【超訳】「福翁百話」第42話「独立の法」<入門レベル>小学校受験の願書を書かないといけない忙しい親御さんに

<はじめに>
本記事の目的は、アカデミックな解説をすることではありません。福沢諭吉先生の書物は多くありますが、前期・後期で分類されたり、学者などによって意見が異なります。
あくまで「普通の人」が読んだときに感じるであろう部分に、いくつかのエビデンスから【超訳的】にまとめたものになります。もちろん、願書を書く際に困らないように、福沢諭吉先生の書物や当時の時代背景などを調べておりますので、大きくズレることはないと思います。とっかかりとしてご利用ください。

<入門レベル>は、福沢諭吉先生や当時の時代背景の知識が全くないことを前提に、とっつきやすく作成しています。詳しい人や専門家からすれば文句を言いたくなる内容かもしれませんが、通常のご家庭で専門家の知識があることは考えることができません。

「福翁百話」第42話「独立の法」

この文章のテーマは「独立する方法」です。

「独立*1とは、自分を信じて自分を大切にする(自信自重の心*2)ことで、他人に頼らずに生きていくことです。この心は、人間の物事に共通して大切なことであり、人生は困難なことが多いです。

*1:「独立(心)」は福沢諭吉を語る上では欠かすことができない一方、解釈が難しい言葉でもあります。現在の辞書的な「独立」の意味ではなく、時代背景とセットで理解する必要があります。
*2:「自信自重」は「日本男子論」の中で語られるキーワードです。

次に、独立するためには、お金を稼ぐことが大切です。そのためには、競争社会で努力する必要があります。ただ、努力だけでは十分ではありません。お金を使う方法も考えましょう。その時に大切なのが、ケチと倹約の違いです。

ケチとは、優しさがなくて恥知らずで、正しい道から外れてお金ばかり欲しがる人です。倹約とは、自分や家族の生活費を考えて無駄なものを買わないようにすることです。倹約は自立するために大切ですが、ケチだと自立心を失ってしまいます。

最後に、独立する人は、世間の評判や外聞に惑わされず、自分本来の価値観や教育観を持つべきです。世間に恥じるような非がない限り、自分の身は尊いものであると信じることが大切です。世間の奴隷となって分不相応な無理をすることは、自分や家族の体面を維持するどころか、逆に失うことになります。

「福翁百話」第42話「独立の法」のポイント

  • 競争社会で生きていくための努力や工夫

  • けちと倹約の区別や節約の方法

  • 世間の評判や外聞に惑わされず自分らしく生きる姿勢

<コメント>

福沢諭吉先生のご自身の経験から「独立するためには勉強することが必要だ」と述べています(*3)。

(*3)…「実学」「学問のすゝめ」など、掘り下げた方がよいテーマ

先生は、幼い頃から父や兄に代わって家業を手伝い、貧しさや苦労を知りました。十四歳の時に江戸に出て、漢学や蘭学を学び、十九歳の時に長崎で、西洋の知識を得ました。二十四歳の時にアメリカに渡り、英語や西洋文化を学び、二十八歳の時にヨーロッパでフランス語やドイツ語を学ばれました。

このように先生の人生を切り開いていったのは、とてつもない度胸や胆力はもちろん、いわゆる学問でした。(ただし、現在の「勉強」とはやや異なります)

先生は、自分が学んだことを広めるために、新聞や雑誌を発行したり、学校を開いたりされました。その課程で、自分の考えに反対する人々から、批判や嫌がらせを受けたりましたが、自分の信念に従って、政治や社会の問題にも積極的に関わられました。

この流れを理解した上で、もう一度、本記事を読んでいただくと、少しだけ言葉に重みが増すと思います。

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