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本日の一曲 vol.305 シェーンベルク 月に憑かれたピエロ (Arnold Schönberg: Pierrot lunaire Op.21, 1921)

「月に憑かれたピエロ」(通称月憑かピー)は、ベルギーの象徴派詩人であるアルベール・ジロー(Albert Giraud)さんが1884年に発表したフランス語の詩集「月に憑かれたピエロ(Pierrot lunaire)」をオットー・エーリヒ・ハルトレーベン(Otto Erich Hartleben)さんがドイツ語に翻訳したものを題材として、オーストリアの作曲家アルノルト・シェーンベルクさんが曲をつけたものです。

正式な題名は、「アルベール・ジローの『月に憑かれたピエロ(ドイツ語訳オットー・エーリヒ・ハルトレーベン)』から採った全3部各部7篇の詩。シュプレヒシュティンメ(語りの声)、 ピアノ、フルート (ピッコロと持ち替え)、クラリネット( バスクラリネットと持ち替え)、ヴァイオリン(ヴィオラと持ち替え)、チェロのためのメロドラマ」であり、委嘱者かつ初演者の女優アルベルティーネ・ツェーメ(Albertine Zehme)さんに献呈されました。

全3部各7篇の詩は以下のとおりです。

第1部:「月に酔い」「コロンビーナ」「伊達男」「蒼ざめた洗濯女」「ショパンのワルツ」「聖母」「病める月」
第2部:「夜」「ピエロへの祈り」「盗み」「赤いミサ」「絞首台の歌」「打ち首」「十字架」
第3部:「郷愁」「悪趣味」「パロディ」「月のしみ」「セレナーデ」「帰郷」「おお、なつかしい香りよ」

川島素晴さん指揮、ソプラノ・長島剛子さん、ピアノ・梅本実さん、フルートとピッコロ・多久潤一朗さん、クラリネットとバス・クラリネット・菊地秀夫さん、ヴァイオリンとヴィオラ・甲斐史子さん、チェロ・寺井創さんの演奏です。

この曲は、シェーンベルクさんのいわゆる第2期の無調音楽期の曲ですので、覚悟してお聴きになってみてください。

この曲に触発されて、イゴール・ストラヴィンスキー(Igor Stravinsky)さんは、「3つの日本の抒情詩」を、モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel)さんは「ステファヌ・マラルメの3つの詩」をそれぞれ作曲しました。また、ピエール・ブーレーズ(Pierre Boulez)さんは、「ル・マルトー・サン・メートル(主なき槌)」を作曲しました。

(by R)

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