台湾漫画と日本漫画 #2 描写
前回の台湾漫画と日本漫画 #1 価値観の記事から更に詳しくスタッフ目線から、今回もSalah-Dの漫画の魅力についての記事を書いていこうと思います。
Salah-Dの自己紹介についてはこちら
どこでもヤングチャンピオンで漫画を連載している漫画家Salah-Dのスタッフから見て、台湾漫画と日本漫画の違いについて綴っていきます。今回は『描写』について。
台湾漫画の特徴
#1 『写実的な表現』
前回の記事でも触れましたが、台湾漫画は写実的で繊細な漫画が多い印象です。その理由は、様々だと思いますが、筆者が感じることは
台湾漫画は、アート寄りである
紙での出版が多く、細かく繊細な描写
定期的な展示会で、漫画はアート同様として扱われる
デジタル表現の人財育成技術指導が政府主催で行われている
その為、キャラクターのデフォルメが少なくデッサンが整い美しい表現が多いのではないかと思います。
#2 『アナログ風・くすみ系のカラー表現』
そして、デジタル画でも水彩画や油絵などの塗り、いわゆる技法でいう厚塗りで、塗り方は「アナログ風でカラーはくすみ系」が多い印象です。
この感性の特徴は、台湾の色彩感覚にも関係するのではないかと思います。
台湾の街中全体の建物がくすみ系(ライトグレイッシュトーン、グレイッシュトーンなど)が非常に多く、そこからインスピレーションを受けているのではないかと思います。
食べ物も、茶ベースの色が多いので、幼い頃からの影響も少なからずあるのではないかと思います。※あくまで筆者の推測です。
台湾漫画家の作風については、CCC創作集がわかりやすいと思うのでリンクを貼っておきます。(※英語、中国語のみ)Salah-D作品は載っていません。
日本漫画の特徴
#1 『多種多様な表現』
日本は、キャラクター・漫画・アニメ大国です。生まれた時から、様々なキャラクターに囲まれて育ちます。おもちゃ売り場に行けば多種多様なキャラクター達を目にし、お菓子売り場でも保育園でもカラフルな場面に触れることが多いでしょう。また、漫画も出版社や雑誌に合わせて特色が違うため、漫画家は、自分の個性に合わせて、様々な表現を行うことができます。
前回の記事でも少し触れましたが、ジャンルはファンタジー・ドラマ・恋愛・アクション・ホラー・スポーツ・日常など様々です。
時代に合わせて、同じキャラクターでも表情や色彩をリメイクし変わってきます。それは、読者層や作り手が変わることもあるでしょうが、それだけ様々な表現方法を多く持っているのは、日本漫画・アニメやゲームなどもそうですが、長年の培ってきた技術の強みでもあるのではないかと思います。
#2 『多種多様な作風・カラフル表現』
日本漫画家は、作風・カラー表現を漫画家が個人個人で持っているのではないかと思います。ジャンルによっても表現が異なるし、日本漫画は流行りによっても変わりますし、漫画のジャンル・表現方法が幅広く豊かです。
近年では、電子マンガの影響でアニメ塗りが流行っている印象ですが、日本はファッションや食べ物・音楽なども同様で、流行りの変化がものすごく早いので漫画も、今後どうなっていくのか注目したいです。
Salah-Dの作風
以前の記事でも少し触れましたが、Salah-Dは台湾漫画から日本漫画へ移行したときに作風を変えました。それは、キャラクターの特徴だったり、色味だったりです。
台湾での制作の時は、Salah-Dの作風は「くすみ系の色味・写実的、油絵のような厚塗り」でした。
日本で現在連載中の漫画のイラストは、自分の作風を残しつつ明るめに塗っています。Salah-Dに絵柄が変わったことを聞くと「特に意識していなかった」とのことでした!笑
しかし、それでも…Salah-Dは
『流行りのイラストの描き方や塗り方では、自分自身の個性が出ない。自分の作風は大切にしていきたい』とのこと。
例えば、漫画はデジタルで描いていますが「アナログのようなペン入れ・タッチをし、デジタルでもアナログらしい質感を残したい」と話しています。これは白黒でも、カラーでも同様です。
それは、様々な日本漫画家に影響を受けてとのこと。影響を受けた漫画家については、別の記事でまた書ければと思います。
この記事を読んで、Salah-Dの漫画に興味を持った!
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最後まで、記事をお読みくださりありがとうございました。
次回も、Salah-Dの魅力についてお伝えできればと思います。
筆者:Salah-D スタッフ
※記事の内容は、個人の見解です。
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