【雑談】星二つ
「山てください、さようなた。」
かしこかしこ大学を出たエリートくんでも、誤字脱字くらいはする。
広尾晃について、私は独立リーグ界隈にてよくない話をよく聞いていた。
初めて彼の記事と出会ったのは、今年の6月ごろか。
応援団についてのブログ記事が当時のTwitterに流れてきた。
内容は細かくは覚えていないが、それを読んだ弊応援団の団員の眉間には皺がよっていた。
その数ヶ月前に投稿された記事ではガッツポーズについて否定的にとらえる旨の内容が記されていた。
これはよく覚えている。
都合のいいことでしか叩けないのかとも考えてしまった。
アフィリエイトブログを見ようにも彼に金銭を与えたくなかったので、彼への批判ウェブログを通じて広尾晃とは何か、偏見まみれの知識を得た。
お互い偏見に浸かっているため、ノーダメージだと思う。
そんな広尾の著書、「独立リーグの教科書:夢だけじゃない、ビジネスだけでもない」の書籍紹介を先日投稿した。
本が出版された当初、紹介するのは非常に癪にさわることだったが、複数の論文にてこの本が参考文献として用いられていたので、やらないわけにはいけなかった。
彼への利益を発生させたくなかったので、新品の購入だけは行わないと決めていた。
中古でもなかなか根が張ったので、探すのにも一苦労だった。
幸い福岡市総合図書館で取り扱っていたので、予約して借りた。
コストを最小限に抑えられたのでよかったが、よくよく考えると市民の税金でこんな奴の本を取り揃えた福岡市に対して若干の怒りが込み上げた。
一通り読み終えた後、私は広尾の粗探しに入った。
以前彼はある方のダイレクトメッセージにライターにあるまじき誤字脱字の文章を送ったという。
学歴だけでは本質は図れない。
しかし、出版社が一枚噛んでいるだけあって、目立った誤植は304ページの明石レッドソルジャーズと319ページの福井NEのNPB輩出選手一覧が兵庫Bの前身、神戸9クルーズのものであったぐらい。
節穴の目でお馴染みサク来にとって、たとえ正しかろうがそうでなかろうがデータといういかにも正しそうなものの前では何をどう疑えばいいのか分からなかった。
数字で騙される人の気持ちが少し分かった。
他にも印刷のミスなどはあったが、それは著者の手の届かない所だった。
広尾氏は「初めに」にて、タイトルに教科書と付けた経緯を語った。
この部分より独立リーグマニアに限らず、地域スポーツについて野球という産業から紐解いていく意向があったことが分かる。
実際、他のスポーツと独立リーグを比較することでその相違点や抱えている共通の問題などを示していた。
正直、前半パートは読んでいて面白く感じた。
文章もスラスラと読め、詰まることはなかった。
取材やインタンビューを通して、独立リーグについて触れていき、それをデータを使って深めていく。
彼のブログでもこのような手法を見たことがあったので、データで話を広げることは彼の得意分野なのかもしれない。
また経営を一つのテーマに上げていただけに、監督や選手だけでなく球団社長やファンの声を多く取り入れていたのも印象深かった。
様々な角度から切り込みを入れており、さすがライターさんだと感じた。
一方で後半パートの”提言”だが、これは文章が読みづらかった。
最初目次を眺めた際、教科書が何を提言するのかと思っていたら、何が言いたかったのか分からなかった。
私見について、確かに一理あったっちゃあったが球団経営者に向けた話も選手に向けたものもどれも話が浅い印象だった。
あれでは当たり前の認識を再度確認していただけだった。
提言をするには独自の視点がなさすぎたように思える。
そもそも教科書が何一丁前に一石を投じてるんだよ。
したがって当書の評価は星二つ、世界史Aの教科書よりかは為になるのではないでしょうか。
返却に向かう8月中旬。
博多駅地下一階から送信。
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