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税金から作られた素晴らしい世界

 政府は国民から徴税した税金で、道路や橋を作ったり、警察や自衛隊や公務員を雇っていると一般的には思われていて、その思い込みは政府の税収といった言葉や我々の血税といった言葉に如実に表れていると思います。

 私たちが収めた税金で政府が事業を行っているわけではない、という事実がもっと世間に広まらなければならないと思っています。

 スペンディング・ファストと言って、政府はまず国債発行(という名の貨幣発行)により公共投資や、公務員を雇ったりするために支出をして、その後国民から徴税します
 徴税は後で支出(国債発行)が先なのです。

 徴税というのはつまり、政府にしてみたら国債(政府の負債)の返済であり、民間からお金を消すということです。道路や橋や病院の建設に使われているわけではありません。
 福祉国家的な政権に対して、高額納税者が文句を言うのはそういう思い違いからでしょう。
 
 バブルの後の不景気が続いた原因の一つには、企業が借金返済に走り、世の中のお金を消していった事があげられます。後で述べますが、負債は貨幣発行で、負債をなくすことは貨幣の消失なのです。

 徴税と国債発行は対極のものです。前者がお金を消して、後者がお金を生むプロセスそのものなのです。

 では無税国家にすればいいのではという質問が出てきそうだが、やはり税金は国家に必要であり、その本当の目的というのは、インフレの抑制、日本円の強制(納税は円でないと受け付けてくれない)、累進課税制度により国民全体の貧富の差を少なくして暴動を防ぐこと、エコカーを普及させるために減税してそれを普及させる政治目的のため、などがあげられます。

 
 ちなみに今の物価高インフレは経済学の言うところのインフレではありません。
 インフレの定義は需要の膨張でありデフレの定義は需要の縮小であり、物価の上昇ではありません。

 本当の意味でのインフレーションはつまり、例えば先のコロナ禍、国民のマスクに対する需要が高まり過ぎてマスクの生産が(供給能力が)が追い付かずに(例えたら、ヤフーオークションの価格の上昇と同じで)マスクの価格が上昇した事実です。

 つまり需要が膨張することにより、その結果として、価格が上昇することをインフレーションと呼び、今のそれはスタグフレーションといって、需要は減っているのに物価だけ上昇する最悪な状態です。

 だからこの不況において増税なんてもってのほかなのです。



 債務というものは振り出した人の貨幣発行です。

 私たちも銀行に借用証書を差し入れて銀行預金を発行してもらいます。
 政府は日銀に国債を差し入れて日銀当座預金を発行してもらいます。
 全く同じです。

 例えば私たちが銀行に100万円借りるために借用証書を差し出したら、札束ではなくて借方に¥1000000と記載された銀行通帳をもらえるはずです。(通帳には記載されませんが、貸方に借用証書¥1000000という記載がされます。念のために)
 返済したら、借用証書が帰ってきて通帳の¥1000000という文面が消えるはずです。

 大事なことは、お金は貸借関係(借用証書を発行して銀行に差し入れること)により銀行預金という貨幣が無から誕生するという紛れもない事実です!
 例えばトヨタ自動車が市中銀行に100兆円貸してくださいと言ったら銀行の手元に100兆円なくても貸すことが出来ます。銀行口座に¥100000000000000とタイプするだけです。これだけで100兆円が無から誕生します。
  
 本当なんです。

 確か日本全体の現金紙幣・硬貨の総額は100兆円くらいで、市中銀行の預金残高は1600兆円くらいと聞いたことがあります。
 だから取り付け騒ぎの恐れがあると思うのですが、予備金として市中銀行には対応するだけの日銀当座預金があるということです。(ここは勉強不足です。すみません)
 

 徴税というのはお金をこの世から消すことである、と言うとたいていの人は驚くであろう。
 メディアで発表されているいわゆる国の借金(この国の借金という許しがたいプロパガンダ用語、まるで国民全員が借金しているかのような)、現在2023年の政府債務残高は1200兆円だが実はこれは政府の累計貨幣発行の合計そのものである。

 国債発行は国の借金ではなくて、貨幣発行です。

 なぜなら、私たちにとって負債というものは借用証書であり、先ほど述べたように、無から銀行預金を誕生させる行為そのものだからなのです。

 日本政府は、自国通貨建ての変動為替相場制の国なので、国債返済における債務不履行の問題はありません。

 実際、政府は国債の返済日が来たら、新たに借換債を発行しているだけで国債と言うものは国家がある限り永遠に増え続けるものなのです。

 明治元年1868年の国債残高(政府債務残高)は確か3000万円くらいで、現在の1200兆円と比較すると3700万倍で、日本は税制破綻なんかしていないのである。

 現金紙幣(日銀の債務) 国債(政府債務) 銀行預金(銀行債務) 小切手(振出人の債務) 日銀当座預金(日銀の債務)
 すべて振り出した人が負債計上される貨幣です
 
 もし政府の負債1200兆円を全額返済するということは、言い換えたら税金で民間の資産から1200兆円を消すということです(決して税金がインフラへ投資されるとか、低所得者への再分配なんかされていません!)
 
 そう考えてみれば政府がお金を発行しているという事実が理解しやすくなるのではないでしょうか?
 
 中世の王様が人民に金貨を配って橋とか道とか作らせるみたいな感じです。

 政府はインフレーションの時は増税して通貨を回収してインフレを抑制すべきだが(要するにこれ以上物を買わせないようにするため)、デフレーションの時には負債を計上して(お金を発行して)民間の赤字を埋めなくてはならないのです。

 民間もお金を銀行から借りることによってお金を発行できるが(信用創造)、同時に借入金(借用証書)という負債も計上されるので、結局信用創造では民間の純資産は増えないのでデフレの時にはその手段は有効ではありません。

 民間の純資産を、言い換えたら政府の純負債を増やせるのは政府だけなのです。
 
 政府の純負債は民間の純資産です。

 それを証明するわかりやすい例として、第2次安倍政権の一律10万円給付金。国債にしたら12兆円だったのですけど、政府が12兆円負債を計上したら国民1人当たり10万円の資産が計上されたではないか。


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