見出し画像

【雑談】大理石を叩いて壊す

祖母が他界して3ヶ月が経った。

母からのLINEで知り、研修を途中で抜けた。
家に帰った時にはもうみんな揃っていた。
コロナ禍直前から施設へ入っていたので、帰ってくるのは5年ぶりだった。
最後にあったのは前日。
LINE通話による面会機能で従兄弟たちみんなで10分間通話した。
「痛い」といっていたが、常に背中に床ずれを起こしていた。

通夜が終わり、葬式が終わり、四十九日もあっという間にやってきた。
祖母のルーツである日本陸軍の葬送マーチを演奏してほしいと叔父から懇願され、納骨の際にラッパを吹いた。
最後、締めのところをミスった以外は完璧だった。

大往生と言われる年齢まで走り続けた祖母。
思えば、私の周りは年上が多かった。

幼い頃から親戚の集まりがあるたびに父に連れられ、大人たちの前で長男と紹介される。
自分よりも何回りも上のおじいちゃん・おばあちゃんに甘やかされた。

今年で23歳になった。

12歳下は2012年に生まれた11歳。
時間とは諸行無常だ。
周りには自分よりも大人の人間が多い。
それは年齢的な話ではなく、精神的なものだ。

社会人歴は長いが私より年下の彼。
同じ中学校の先輩ではあるが、立ち振る舞いは向こうが上だ。
年下に敬語を使うなんてと思う間もなく、時間が過ぎていく。
私は彼から見て、一体どう映っているのだろうか。
ふと頭をよぎる。
それはプライドが邪魔しているから起こっていることだとはわかっているが、それでもなお虚無感は勢力を増し続け、不安な衝動を駆り立てる。

私はシャバくさい年上が嫌いだ。
zonoはその際たる例で、応援団は自分の面子を守るためにしか使用していたなかった。
幕引きの流れとその後の動向を見れば、明らかだ。

情けない年上と付き合っていると、涙が出てくる。
こんなにもだらしがなく、精神が幼く、さぞつまらない人生を歩んできたと思うと可哀想に感じてくる。

いちいち泣き言を言う腐った性根。
自分勝手な行動で迷惑ばっかりかける。
一言クレームを言えば、メンヘラを醸し出し、怒る気を削ぐ。
そのくせ、自分はまるで悲劇のヒーローだと言わんばかりにSNSで立ち振る舞う。
周りから同情をもらって、恨みつらみをつらつらの投稿する。
挙げ句の果てには、性懲りも無く同じ轍を踏んでしまう。
あの人は間違っていることを覚えた。
頭がどうかしている。
いなくなって気づいた、あさましさ。

わかっている。
このスタンスは、私は間違っていることは理解している。
向こうの言いがかりにも一理あるのは知っている。
しかしどうもブレーキが効かず、いつも間違った方向へ向かってしまう。
どうしたもんだ。

祖母にまつわる思い出の品。

お昼寝に使っていたソファ。

ドアの建て付けが悪い電子レンジ。

棺桶に入れたエルメスの緑のバッグ。

肌身離さずつけていた指輪。

全部が愛おしく感じる。

どうしたもんだ。

怒りとか、悲しみとか、そういうの全部ひっくるめて生き方。

進んだ道がその人間そのもの。


梅雨明けが待ち遠しい7月。
自室から送信。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?