見出し画像

【Sound Horizon考察】「Rinne」「絵馬に願ひを!」「Nein」の3つの地平線が紡ぐ物語とは?【時系列整理】

・8th Story「Rinne」(near future)
・7.5th or 8.5th Story「絵馬に願ひを!」
・9th Story「Nein」

これらの地平線にはお互いに強い結びつきがある。
今回は物語を時系列順*1に整理し、物語を紡いでみた。
初めに、私が導き出した結論は、

「Rinne」→「絵馬に願ひを!」→「Nein」→「絵馬に願ひを!」→「Rinne」

である。
何言ってだコイツと思われたかもしれないが、これより下に決定的論理的物的証拠があるのだ。

あくまで私の荒唐無稽な考察によるものであり、ローランの数だけ解釈はあることを念頭に置いて潔く読んでくれたまえ。

*1 「時系列」という表現をしているが一地平線上の時間軸では無く、地平を越えたイヴェール及び神社関係者の物語をつなげる上での並び順であることを前提とする。











第一章 歌詞から時系列を簡単に推測する

とりあえず3つの地平線を時系列順に簡単に並べてみる。

【彼方より来りて事象を覗き観る視線。
数多の世界を生み出せし《幻想の神々》
嘗て願いの星は文月の空に満ち、
斯くして異なる地平はひとつに繋がれた――】

「檻の中の箱庭」(『Nein』by Sound Horizon)

「Nein」の「檻の中の箱庭」の最初のナレーション部分の歌詞。
これは「絵馬に願ひを!」及び16因子回収後と思われる。

よって「絵馬に願ひを!」→「Nein」
であることがまず分かる。

前回書いた「神社関係者の正体」の考察記事では「神社関係者」=「イヴェール」であるとの結論を出した。

そして8th Story「Rinne」に登場すると思われる、弟の聴覚障害を持って消えた兄こそが「神社関係者」及び「イヴェール」であるという考察をここでは基盤にさせて頂く。

フタリでは... 狭き細道...
ヒトリ消えゆく... 定めと知りて...
最期にキミの... 背中を蹴つた...
遠い...遠い...記憶...

「狼欒大社」(『絵馬に願ひを!Full Edition by Sound Horizon)

この一節から、神社関係者はヴァニシングツイン現象の記憶を持っているため、「Rinne」→「絵馬に願ひを!」であることが分かる。

したがって「Rinne」→「絵馬に願ひを!」→「Nein」 Q.E.D チェック…メイトダ
といきたい所だが、そう簡単な話では無いのだ。

第二章 「Nein」のラストと《否定》すること

まずよくある間違い(注:人によって解釈は自由です)として、「Nein」のラストで倒れたノエルが、「絵馬に願ひを!」で集めた16因子によって目を覚ます、という考察がある。
確かにあの演出をそのまま見たらそう思うだろう。
しかしそれでは先程の「檻の中の箱庭」の前説と矛盾が生じる。

宵闇に 願ひ星 集めては
ヒカリを解き放とう
何刻か キミを《否定する》為に

「狼欒神社」(『絵馬に願ひを!』by Sound Horizon)

《否定する》というのは「Nein」を象徴する言葉である。
先程「絵馬に願ひを!」→「Nein」の時系列を提示したのはこの一節も理由の一つだ。

だ か ら
《遮光眼鏡型情報端末》das Rührendes,Evolutionäres und Vorzügliches Optikgerät
《いずれ消えゆく人間》が必死に生きた《現実》を
勝手に《悲劇だと決めつけて改竄》しないでくれ

「最果てのL」(『Nein』by Sound Horizon)

ノエルは便宜上R.E.V.Oによる《否定》を拒否する。そして千秋楽のライブ限定演出ではその後紫の光に照らされて倒れてしまう。

そして絵馬に願ひを!のラストではノエルは目を覚ますも、声も出せず、体が動かない状態で病床に居た。(恐らく耳も聞こえない)

私はここが直接繋がっているのではないかと思うのだ。

つまり整理するとこういうことだ。
神社関係者が絵馬でノエルを《否定》する為に星を集める。

「Nein」で改竄を試みるも、ノエル本人に拒否されてしまい失敗。

その結果ノエルは倒れ、代償として感覚を失う。

絵馬ラストで目を覚ます。

第一章と組み合わせると、
「Rinne」→「絵馬に願ひを!」→「Nein」→「絵馬に願ひを!(ラスト)」
ということになる。
しかし何故絵馬のラストでノエルが病床で目を覚ますシーンが挿入されたのか?という疑問が残る。次の章でそれを踏まえ時系列を完成させる。

第三章 ノエルが救われる物語はあるのだろうか?

先程も言ったように、ノエルが感覚を失って目覚めてジ・エンドなら、「Rinne」のプロローグ的立場である「絵馬に願ひを!」のラストにそのシーンを挿入する必要は無いはずだ。

何より、これで終わってしまってはノエルの人生があまりにも悲劇的すぎる。

何が言いたいかというと、ノエルが病床から目覚めた後の物語が「Rinne」に含まれるのではないか?という事だ。

聴力を失っても 諦めなかった《音楽家》がいる!?
この子にも
《月のない夜を照らす星》は
燃えている

「希望の詩」(『絵馬に願ひを!Full Edition』by Sound Horizon)

聴力を失った音楽家と言えばベートーヴェンが有名だが、「星が燃えている」という表現から、これはノエルではないだろうか?
ノエルには「その後」が存在するのだ。これによって時系列が見えてくる。

「Rinne」で双子の兄が弟(ノエル)の聴覚障害を引き受けて消滅する。

神社関係者が絵馬でノエルを《否定》する為に星を集める。

「Nein」で改竄を試みるも、ノエル本人に拒否されてしまい失敗。

その結果ノエルは倒れ、代償として感覚を失う。

絵馬ラストで目を覚ます。

「Rinne」で音楽家として再起する。

逆説的に考えると、「檻の中の箱庭」の前説の様に、絵馬で「希望の詩」の世界線を含む地平を一つに結んだ為、結果的にノエルが復活するルートに辿り着けたとも言える。

よって時系列は
「Rinne」

「絵馬に願ひを!」

「Nein」

「絵馬に願ひを!」

「Rinne」
これが私が導き出した解釈である。

第四章 各地平線の名前に秘められた伝言

先程の時系列を参考にすれば、「絵馬に願ひを!」が7.5th or 8.5th Storyと銘打たれた理由が分かる。
8thのプロローグ的立場(7.5th)でありながら、8thと9thの間を結ぶ(8.5th)役割を果たしているからだ。

更に、「Rinne」と「Nein」の文字をよく見ると…

Rinne…Nein…
Rinnein…
Rinneinneinnein…

うーん流石にこれはちょっとこじつけ!

結論

イヴェール(神社関係者)とノエルを廻る物語は
「Rinne」→「絵馬」→「Nein」→「絵馬」→「Rinne」
の順番であると考察できる。

なおこの二人には必ずミシェルという存在が関わってくるのだが、それはまた別のお話。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?