【Sound Horizon考察】「神社関係者」の正体【絵馬に願ひを!Full Edition】

7.5th or 8.5th Story 絵馬に願ひを!における似て非なる存在である「神社関係者」。
従来の地平線に比べて謎に包まれた部分が余りに多い人物であり、正確にはその呼び名も通称、本名は全くもって不詳…

そんな中、私なりに導き出した神社関係者の正体について、幾つかの根拠と共に書かせて頂く。尚、あくまで私個人の解釈でありローランの数だけ答えはあるという体で読んでくれ給へ。










1.「ある霊能少女の告白」から解る神社関係者を構成する要素

絵馬fullの隠し要素として、手水舎で低確率で発生する「記憶・告白」シリーズ。ここに出てくる情報が無いと絵馬fullの世界を把握するのは不可能と言っていい。
その内の一つである「ある霊能少女の告白」。これは天照美禍という特殊な少女と神社関係者が対話?する内容であり、神社関係者に関して触れられる数少ない場面だ。今回は此方のサイトの書き起こしを参考にさせて頂く。

大体、そのお面はなんなのかしら?
禍々しさが過ぎるんですけど。
意識の主体はどちらにあるのかしら?
中の人は、本来今……

美禍には霊感があり相手の記憶ぐらいは見通せる能力がある様で、不思議な能力を持った神社関係者にも容赦無い。
ここで注目して欲しいのが「意識の主体はどちらにあるのかしら?」というセリフ。これによって神社関係者は「仮面」と「中の人」の二要素で構成されていることが分かる。
「中の人は、本来今……」の直後に赤の光で神社関係者が詮索を拒むため続きは不明だが、恐らく本来ここに居るべきでない、居るはずでないといった内容であると推測できる。

使命と言えばあなたの方こそ、どの地平から遷宮してきたのか知らないけれど、少々無茶が過ぎるわよ。
人ひとりならともかく、神社まるごとの移動なんて可能なの?
そちらの式年って、何年周期かしら?
15年? 18年が経った? 20年でもギリ行け、なくない事もなきにしもあらず? Aroundシステムを採用したから、多少のフューチャー誤差はOK?
ふざけた事を言わないでちょうだい!
そんないい加減な神社がありますか!

真っ当なツッコミ。ただの「Near Future」ネタだと思う方もいるかもしれないが、サンホラにはミシェル等地平線を越えることができる存在がいる。そういった人物は大抵、私達の世界や時空を認識している事が多く、神社関係者もそういった類の存在であると考えられる。
重要なのが「使命」という言葉。神社関係者は何らかの目的があって絵馬世界に狼欒神社を登場させているらしい。

でも、確かに、それだけの信仰心を集めるには、それなりの期間が必要ね。
それでも、無茶が過ぎるわ。
失敗して、地平の闇に落ちても知りませんからね。
あなたはどうせ、自分が消えてしまう事なんて厭わないのでしょ。
そこまでして、何か成し遂げたい事があるのね。

神社関係者には大きなリスクを背負ってでも、長い時間をかけて人の信仰心を集め成し遂げたいことがある。
「地平の闇」とは一体何の事だと思うかもしれないが、実はこれ、作中で一度出てきているのである。

果たして、その男は何を企んでいたのか? 今となっては識る由もない。
地⛩の狭間へと堕ちていった男
【須久奈月人】の消息は、未だ不明なままである・・・。

絵馬に願ひを!Full Edition「月が廻る夜」

「地平の狭間」と「地平の闇」これは同一のものでは無いだろうか?サンホラ世界における地平線と地平線の間に堕ちてしまった先には何があるのか……

はっきり言って、あなたは邪悪だけれど、その仮面の奥に、とても清らかなものの存在を感じます。
母の祈りにも似た、赤子の産声にも似た、無垢な何かを。
だからこそ私は、今こうしてあなたとお話しているのです。

ここが最重要ポイントである。私はここで天照美禍が感じ取った仮面の奥の人物の正体が、5th Story「Roman」の「イヴェール」ではないかと思うのだ。母の祈り、赤子の産声、これらの言葉は生と死を美しく描いたRomanに登場するイヴェールに相応しい。
これより後のセクションでは「神社関係者」=「仮面」+「イヴェール」として扱う。

2.神社関係者とイヴェールの共通点

神社関係者とイヴェールには偶然とは言えない程の共通点がある。順に見ていこう。

・共通点其の壱 後姿が似ている
コンサートへ行った人はより感じたであろう。銀色の髪と長めの後ろ結びがイヴェールに似ているのだ。

・共通点其の弐 青と紫の狛犬を連れている
それぞれ名前を「をん」「わ」というのだが、イヴェールの使いである双子の人形、「オルタンス」「ヴィオレット」と色も役割も対応している。

・共通点其の参 「狼欒神社」「狼欒大社」のメロディが「朝と夜の物語」のオマージュ
具体的には最初のナレーション、それとサビの「狼欒神群」の所である。

とりま単純に思いついたのはこの三つ。
探したら他にもあるかもしれない。「7.5 or 8.5」であるから第の地平線関連ってのは少し強引だろうか。

3.「意識の主体」と目的

やはり天照美禍が言及した「意識の主体」を持っているのは「仮面」の方であると考える。
フランス生まれのイヴェールが神社関係者が良く使う古典的表現や現代流行語を使いこなせるとは考えにくいし、「Of Course! Yes we can!」なんて言う性格じゃない。テンションもおかしい。
よって意識の主体は「仮面」の方にあると思われる。
「仮面」は「Nein」に登場する「便宜上R.E.V.O」と同様、物に意識が芽生えた存在なのかもしれない。
そしてイヴェールは恐らく「使命」の為に仮面に肉体?を貸す契約の様なものを交わしたのでは無いだろうか?

ではその目的とは何なのか?そのヒントが「狼欒神社」の一節に隠されている。

宵闇に 願ひ星 集めては
ヒカリを解き放とう
何刻か キミを《否定する》為に

絵馬に願ひを!「狼欒神社」

絵馬Fullでは一つのルートをクリアするたびに星が増えていく演出があり、達成すると便宜上真エンディングとなる。詳細は別の記事で書くが、「キミ」は「ヴァニシングスターライト」「Nein」のノエルであり、目的はノエルを救うことであると考えられる。実際に、絵馬Fullで全ての星を集めると病床でノエルと思われる人物が目を覚ますシーンがある。

4. 8th Story「Rinne」との関連性

絵馬に願ひを!を語る上で欠かせないのが次なる地平線の「Rinne」である。幾つかの情報が既に明らかになっているのだが、
・ヴァニシングツインの双子の兄弟の話
・兄は弟(恐らくノエル)の聴覚障害を持って消えていく
はっきりとしているのはこの二つだろうか。
実は神社関係者及びイヴェールがこの双子の兄では無いかという話があり、そう考えると先程述べた「目的」にも納得がいく。
神社関係者は耳が聞こえないことを示唆する描写があったりするのだが、詳しくはネットに転がっている考察を読んでほしい。

結論

神社関係者は「仮面」と「イヴェール」が合体した存在であり、意識の主体は仮面にある。
ノエルを《否定する》という目的がある。

「Rinne」「Nein」「絵馬に願ひを!」の繋がりについての考察もぜひ読んでくれ給へ。

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