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枕元にいて欲しいか 欲しくないか。


変なタイトルですが、

25歳でパリで倒れて一度死にかけた経験から、がらっと価値観が変わりました。

それは、何をするか 誰と仲良くするか 

の判断。

正直パリに住んでいた時代の19~24(最後の方はウィーンと掛け持ち)歳は色々な事が上手くいかなくて

そして住んでいたパリ18区の下町があまりにも

汚くて、臭くて、治安が悪く、

部屋も落ち着かない空間。(大家さんが闇貸しで、騙されて沢山お金を払っていた)

誰もまわりにいないし、異国でたった一人。

頼れる人もいない。今までの共同生活した家族のように仲の良い寮の仲間もいないし、フレンドリーにしてくれる人がいない。

むしろ、道にいるだけで

シノワーズ!!!(中国女) 

チングチャングチョング!!!(アジア系を侮蔑する言葉)

マドモワゼール電話番号教えてくれない? 2分でいいからやらせろ!!

お尻さわられたり(本当に酷い地域だと普通にスカートのなかに手をつっこまれそうになる) 口笛吹かれたり

とか、電車に乗っていたら急に頭をはたかれたり 

道を歩いていたら急にワ!!!!と脅かして驚いたら馬鹿にしようとする環境。(住むうちに 世のなかが凍りそうな冷ややかな目というものを学んだ)

常に駅からアパートまでは鍵を自分の拳に挟んで、

何かがあったら殴れる体勢でフードをかぶり、大股で歩く。

超ショック。

私が何をした???

いるだけで理不尽にいじめられるし、殴られるし、ハラスメント受けるし。

その多大なストレスとフランス的な社交文化により、

なぜかひきこもるのではなく、逆に外に出る事が多かったように思います。

パリには地獄もあれば、天国もある。

ずっと憧れていた巨匠ピアニストにレッスンしていただき、奥様の作った料理をごちそうになったり

モナコの大富豪の家で皆で花火をみたり

ペリグーで行われたピアノのマスタークラスではフォアグラを楽しみ、バニュルスでは飲めないのにデザートワイン。当時あったサルコルトーの横にあるプレイエルのサロンでパーティー。ライオンズクラブでは何故か壇上にあがり、ルーレットを回す係をやったり、沢山の華やかな場がありました。

普通では話せない人達とご一緒できるチャンスに恵まれたり

様々な美食を経験したり

友達とセーヌ川の近くでピクニックして、バスが動いていないから寒さで叫びながら帰ったり

建築家、デザイナー、スポーツ選手、宝石商、銀行家、アーティスト、パティシエ、フォトグラファー、ブラックメタルの人たち、意図的にフランスでホームレスした人、

本当に色々な人達と話す機会があり、

まさにラヴィアンローズ。

フランスで覚えた事は、人生を思いきり愉しむ。という事。

(かなり根は真面目なので、全く羽目を外せないのであしからず!)

それに加え、ウィーン国立音楽大学にも進学が決まり

ドイツ語の国家試験の為に毎日 語学学校に通い、猛勉強、

学校生活も始まって忙しいのに

パリの学校にも在籍して、月1、2回とび

自分の体重を超える引っ越しの荷物を一人で運ぶ日々。(夜中なのにタクシーも使わなかった。)

そしてレッスンの後にはパリの友達と朝まで熱く語ったり。

(その後はウィーンにとび、一日の生活が勉強かピアノの練習だけで、精神と体力の限界朝から晩までがり勉。。。

ランチも持参したおにぎりを練習室で食べる、

全く人と話さない生活が8年位続きます。。。。。)


体調を崩して、入院中 数か月 水も飲めず、食べれず点滴だけで過ごした経験で自分の本質がみえてきました。

まず、向き 不向き。

自分には泥臭く、貪欲に 人生を愉しむ体力はないしタイプではないという事。

どちらかというと自然に囲まれたのどかな・綺麗な環境で一人で家でのんびりして時々外に出る方が性にあっている。(外に出ると邪気あびる)

ここまで育ててくれた家族の素晴らしさ。誰が本当に信頼できるか。

ネガティブなイメージや感情は自分を傷つけるという事。

”自分は真っ白でいていい” という事。

自分の身の丈にあわない貪欲さは時に自分の身体を壊すという事。

自分に合わないことはしない方がいいという事。

大人になるとかではなく、子供のままのようにまっさらで純真で濁りのないものが自分にあっている。


そして、友人に対する考えも変わりました。

長期入院中は色々な人が毎日毎日、お見舞いにきてくれました。

本当に感謝。

そのなかで、私が病気になった間に足をひっぱって自分が得しようとした人ももちろんいたし、

色々な人がいました。

本題の どういう人と仲良くするか の判断基準ですが

持論ですが 

自分が臨終する時に 枕元にいて欲しいか 欲しくないか。

で解決するようになってきました。

もちろん、社交は楽しいですが、

本当の意味で仲良くする人は

この 枕元にいて欲しいか 欲しくないかで

案外すんなりと 

簡単に仲良くしたいか判断できる事を発見したのでした。

本当に仲がいい人、自分の仲間と思える人は少しだけでいい。

疲れなくていい。無理しなくていい。シンプルに健康的に生きよう。

思えた25歳の夏でした。













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