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抱っこ抱っこ

妊婦は重いものを持ってはいけない。これは妊婦は身体を冷やすな、じゅうぶんに加熱されてないものを食べるな、並にわりとポピュラーな妊婦さんが「避けるべき条項」のひとつ、という印象がある。

最初の子を妊娠した時、コロナ禍であったこともあり私はだいぶナーバスになっていた。なのでなんとしても子供を守るぞとばかり、なるべく重いものは持たず、生卵や生ハムも避け、割としっかり目にこの「避けるべき条項たち」を真面目に守って過ごしていた。

しかし、今回下の子を妊娠してみると上の子のお世話をしている母親はこの「重いもの持たない条項」を守ってばかりもいられないと気づく。上の子はまだまだ抱っこが好きなイヤイヤ期まっさかりの二歳児なのだ。朝の起き抜けの時、児童館や公園からの撤収する時、つどつど上目遣いで私の顔を見て「ママ、抱っこ抱っこ。抱っこして。」と言ってくるのだ。
上の子の場合、平均よりは小柄でまだ11キロ前後なのだがこの中途半端な体重もいけない気がする。15キロぐらいなら私も泣こうが喚こうが無理ですと言ってしまうのだが頑張ればどうにか抱っこできてしまうのだ。

この抱っこ抱っこのお願いは他の人にもフリにくい。以前実家に泊まりに行った時のことだ。帰りしなに、いつもの抱っこ抱っこが発動。私も実家は実家で環境が違うため夜泣きする子供をあやして疲れていた。とはいえ、側にいた年老いた父親(子供から見るとじぃじ)にお願いするとなるとウッとなってしまうのだ。
まず高齢の父親に抱っこを頼んでギックリ腰になったらどうしようという心配が頭をよぎる。
父親も父親でイヤイヤ期に入った上の子のお世話でお疲れ様モードなのもあり「やっぱりママのほうがいいよねぇ」なんて言ってくる。
実際イヤイヤ期の子供はママオンリー指名なのでじぃじだとギャン泣きする可能性があるので仕方ない。仕方ないのだが…辛い。こっちもいい加減腹のせり出した高齢妊婦だ。
重いものは重いのだ。

実家にはもう一人力仕事ができそうな姉(子供から見るとおば)がいるのだがこちらは子供慣れしてないのもあり遠くからおそるおそる見守るのみ。
やむなく妊娠後期に入ってもせっせと子供を抱っこするしかない。
子供と大きい腹を抱えて車まで運ぶことになる。

抱っこできるのは今だけ、貴重なかけがえのない時間と頭ではわかる。しかし妊娠後期に入って最近は疲れやすくなった身としてはこの苦境(?)どうやって乗り超えればいいのだろーか。

最近は出かけるのも憂うつだ。もちろん子供を運動させなければいけないので出かけざるをえないのだが。


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