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Waves 英語歌詞解説 (Little Glee Monster)

by SAKURAnoG

Song by Little Glee Monster
作詞・作曲:Louis Biancaniello, Mike Biancaniello, Vincent Van Den Ende “Avedon”, Lee Anna “James” McCollum, Sydney Schmier, Emilia Schmier

手元に歌詞を置いて、読んでください。

リトグリ初のベストアルバム「GRADATI∞N【DISK2】」に収録されています。先に発表された「SPIN」「move on」からの流れをくむ、アメリカンテイストの強いエレクトロニカに仕上がっています。

「本当に久しぶりの全編英詞だったので、嬉しかったです。英語と日本語だと声の出し方も変わってくるので、そこも注目して欲しいです!」(芹奈「B=PASS 2021 02(バックステージ・パス 2月号、2020年12月27日発行)」)

歌詞は、こちらからも:
https://kashinavi.com/song_view.html?133572
https://www.uta-net.com/song/296768/

それでは、語句の意味を見ていきましょう。

☆「押韻」韻を踏んでいると思われる箇所は、「you」と「blue」、「bright」と「night」等ですが、この曲には他にも「moonlight」と「fight」のように「不完全韻」(アクセントの位置がずれているもの=imperfect rhyme)という押韻や、「assonance」という韻の踏み方をしている箇所があります。「assonance」とは、例えば、4ブロック目の「afraid」「break」「wait」「waves」で、「エイ」という母音だけが韻を踏んでおり、こういった韻の踏み方を「assonance」といいます。広い意味での韻で、この歌詞のあちこちに見ることができます。「ミッヒッヒィ」のところもそうですね。

☆「I see you (in)」「in」は不要と思われます。「一人で(何かをした)」というときは、「in only one」という言い方もできますが、ここでは「see」という知覚動詞を伴っているので、学校で習うS+V+O+Cの形、すなわちS=I 、V=see、 O=you、 C=(being)only oneとなります。あえて説明すれば「You are only one」という文章に「I see」が付いたもので、「in」は、出番がありません。

☆「Lost in you」「Lost in」は、注意力を集中するため、周りのものが見えなくなる、気付かなくなる状態を指し、「没頭する」という意味になります。ここでは、「君しか見えない」と訳しました。

☆「In the deep dark blue」ここは、深海をイメージした言葉選びになっています。ただ「深くて暗い海の中」と訳すと、最初の「Only one in the room」から急にシーンが飛び違和感があるので、単なる色の表現として訳しました。「濃い群青色の中に」

☆「Run for your life」ここでの「Run」は「逃げる」という意味で(GENIUS【Run Ⅰ④】)、「for」は「~を求めて、~を得るために」という意味です。
「Run for your life」で「命がけで逃げろ」という意味になります。「生きるか死ぬかの状況で、自分の命を得る(=確保する)ために逃げる」、というのが英語のニュアンスで、「一目散に逃げる」「必死で逃げる」ことを意味します。まさに「命を賭して」という感じでしょうか。
ちなみに、GENIUS英和辞書には、【For】の⑥「~を求めて」のところで、「run for one’s life を「命からがら逃げる」としていますが、僕は「命からがら」と、この言葉の本来の訳である「命がけで」とでは、ちょっと意味が違う気がします。
つまりこの英語の意味は「生きるか死ぬか、必死で」逃げるのであって、「命からがら=ほうほうの体で、やっと」逃げるのとは、ちょっと違うと思います。「命からがら」という言葉は、主に逃げおおせたあとに使う表現であり、「必死で(逃げる)」という一般的表現の言葉ではない、ということです。「彼らは、いま命からがら逃げている」とはあまりいいません。「彼らは今必死で逃げている」という表現と比べてみてください。
又、辞書の訳に従って、この本文の訳を「命からがら逃げろ」と訳すと違和感を禁じえません。そういう意味で、意味が違うということです。
また、逆算で「命からがら逃げた」を英語に直すと「I had a narrow escape.」又は、「I escaped with my life(私は、命からがら逃れた)」(GENIUS【life】①)という感じであって「I ran for my life」とは、ならないように思われます(日本語と英語の対応が、必要十分条件ではない)。
ちなみに同じ出典ですが、(GENIUS)の【runⅠ④】には「I ran for my life (私は必死になって逃げた)」とあるのは面白いですね。

☆「Together we can never break」「Together」は次の文章に掛かるのではなく、これだけで一つの意味のかたまりとして、「一緒にいれば」という意味になります「(Being)Together 」= 「When we are together, we can never ・・・」学校で習う分詞構文の「being」が省略された形になります。ここの「can (never)」は「~のはずがない」と
いった感じでしょうか。

☆「We can’t (H⇢h)ide behind the twilight」「Blinded by the moonlight」ここで、ちょっとシャレた表現を楽しんでください。「twilight」や「moonlight」は、普通「闇を暴く」方の役割ですが、ここでは「隠す」サイドに立っています。ダークな雰囲気が楽曲のイメージと重なって、おしゃれな表現になっています。

☆「You’re the air that I breath(e)」歌詞は「breath」(ブレス)となっていますが、「e」が抜け落ちています。ここは、「I breathe」と動詞になるところです。「breath」(ブレス)は「息」という名詞、「息を吸う」という動詞は「breathe」(ブリーズ)です。文章の位置的にも意味的にも動詞なのですが、そもそも「breathe」でないと、後の2行と韻が踏めません。

☆「I am you you(r) are me」「r」は不要です。ここは、「僕は君、君は僕」というところなので、意味的にも文章的にも「your」ではなく「you」となるべきところです。

比較的易しい英語で書かれているので注釈数が少なくなり、結果的にミスプリントの指摘が目だってしまいました。あげつらうつもりはまったくなくて、あくまで英語学習者のためのアドバイスとしての位置づけとして、ご理解賜りますよう、お願いします。

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