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本日の一曲 vol.154 ヴェルディ 「運命の力」序曲 (Giuseppe Verdi: Overture "La forza del destino", 1869, played by Arturo Toscanini & NBC Symphony Orchestra)

アルトゥーロ・トスカニーニ(Arturo Toscanini)さんは、1867年3月25日にイタリアのパルマで生まれ、1957年1月16日にアメリカのニューヨークで亡くなった指揮者です。キャリアの前半は、主にイタリアなどのヨーロッパで活動し、後半は主にアメリカで活動しました。

1936年、トスカニーニさんが69歳のとき、トスカニーニさんは、それまで務めていたニューヨーク・フィルハーモニックを辞任し、引退を考えていましたが、RCA(Radio Corporation of America)の社長デヴィッド・サーノフ(David Sarnoff)さんが、トスカニーニさんのためにラジオ・コンサート用のオーケストラを創設することをトスカニーニさんに提案し、これをトスカニーニさんが引受けたことから創設されたのがNBC交響楽団でした。

トスカニーニ・NBC響コンピの録音・録画はたくさんあります。トスカニーニさんはイタリア出身ですから、特にお国のヴェルディの曲は十八番であり、運命の力の序曲はそのレパートリーの一つです。

この録音では、ホ短調に聞こえます。ところが、こちらの動画では半音キーが上がって、ヘ短調に聞こえます。昔はテープに録音していたと思うので、そのリールの回転が速かったり遅かったりすると、調が違って聞こえたりします。レコードもターンテーブルの回転が適正でないと調が狂ってしまうのです。この映像もトスカニーニ本人がチェックしたとすれば当然そのことは分かったはずですので、どういう経緯で公開になったのでしょうか。

ただ、この場合、回転が速くなったので、キーが高くなってしまったと同時にテンポも速くなってしまっているので、もともと凄まじい演奏がますます凄まじくなってしまっているというところがおもしろいところです。トスカニーニの指揮する演奏を聴いてしまうと、他の演奏が生ぬるく聴こえてしまうのが正直なところです。

(by R)


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