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英語の前置詞について( その2 ON )


by SAKURAnoG
 
 
皆さん、こんにちは。今回は、英語の前置詞について(その2)ということで、「ON」についてお話をしたいと思います。
 
【ON】
「on」の基本的な意味は、「接して」です。「上に」ではありません。天井にさかさまにくっついていても「ON」です。
 
さて、次の文章はどんな意味でしょうか? わからなくても大丈夫です。どっちかというと、わかる方がおかしいです(笑)。いずれもGENIUS(ジーニアス英和辞典第4版 大修館書店 2009年、以下「GENIUS」)からの引用です。
 
1.The woman hung up on me. (注1)
2.It snowed on me. (注2)
 
回答に行く前に「その1」で出した問題の解説から始めましょう。その1の問題は、次のようなものでしたね。
 
『Q1. もっとも適切な前置詞は、どれでしょうか?
Are we still( )for tonight? (今夜の約束、大丈夫だよね) 〔※1〕
〔1.on  2.in  3.along  4.up  5.with〕』
 
回答は「GENIUS」に聞いてみましょう。
〔※1〕:(引用)
GENIUS 【ON】形2叙述〈事が〉予定[計画]されている「We’re still on for tonight.(今夜の約束に変更はない)We don’t have anything on this weekend. (今週末は何も予定はありません) 」P1360
(引用終わり)
より筆者改変。答えは「on」でした。
 
説明に形となっていることに気づきましたか?「ON」は形容詞にもなるんですね! 「WISDOM」(ウィズダム英和辞典第4版 三省堂2024年、以下「WISDOM」)では副詞の項に出ています。また、辞書によっては、副詞として分類するもののbe動詞の補語として現れる場合は形容詞ともとれる、としています(研究社新英和中辞典第5版 研究社 1985年)。学者泣かせの前置詞ですね。
問題文の「ON」については、もう、辞書の解説だけでこれ以上の説明はいらないでしょう。
 
それでは、上記の質問1と2にいきましょう。
この「on」は「迷惑のON」と呼ばれていて、「ON」のあとには、「me」が来ることが多いですが、もちろんそれ以外の(代)名詞もとることができます。
(引用)
1.The woman hung up on me.(その女性は一方的に電話を切った)
2.It snowed on me. (私は雪に降られた)
(「GENIUS 【ON】17不利益」P1360より)
(引用終わり)
 
2.は「雪が私の上に降りかかってきた」ではありませんよ。「It snowed」が「私にとって迷惑だった(on me)」ことを表現する文章です。
1.「hung up」は「hang up」の過去形で、電話を切るという意味です。その女性が電話を切ったのが、私にとって迷惑だったことを表わす表現です。
もう一ついきましょう。
(引用)
・She shut the door on me. (彼女は私の鼻先でバタンとドアを閉めた)
[GENIUS 【ON】17不利益 ⦅主に略式⦆〈人に〉損害[迷惑]をかけてP1360]
(引用終わり)
同じ文章に「英文法解説」(江川泰一郎)では、次の訳を与えています。
(引用)
(彼女はドアを閉めて私を中へ入れてくれなかった)[英文法解説 改訂3版 江川泰一郎 §280 ON(2)解説B(b)P424金子書房1991] 
(引用終わり)
例えば、対立する表現として
・She opened the door for me.「彼女はドアを開けて(笑顔で)私を迎え入れてくれた」と比べてみると、こちらの「英文法解説」の方が私はわかりやすい表現だなと思います。
 
ほかの前置詞/副詞もそうですが、「ON」は「・・・に接して/上に」という意味だけではありません。「be動詞」とセットにすると、いろんな意味になります。
 
・I’m on it. (すぐに取り組みます。了解、まかせて)
・It is on me. (おごるよ)
なんと次のように「ON」だけでも文章が成立します。
(引用)
・You’re ón. ⦅略式⦆よし、乗った(♦勝負事などに誘われて)[GENIUS 【ON】副 成句P1360]
(引用終わり)
では、次はどうでしょうか?
(引用)
・What are you on about? (⦅俗⦆いったい何をしゃべっているのか) 〔GENIUS 【ON】形P1361〕
・I’m on for a drink after work. (仕事のあとで1杯やりたい)〔GENIUS 【ON】形〈be ón for O〉⦅英略式⦆P1360〕
・She is always on at her children. (彼女はいつも子供にがみがみ言っている)〔GENIUS 【ON】〈be[gò, kéep]ón at O〉⦅英略式⦆〈人に〉[・・・について/・・・するよう]ねちねちと不平[小言]を言うP1360〕
・He is on the team (彼はチームの一員だ)〔GENIUS【ON】10[所属]P1359〕
(引用終わり)
「一員だ」は「in」ではなくて「on」なんですね。こういうものは、面倒でも一つ一つ覚えていくしかありません。英語の苦手な方、「ああ、また一つ賢くなった」と前向きにとらえていきましょう!
 
英語の前置詞について(その3)は、「at」についてです。「at」を使って「ついでに」が言えますか? 「猟師は獲物がゲットできたか?」その他について語ります。 乞うご期待(近日中掲載予定)。

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