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【福井7月旅】越前海岸で人と人の織りなすアートが生まれる古民家「はりいしゃ」

こんにちわ。地域ものがたるアンバサダー福井の風谷です。7月は越前海岸でのジオリブ公開講座のあと、越前海岸盛り上げ隊の方々のご厚意で古民家を改修した交流施設「はりいしゃ」に宿泊させていただきました。

目次
1.熱いハートのスペシャリスト集団!
 越前海岸盛り上げ隊。
2.古民家「はりいしゃ」プロフィール
3.「はりいしゃ」での夕餉
4.わが心の、ムジナハウスへの想い
5.「はりいしゃ」から広がる交流

1.熱いハートのスペシャリスト集団!

 越前海岸盛り上げ隊!!


はりいしゃのお話に入る前に、「越前海岸盛り上げ隊」について、お話させてください。
7月の福井旅はまさに、越前海岸盛り上げ隊の皆様にお会いして熱いエネルギ―をいただけた旅でもありました。越前海岸盛り上げ隊とは、越前海岸エリアを面白く盛り上げていこうという想いを抱き、日々前向きに取り組んでいらっしゃる方々の集まりです。主な活動エリアは、下の地図Echizen Coastと矢印が指す部分になるそうです。

越前海岸盛り上げ隊ホームページより

ガラス作家さん、版画家さん、製粉所経営、林業家、ワーケーションコンシェルジュ、デザイナー、プログラマー、製塩所経営など、多彩なスキルをお持ちの個性豊かな方々が勢揃い!
おひとりおひとりが、とても頼もしく素敵な方々なのです。
下記の越前海岸盛り上げ隊さんのサイトで、詳しい活動内容や最新情報をチェックしてくださいね。

越前海岸盛り上げ隊のお写真
 (活動パンフレットより)
盛り上げ隊メンバーの志野製塩所様からの越前海岸の眺め。見晴らしの良い場所にあります。製塩体験もぜひ!

2.古民家「はりいしゃ」プロフィール

古民家「はりいしゃ」は、「越前海岸盛り上げ隊」の皆さんが、エリアと長期的な関わりを持ってくれる人たちとの交流拠点にと2020年にクラウドファンデイングを活用、古民家をリノベーションして開設しました。古民家が以前、鍼灸院をなさっていたことから「はりいしゃ」という名前がつけられたそうです。覚えやすいですね。

見取り図。
越前海岸盛り上げ隊さんのホームページより。ワタリグラススタジオの方が描かれました。凄いです。

私たちアンバサダーがはりいしゃに到着したのは夕方ごろ。まだ日が明るい時間帯です。玄関までのアプローチも皆で創られたのかしら。とってもお洒落ですね。

門からおうちまで敷き詰められた石
新しい引き戸です。
こちらはアトリエに使われています
アトリエ内部

年月を重ねた木の質感が、体にも心にも優しく馴染みます。壁なども古い部分の良さを活かして新しくきれいに改装され、キッチンにはプロ仕様の道具もあり、お料理のしやすさなどの実用性も抜群!これだけの立派な内装にリノベーションされた越前海岸盛り上げ隊さんのスキルと熱い団結力に、胸がいっぱいになりました。
はりいしゃの家はとても立派で広く、大きなダイニングキッチンに、部屋が3つほどあります。
仕切られるので、グループでも泊まれます。

丸いくり抜き窓がお洒落です
ガラスのオブジェがすごく素敵!
こういう柱時計、懐かしい
現代的なクラゲのオブジェとマッチ
灯火がつくと、さらに雰囲気が良いのです
版画家の方も盛り上げ隊にいらっしゃいます。素敵な作品がさりげなく飾られています。

盛り上げ隊員で、鮎川町でワタリグラススタジオを経営していらっしゃるガラス作家さんや、版画家の方の作品が随所に飾られ、はりいしゃの雰囲気を一層、アートに醸し出しています。

3.「はりいしゃ」での夕餉


日も落ちる頃、魚屋の喰い処まつ田さんにケータリングをお願いしていた夕食が届きました。

まつ田さんのお店の写真です!

