見出し画像

本日の一曲 vol.120 1980年代女声ドラマティック・ヴォーカル集 (2/3) ニナ・ハーゲン スマック・ジャック (Nina Hagen: Smack Jack, 1982)

2021年12月2日、ドイツ連邦首相のアンゲラ・メルケル首相の退任式で、メルケルさん自身「この曲は青春時代のハイライトだった」として、ニナ・ハーゲンさんの1974年の東ドイツでのヒット曲「カラーフィルムを忘れたのね(Du hast Den Farbfilm Vergessen)」が使用されました。

ニナさんは、1955年、脚本家の父、女優の母との間にベルリンで生まれましたが、父方はユダヤ系であり、お父様自身強制収容所に収容され、父方の家族は強制収容所でなくなっており、母方の家族も第2時世界大戦の犠牲になった人もいました。また、ニナさんが2歳のときにはご両親は離婚し、以後はシンガーソングライターで反体制派の詩人の継父に影響を受け、ニナさんが十代のときから音楽活動をしていました。「カラーフィルムを忘れたのね」はニナさんが十代の時の東ドイツでのヒット曲でした。

1976年、ニナさんの継父が東ドイツへの再入国を拒否され、以降、ニナさんも東ドイツを出て、以降西側の住人になりました。西側でのデビューアルバムは、「ニナ・ハーゲン・バンド(Nina Hagen Band)」でしたが、ここからニナさんの本領が発揮されて、物議を醸すセンセーショナルな活動をするようになり、後年、「ゴッドマザー・オブ・ジャーマン・パンク(The Godmother of German Punk)」と呼ばれるようになりました。

本日ご紹介する「スマック・ジャック」は、ニナさんの1982年のアルバム「ナン・セックス・モンク・ロック」に収録された1曲で、薬物中毒の人を歌ったもので、ノルウェーではヒットした曲です。

このアルバムジャケットでニナさんが抱いている赤ちゃんは、ニナさんの娘さんのコズマ・シヴァ・ハーゲン(Cosma Shiva Hagen)さんで、現在女優をされています。

ニナさんは、1950年代生まれであり、活動歴も長いので、ニナさんの動画などはたくさんありますが、もしもっと知りたいと思われたならば、ぜひいろいろと見てみてください。

この1982年のアルバムは、音楽傾向も多様で、まだニナさんが若い頃のものでもあり、聴き応えのあるものですので、これから聴くのもよいかもしれません。

(by R)

読んでくださってありがとうございます!サポートしていただけるととても嬉しいです!