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一冊の本を埋める【#シロクマ文芸部】

一冊の本を埋める。
それは世界が平和だった頃、恋人だった男性からいただいた大切な本だ。

幸福だった日々。
だけど、世界の平和とともに終わってしまった。

家も手紙も何もかも失くしてしまったけど、これだけは手放せずにいた。

骨すら帰れなかったあなた。
本はあなたの代わりだ。

ああ、空が赤い──


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