ジオリブ講座で、殿下地区の伝統的な葉ずしをご提供くださった、ワーケーションコンシェルジュもなさっていらっしゃる松平裕子さんのおはからいで、まつ田さんが、越前の名産をお弁当仕立てにして届けてくださったのです。
宿泊先は、はりいしゃ以外に、それぞれ各自で別に手配をしましたが、夕食だけアンバサダー全員で一緒にとることになりました。

お弁当は、海の栄養たっぷり、とてもおいしかったです。もみわかめに、さざえに麩の辛子和え。エビフライに越廻産のイカ、地物のお刺身も感激。
当日は、土曜の丑の日でもありましたが、鰻まで入れてくださったお心遣いも嬉しく、またこの鰻も柔らかく美味で、一同、舌鼓を打ちました。次回はお店に伺わせていただいて、以前にInstagramでみた、まつ田せいこ丼をたべなくては^_^

越前海岸には、玄達瀬という沖合から35キロほど、水深は300メートルから最浅部で20メートルという、天然の漁礁があり、暖流、寒流のぶつかるプランクトン豊富な好漁場でもあるそうです。釣り人の聖地でもあります。そんな越前海岸の地のお魚をいただいて元気になり、また、地酒のワンカップもシェアしあって、気分もほぐれた夕餉のひとときになりました。

美味しくいただけました
すべて福井の地酒で乾杯!


①まさに夕餉という言葉の似合う、
あたたかな「はりいしゃ」の灯


②真剣に話を聴いています
③和やかに
④美味しかった笑顔


⑤蚊取り線香いいなあ日本の夏!


上記①から⑤までの夕餉のお写真は、写真家Yujiro Ichikawaさん撮影です。
使わせていただいて、ありがとうございます。

4.わが心のムジナハウス

はりいしゃの内部には、安らぎとレトロな懐かしさを感じました。子どもの頃、毎年夏になると通っていた越前町にある祖父お手製の小さな家、
ムジナハウスと雰囲気が似通っていたからです。

欄間の細工感や木の年輪のある柱、あの夕餉の懐かしくもあたたかな灯火感は、ムジナハウスそのものかなと。

ムジナハウスとは、越前町出身の祖父が新婚時代に、祖母のために創ってあげたタイニイな家で、私が名付けました。

普段は祖父母も父母たちと一緒に福井市で暮らしていましたので、ムジナハウスは、夏だけの良く言えば別荘。笑
おばあちゃん子だったわたしは、夏がくるたびにムジナハウスを祖父母と訪れ、小学校の低学年の頃はひと夏を過ごしていました。父母は商売をしていたので、お盆の頃にあとから訪ねてくる感じです。
普段は習い事をたくさんしていた小学生なので、夏休みはお休み、まるまる越前町で過ごせるのがとても新鮮でした。

ムジナハウスは越前の海が一望できる見晴らしの良い高台にあります。周囲にはこんもりと木が茂り、蝉、トンボ、カマキリ、カブトムシなど虫の宝庫。賑やかで侘しく不思議な場所なのです。

教師をしていた祖父は人一倍器用な人で、いろんなものを創っていましたが、大工さんでもないのに、家まで手作りするなんてと不思議でした。越前町は古くから船大工さんなど、木工もさかんで木工の嗜みのある人が多かったらしいです。
ムジナハウスは、小さな部屋が3つとキッチン、祖父の趣味で床の間もあり、はりいしゃのような柱や丸く縁どられたまどもあるなど、なかなか凝った造りでした。屋根も越前瓦を使い
家の敷地内には、広い庭があり野趣にあふれていました。

ムジナハウスから下を見下ろすと、漁港に入る船もみえ、船が着くたび「蟹が入りました、ぶんぶり貝が入りました、雲丹が入りました」と、町内アナウンスが下から聴こえてくるんです。越前町は石段の上に家があり、迷路のようになっていたり、意外な近道があったり。こどもにとってすごく面白い場所。越前町の地元で友達もたくさんでき、お互いに家に行き来したり、あちこち探検したり、海で遊んだり一緒に宿題をしたり楽しい夏休みでした。

