塗って乾かした糊付け部分を汚さないための保護に使う。
メーカーや幅はお好みで。俺は3Mのスコッチ、建築塗装用(黄色)を使っている。
重要なのは、テープの粘着質にアクリル剤が使用されてるものを使うこと。
ゴム剤のものを使うと、ラテックスシートもゴムなので粘着質が残って悲惨なことになる。製品のラベルをよく確認しよう。
作業机やPPシートにゴムシートを固定するときに使います。
直線や平置きできる部分を貼り合わせる時は固定した方が綺麗に仕上がります。
マスキングと同様、粘着質についてはアクリル剤のものを選んでください。
ポリプロピレンの板です。類似品が100均でどこにでもあると思う。
袋構造や環形状の部分の接着をする際、両面テープと併用して土台に使います。
作業台に押し付けられないからとフリーハンドでやるよりも、貼り合わせが綺麗に仕上がります。
機械強度を持たせたいスーツのパーツとして、ゴムシートに挟み込んで使うこともあります。
0.75mmのしか使ったことないけど、これより厚いとハサミで切りづらいし、
薄いと強度がないから使う意味はないと思う。
つや消しのもあるけどNG。両面テープがくっつきません。
材料
ラテックスシート
特にこだわりなければ厚みは0.40mmを使っときゃいいです。
それ以外の厚みは補強で使います。全く必要ないわけではなくむしろ多少必要です。
飴色の0.25mmを持っておくといろいろ捗るかもしれません。
以下メーカーごとに書きます。
他にも売ってるメーカーあるけど、個人的には以下3社で事足りてるので挙げません。
安価で加工性が高い。特にこだわりがないならココが安牌。
ただし色数が少なく、カラーバリエーションに偏りがある。
特に、キャラクターラバーを作るのならば、デザインの色味を再現するのは重要。
他社シートとの組み合わせを勧める。
なんか知らんけどラバー好きにめちゃくちゃ人気のメーカー。
色数は多いので、欲しい色がRadicalのラインナップに無い場合はこちらへ。
厚みの刻みと質感が明確に他社と異なるので、組み合わせで悩むシーンがある。
シートに裏表の概念がハッキリと存在しており、裏は明確にざらついていてマット。
他社0.40mmへの代替としては0.35mmが良いと思う。0.45mmは絶妙にゴワつく。
安価だが、10mからの購入なので持て余しやすくコスパは良くない。
表裏が非常に分かりづらいので、切り出しの時は間違わないようにマーキングしよう。
私のやり方だと非常に接着難易度が高い素材なため、メインの色として使うのはお勧めしない。誰かこいつの扱い方を俺に教えてくれ。詳しくは別記事で解説する。
色数が4Drubber並に多いので、足りない色として一部分だけ使うには有用。
直売ではなく小売ならば、
Kink Engineering https://kinkengineering.com/
Armory https://www.ebay.com/str/armory
等々で買っています。
結局送料がそれなりにかかるのでまとめ買いになりますが、
5m以下の少量から買えるので、トータルこっちの方が安く済むことがあります。
接着剤
油性と水性のものがあります。俺は基本的に水性しか使いません。理由は後述。
いわゆる白糊です。シートメーカーが売ってんだから間違いないでしょ。
ざっくり言うとただの液体ゴムで、溶剤を使用していないので水で薄められます。
空輸もできるので日本からでも個人で買えます。
溶剤系の接着剤のほうが強度があるみたいなこと啓蒙されがちなんですが、
あれって本当なんですか?間違ってません?これで一着仕上げても剥がれませんよ。
特にキャラクターラバー作るうえでは、溶剤塗布した後の糊代の撓みは死活問題なので、大部分を白糊で作業するほうが挫折しないと思います。
溶剤の入っている油性のゴム糊です。
うすめ液を混ぜて、いい感じの粘度になるまで希釈して使います。
スポンジブラシではなく、シンナーで溶けないデカい刷毛で塗りましょう。
溶剤は人体に悪いからあんまり取り扱いたくないため、
俺は靴底のソール部分にしか使いません。
しっかりとローラーで圧着できる部分に塗布しないと意味がない接着剤だからです。
接着力も完全乾燥したあとは白糊の方が強いらしい。靴屋が言ってた。
その他小物
いきなりネックエントリーに挑戦する猛者や、外を歩く予定は無い、インフレータブル(空気で膨らませて形状を出す)タイプのスーツを作らないのであれば不要です。
YKK以外を選ぶ意味はないと思う。鍵付きがほしい…?ふむ、一体何の話ですか?
ビスロンファスナーよりコイルファスナーが良いと思います。
構造上、務歯がポロッと欠ける事がないためです。
細かいことですが、上止め具は金属ではなく樹脂製のものを選んだ方がいいよ。
ゴムが変色する原因になるので極力金属は排しましょう。
私は白と黒しか使いません。
シートに似た色があるならそれに越したことはないですが、綺麗に張ってれば務歯はそんなに目立たないので、明色には白、暗色には黒を使い効率化しています。
アリババ等で探したけど丁度良いマテリアルが無かったので、自身で設計して借金してまで金型を作りました。つまり、俺はバルブこそインフレータブルスーツを作るのならばこだわるべきだと思っています。
俺のが欲しかったら入荷待ちボタン押しといてください。
自転車用の英式or仏式バルブを使うのが一般的みたいなのですが、
金属を排したいのと、バルブを外向けにしか付けられない点で個人的には不採用です。
私が設計したのは内向きに付けることもでき、逆止弁を実装できるという点で非常に勝手が良いです。詳細は製作編で別途解説します。
厳密にはできることが異なりますが、金属を使いたくないだけ・見た目だけ似てればいいという方はCandy Coated氏のバルブを取り寄せればいいんじゃないかな。
靴底です。これを足裏に付けると屋外を歩くことができます。素敵ですね。
柄や厚みはお好みで。俺はこいつがベストだと思っているだけです。
アウトソールは付けると足元がごつくなります。
着てもベッドでイチャイチャしているだけの人には不要です。加工もめんどいしね。
メーカー品じゃないものを使う方が安上がりですが、薄くてクッション性がない、重たい、すぐ摩耗する等々、嬉しいことが全く無いです。
しっかりお金をかけることをおすすめします。
Vibramソールは登山靴にも使われてます。実際に私もハイキングしてみましたが、タフで高性能です。全く擦り減らないのでおかしいです。
物理法則を無視していると思われます。
どこからも買えません。勝手に発生もしません。
貴方が大事に温めたそれを使ってください。
長くなりすぎるので記事を分けます。後でまた加筆もします。おそらく。
肝心の作り方はもっと書くの時間かかるんだから、引き続き応援してね~。頼むぞ。
記事書くのは専門外なんだから…!
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