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国境の南、太陽の西について

いつのまにか、始の歳を越えてしまいました。高校生の時、国境の南、太陽の西を読んで、これは感想保留だと思いました。一番初めは、有紀子さんが可哀想という感想しか持てず、でも、その自分の反応が公平なものとも思えず、この本とは長く付き合うことになりそうと思ったのを覚えています。

これまでも何度か読み返してきましたが、今年になってやっと感情的にならず落ち着いて読めるようになりました。

それは、やっぱり、登場人物と自分の歳がすごく近くなったからだと思います。

始と島本さんは37歳、私は38歳になりました。

始のような行動にでるかは別として、38歳になれば、心が複雑に反応することがあるというのは理解できるようになります。
心が時折地上と地下、水面から上と、水の中のように分かれてしまうような感覚も分かるようになります。

でも、この作品に関しては、もしかしたら、20年もかけてここに来たのにまたどんどん離れていくのかな、、という感じがあるのです。

今が一番近くて、理解できて、また離れてしまう。そしてすでに、始の歳を越えてしまった私なので、2度と今のような共感は持てないのかもしれません。

今の私が、高校生や大学生の頃を懐かしく思うように、いつか、今の私のことを懐かしく思うような気がして、メモが代わりに残したいと思い、書きました。

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