本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第53番 帝国 (Sinfonia No.53 "L'impériale", 1779)
ハイドンさんの「疾風怒濤(シュトゥルム・ウント・ドラング)」時代の次は、オペラやマリオネットの劇場であったエステルハーザ劇場の音楽監督の時代になります。この時代の交響曲は、オペラチックな傾向が強くなります。本日ご紹介する第53番「帝国」も例のごとく、自筆譜が存在しませんが、この劇場時代に作曲されたものと考えられています。
ところで、これまで「自筆譜がない」という話がたびたび出てきていますが、それは1779年にこのエステルハーザ劇場が火事で燃えてしまい、楽譜も一緒に燃えてしまったらしいのです。それで、ハイドンさんが各地に分散していたかき集めて修復作業をしたらしいのですが、このときに楽章を交換したりしたらしいのです。おそらく彼方此方からかき集めたとしても、全部は集まらなかったでしょうし、後から発見されたりとかで、いろいろと混乱しているのです。
さて、交響曲第53番の「帝国」という愛称もハイドンさんご本人が付けたものではなく、由来は不明ですが、ハイドン研究家のH.C.ロビンス・ランドンさんによると、マリア・テレジア皇后の愛好曲だったからということです。
交響曲第53番ニ長調「帝国」(Sinfonia No.53 D Dur, Hob.I:53)
第1楽章 Largo maestoso - Vivace 皇帝が登場するかのようなファンファーレから始まり、皇帝の登場を祝うかのような音楽が続きます。
第2楽章 Andante 皇帝の食事会風の音楽です。
第3楽章 Menuetto & Trio 皇帝の食後の運動🏋️風の音楽です。
第4楽章 Finale-Capriccio. Presto 皇帝のご退場です。
ニコラウス・アーノンクール(Nikolaus Harnoncourt)さん指揮コンセントゥス・ムジクス・ウィーン(Concentus musicus Wien)による演奏です。こちらは、上記のフィッシャーさんの演奏とは異なり、第4楽章に初期稿を使用しています。
兵庫県加古川市を拠点とするコレギウム・ムジクム・デル・チェルボによる演奏です。こちらも第4楽章は初期稿を使用しているようです。
(by R)
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