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ファロー四徴症

 ファロー四徴症とは、次の4つの異常が組み合わさったものである。①心室中隔欠損、②肺動脈狭窄、③大動脈が右方に転位して心室中隔欠損部にまたがっており(騎乗大動脈)、さらに④右心室肥大が合併する。このうち、③騎乗大動脈は①心室中隔欠損によるもので、また、④右心室肥大も①心室中隔欠損に続発するものであるため、①心室中隔欠損と②肺動脈狭窄が基本的な異常とされる。これは、単独の心室中隔欠損とは異なり、肺動脈狭窄があるため、右心室の血液は肺動脈へは流れにくく、心室中隔欠損をとおり左心室へと流れ、はじめから右→左短絡が起こっている。そのうえ、肺動脈狭窄により肺循環血液が減少していることも相まって、動脈血酸素飽和度(動脈血中の総ヘモグロビンのうち、酸素と結合したヘモグロビンが占めている割合)が低下し、乳児期からチアノーゼ(唇や手足の爪が青紫になっている状態)が目立つことが特徴である。このファロー四徴症は先天性奇形の約10%を占め、チアノーゼ性心奇形の代表例である。

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