祖父母は祖父母で、旅館を営むおじいちゃんおばあちゃん夫婦と昔から仲良しで、ずっと家族ぐるみのお付き合いだったので、一年に一回、夏に越前町に来て親交をあたためるのを楽しみにしていたようです。

私も一緒に遊びに行かせていただいたり、息子さんである腕の良い板前さんから、柿の葉みたいな丈夫な厚い葉に包まれた大きな塩ウニや、ずっしりとした越前ズワイ蟹や自家製へしこをいただいたり、大きなサザエを船から直接買ったり、ムジナハウスでのおいしさは忘れられません。

またお盆の時期には、越前町の波止場で三日三晩、盆踊りが繰り広げられ、小さな子も大人も三重くらいの円になって、明るくなるまで盆踊りを踊り続けました。

小さな子には、ある程度の時間にお楽しみクジもありました。さすがに夜明けの4時ごろになると、音楽も止まってアカペラとなり歌いながら踊る海の男たちの声が遠くの波止場から、坂の上のムジナハウスまで静かに響く。
遠くには銀色にこうこうと光る烏賊釣り船。コオロギやクツワムシたちの鳴り響く声に、ああ、もう夏も終わりなんだなあと子ども心になんともいえない寂しい気持ちになったことを覚えています。

ムジナハウスのある某所から


時は過ぎわたしも大人になり、産まれた子どもをつれてムジナハウスを訪ねた夏。祖父母は他界していましたが、みんなで中庭でバーベキューをしたり、友人家族を誘って泊まった夏。ムジナハウスは時がたっても、皆の夏の家として、ずっとずっと続いていました。

けれども父も亡くなり、母も歳をとり、なかなか家の手入れに行くこともできなくなり、自然とムジナハウスからは足が遠のくようになり。。

ムジナの時は、あの時から止まっているのです。

でもわたしの心のなかには、ずっとムジナハウスへの想いがあります。

大好きだったおじいちゃんの創った家、このまま朽ちていくのかなって。そして、わたしも年をとる。人の一生って、なんてなんて短いんだろう。

わたしはなんの力もなく、おじいちゃんに申し訳ないなと。

おじいちゃんの優しい気持ちをこれからも繋いでいきたい、何かの形で恩返ししたい。
いつか必ず、ムジナハウスで人が集まれるように
したい。
DIYもできるようにならないと。忙しいなあ。

いまは書くことでムジナハウスの軌跡を残していけたら。
越前海岸の素晴らしさをより伝えていけたら。

「はりいしゃ」みたいに、皆が和めるような素敵な場所へ生まれ変わることができたら、人が好きで、人が集まる明るい性格だったおじいちゃんも、さぞ喜ぶだろうな。

そんなことをふと思った「はりいしゃ」でのひとときでした。
ムジナハウスの話が長くなり、申し訳ありません。

4.「はりいしゃ」から広がる交流

さて、朝を迎えました。はりいしゃの素敵なところのひとつに、トイレ、お風呂、キッチンがとても新しくてきれいなところも挙げられます。泊まる人向けに、歯ブラシなどのアメニティまで、ご用意くださいました。

上記写真@Yujiro Ichikawaさん
ひとつひとつがお洒落

後片付けをして、名残惜しく私たちは、はりいしゃを後にしました。


はりいしゃさん、ありがとう。


これからも、はりいしゃは越前海岸での交流施設として、ここで、さまざまな人が談笑したり交流するのだろうなと思います。

これから生まれるドラマやアートが楽しみですね。
越前海岸盛り上げ隊の皆様には、大変お世話になりました。特に松平さん、細やかな気配りをありがとうございました。夕食の、まつ田さんや、シーツを手配くださった民宿のよねやさんにもお礼を申し上げます。

可愛い!借りれます。
センスいい、越前海岸盛り上げ隊さんの
ロゴマーク


最後までお読みくださって、ありがとうございました。













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