2023/6/22 夏の匂い
雨上がり、ふと去年の夏と同じ匂いがして、なんとなくこの世界全てと戦っていけそうな気がした夜だった。
そのぐらい去年の夏は僕にとって特別だったのだと思う。
初めて実家から離れ、名古屋という新しい土地に住む事を決めた夏。
自分の部屋を自分で作っていけるのだと気付いた夏。
人生で初めて“通話“というものの楽しさを知った夏。
慣れないバイトと絵の仕事に揉まれ、目を回しながら駆け抜けた夏。
そんな去年の夏と同じ匂い。
“匂い“というものは不思議なもので、他のどんなものよりも直接脳の記憶の部分を刺激してくる気がする。そして、それはいつも音より早く、映像よりも鮮明で、言葉に出来ず、いつもどこか切ない。
今年はどんな夏になるのかな。
また来年に思い出した時、少し嬉しくなれるようなそんな夏になれば良いなと、そう思う。
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