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本日の一曲 vol.105 ピアノ・トリオ集 (4/5) フォーレ ピアノ三重奏曲 (Gabriel Fauré: Piano Trio, 1923)

ガブリエル・フォーレさんは、19世紀後半から20世紀前半にかけて活動したフランスの作曲家で、50歳のころ、パリ音楽院の教授に就任し、そこでモーリス・ラヴェルさん、ジョルジェ・エネスクさん、ナディア・ブーランジェさんなどを育てました。そして、60歳のころ、パリ音楽院の学長になり、ワグナーやドビュッシーまで新しい音楽をカリキュラムに入れるなど、パリ音楽院の「改革」を図りました。しかし、そのころから、難聴に悩まされるようになり、1924年に79歳で亡くなるまで、難聴が回復することはありませんでした。

フォーレさんは、最晩年、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲をめざし、その作曲に没頭していましたが、本日ご紹介するピアノ三重奏曲は、その前の1923年に作曲されたもので、フォーレさん自身、「小さなトリオ」と呼んでいたそうです。

いつも引用させていただいているCMRRさんの動画は、ジャン・ユボーさんたちのエラート・レーベルへの録音です。ちょうどピアノ三重奏曲に飛ぶように設定してありますが、フォーレさんの室内楽曲のほとんどが収録されていますので、時間のあるときにでもお聴きになってみて下さい。

ピアノ三重奏曲は、フォーレさんが78歳のときの作曲したものですので、「おじいさん」の音楽になると思います。1984年のフランス映画で、「田舎の日曜日」という映画があるのですが、一人暮らしの老画家の日曜日に息子の家族や娘が訪れてその日のうちに帰っていき、夕暮れにはまた一人になる、というあらすじで、最後にフォーレの曲が流れてきて、しみじみと寂しさが感じられる作りになっています。こちらも、ご覧になってみて下さい。

(by R)

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