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「マンボウは3億個の卵を産む」は迷信。根拠は100年前の論文だけ。

 3億個は根拠の曖昧な仮説に過ぎません。(注1)

注1:「2匹しか成魚にならない」はそこそこ本当でしょう。仮に200匹が成魚になったら、海はマンボウで埋め尽くされる。どんな動物でも2体の親の子孫は基本的に2体です。個体数がそこそこ一定ならば、その結論しかない。

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 ただ、私がここで触れたいのはマンボウの事ではありません。マンボウはユニークな生き物で私は好きですけどね。池袋サンシャイン水族館に見に行った事もあります^^

 私が興味を引かれたのは、マンボウの産卵数は(脊椎動物で最大の産卵数として)しばしば話題になるのに、過去100年に渡ってそれを調べた人が誰もいないという点です。

 素人は、「そんなものは動物学者がとっくに調べているだろう」と考えがちではないでしょうか?

 でも、そうではないのです。
 魚類学者は魚類に関して、実はほとんど何も知りません。素人よりは知っていると言うだけです。魚類学者は数が少ないし、魚類の研究に金を払う人も少ないですからね^^;

そしてもっと一般に、人類は自然界、人間、経済、社会の事をほとんど知りません。

 専門家は素人よりは知っていますが、どんぐりの背比べと言える。現実の問題解決に当たっては、「専門家は専門外の事を知らない」が故に、却って判断を誤る事が多いです。
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「マンボウは3億個の卵を産むが、成魚になれるのは2匹程度」――。マンボウの「弱さ」を強調する語り草となっていますが、この生態について専門家は「実態はわからない」と話します。実は、100年前の論文をきっかけに、伝言ゲームのように内容が脚色され、正しさを欠いたまま広がってしまった情報なのです。

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