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本日の一曲 vol.103 ジミ・ヘンドリックス マシン・ガン (Jimi Hendrix, Band Of Gypsys: Machine Gun, 1970)

ジミ・ヘンドリックスさんのブルースは、とても特殊なブルースで唯一無二の音楽だと思っています。ジミさんのキャリアのうち、前半のブルースは、ジミさんのルーツというだけあって、けっこう元気なブルースです。これをまとめたのが、1994年にリリースされた、その名のとおり「ブルーズ(Blues)」です。

しかし、ジミさんのブルースの真骨頂は、1970年年頭のフィルモア・イーストでのライブ「バンド・オブ・ジプシーズ(Band Of Gypsys)」に収録された「マシン・ガン」でしょう。マイルス・デイヴィスさんをして、こういうのがやりたかった、と言わしめた演奏です。ギターのミュートのカッティングとスネアドラムの連打は、もちろんベトナム戦争でのマシン・ガンの描写です。

ジミさんの録音は、版権が錯綜しているようで、何がどうなっているのかよくわからないところもありますが、現在、公開されているのは、こちらのバージョンかと思います。

バンド・オブ・ジプシーズは、ビリー・コックス(Billy Cox, Bass)さん、バディ・マイルズ(Buddy Miles, Drums)さんのスリーピースのバンドでした。ビリーさんは、ノエル・レディング(Noel Redding)さんの次のベーシストですが、ジミさんの陸軍時代からの友人であり、ウッドストックでもビリーさんがベースを弾いていました。

バディさんは、「マシン・ガン」の後半でもヴォーカルを取っています。アルバム「バンド・オブ・ジプシーズ」の「マシン・ガン」の次の曲は、バディさんの曲「チェインジズ(Changes)」ですが、これはバディさんのソロ・アルバムにも収録されています。

また、カルロス・サンタナ(Carlos Santana)さんとのライブでも演奏されていました。

話は「マシン・ガン」に戻りますが、1970年8月30日のイギリス・ワイト島フェスティバルでも「マシン・ガン」が演奏されました。このときのドラムは、またミッチ・ミッチェル(Mitch Mitchell)さんでしたが、曲の雰囲気がバディさんのドラムのときとは違っている気がしませんか?

ジミさんは、このワイト島のあと、1か月もしないうちに27歳の若さで亡くなってしまいました。

(by R)

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