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「今朝の占い、最下位だったんだよねー。 案の定、数学の小テストはあるし、 英語は当たるし…」 黒板の日直を書き直した君が、愚痴をこぼしながら、一つ前の席の椅子を引き、向かい合わせで腰をかけてきた。 「あの占い、結構当たってるよね。」 私はシャープペンの芯を、カチカチと送り出しながら、日誌を描きつつ、ちらりと君の手を見る。 丸い爪の、少し硬そうな日焼け色の手。 書く手を止めて、そばに自分の手を置いてみる。 (そんなに大きくない…のかな。) それ以上、顔を上げる勇気