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祖母の処世術

こんにちは。

現在96歳の祖母。
今は老人ホームに入所しています。
認知症と診断を受けていますが会話はスムーズにでき、コミュニケーションは良好です。

コロナによる面会制限が緩和されて毎週会えるようになってからは、認知機能面が向上し(認知症簡易テストの点数も10点アップ)、話すこともより具体的になりました。

面会中のふとした会話に祖母の処世術が含まれていました。

「逆らっても仕方がないときは、ハイハイって言っていればいい。抗おうとすると出ていくことになる。いちいち騒いで文句を言わないで、自分の部屋でテレビをみていればいい。悪口は言わない。そういう人いるけど損よね。相手(施設のスタッフさん)にとってよい風にしていれば、自分もよくしてもらえるのに。」

老人ホームに入所しており帰りたくても家に帰れない現状を理解し、どれだけ騒いでも文句を言っても自分では変えられない現状を受け入れていました。
自分ではコントロールできない事に対して労力を使うよりも、その場でどのように過ごすことが自分にとって心地よいことなのか、こちらにフォーカスして過ごしていました。


祖母は「現実を受け入れながら、その状況下でも自分でい続ける術」を96年間で身につけたからこそ、今もなお元気に過ごしているのだと思います。

一番すごいと思ったことは、受け入れる力です。
なぜこうなったのか、どうすればよかったなど後悔に苛まれずに受け入れているのです。
もちろんホームの職員さんや環境にも恵まれた面もあります。
そして、その中でもどうしたら心地よくいられるのか分かっているのです。
祖母の場合、1人でテレビをみていることが最もよいそうです。

「本当は部屋にすぐ帰りたいけど、話しかけられたら話すこともある」と言っていたので、頑なにならずに臨機応変に対応している面もあるようです。

悪口は言わない点からも、その場の感情に振り回されずに自分を律することも生きる術であると教わったような気がします。


祖母は様々な人生経験をしているので、その分受け入れる器が大きくなったのだと思います。
自分がどのように生きていきたいか理想を描くと不思議と祖母の生き方に似ているので、教えてほしいことがたくさんあります。
まだまだ長生きしてほしいです。



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