詩の役割

‪ツイッターを見ていたら、詩の役割について考える機会があり、まとめてみました。

読まれないのに、役割なんてあるの?
書く人がいるのだから、役割はあるはず。

現代詩、いえ、今後の詩の役割。‬
‪たまに考えるテーマです。‬
にしか、できないは重要ですね。詩は自由過ぎて掴み所がないだけに、もう少しその姿を捉えたいものです。

私は詩を思う時、歌う、というのがあります。詩人の好きな詩を思い出す時も書く時も、ただ文章を思い出すのではなく、心の中に歌います。繰り返し迫る感じで勝手に朗読が始まります。
ただこれでは短歌、俳句、川柳と変わらないので、今度は内容的な事を考えます。

短歌、俳句、川柳では観念や閃きなどを歌ったりすると思います。主文に何かを添えたりもします。センスを魅せるのが短文だと思います。
詩は長く書けますから、説明したくなりますが、説明すると小説になってしまいます。だから説明だけはしたくありません。
詩も観念や閃き、ヒントになる添え物もします。でもわかりやすくしなくていいんではないかと思います。

謎解きをしてもらえる書き方をして、言葉を変換し、雰囲気で読ませていいんではないかと思います。一番曖昧な事を伝えられるのが、現代詩なのではないかと思います。

曖昧ということは、人の心の中を表現できるということ。普通の文で例えば虫が嫌いですとあったとしたら、それを詩では、嫌いというだけではない気持ちを表現できます。

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小さな雨蛙やダンゴムシを手に乗せて遊ぶ
私だってカブトムシを飼ったりした
手にトンボの留まることもあれば
鈴虫の鳴くのを美しいと思うことも

あった

のが
蚊に刺された痒みで
怒りながら痒み止めを塗り
またしても寄ってきた

を潰してしまう

叩くと死ぬ命は恐い
食卓にたかるコバエを追い払わなくては
またしても道端にセミが死んでいる
何もしなくても死んでしまう命が
恐ろしい

気持ちが悪くてお墓を作ることができない私を
許して許してください
今日も死を黙認して過ごす

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今後、世の中は人々の生活が機能的になり、簡略化されていくのではないかと考えられます。少しの隙間も無く必要な事を済ませ、人々は曖昧な感情を無くしていくのではないでしょうか。
人がようやく辿り着いた、繊細な感情を捨ててしまうのではないでしょうか。

物語には、終わりまで行くべき使命がありますが、詩にはそれがありません。感情と同じく漂っていることができる。長く続く辛い感情にも、寄り添っていられる。それが詩の使命だと思います。

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