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本日の一曲 vol.323 ジョーン・ジェット&ブラックハーツ アイ・ラヴ・ロックン・ロール (Joan Jet & The Blackhearts: I Love Rock 'N Roll, 1981)

ジョーン・ジェットさんは、ガールズ・バンドのはしりだったランナウェイズ(The Runaways)の「リズム・ギター」担当でした。

ランナウェイズは、日本では、当時、ガールズ・バンドだったというだけでなく、ボーカルのシェリー・カリー(Cherie Currie)さんが下着姿でステージ・パフォーマンスをするということで話題をさらい、来日時には大騒ぎだったのです。この来日時にトラブルが勃発し、ベースのジャッキー・フォックス(Jackie Fox)さんが脱退、日本での話題は急速にしぼんでしまいました。その後、リード・ギター担当のリタ・フォード(Lita Ford)さんが当時レインボウ(Rainbow)のリッチー・ブラックモア(Ritchie Blackmore)さんと交際しているなどと下世話な話題があったくらいでした。

ところが、1981年になり、ジョーン・ジェットさんが男性メンバーのバンドをしたがえて、起死回生のヒットを飛ばしたのがこの「アイ・ラヴ・ロックン・ロール」でした。

この曲は、オリジナルがイギリスのアロウズ(Arrows)のもので、1975年にシングル・カットされていた曲でした。この曲をアロウズが演奏するのをジョーン・ジェットさんがテレビで見たのがカバーのきっかけでした。

アロウズでのこの曲のソングライティングを担当したのはアラン・メリル(Alan Merrill)さんだったのですが、このアランさんはとても日本にゆかりのある人で、1970年に渡辺プロダクション(ナベプロ)と契約し、1971年に安井かずみさん、かまやつひろしさんのコンビの作詞作曲でアルバム「ひとりぼっちの東京」をリリースして日本デビューしていたボーカリストだったのです。「涙」はシングル曲でした。

アランさんは、そのころTBSテレビの「ヤング720」という番組にもレギュラー出演し、ウオッカ・コリンズ(Vodka Collins)というバンドを結成して1973年に「Sands Of Time」というシングル曲が同じくTBSのドラマ「前略おふくろ様」で使われたり、「時間ですよ」に出演したりしていたのでした。1974年に渡英して結成したのがアロウズだったのです。

ジョーン・ジェットさんのカバーはアロウズのオリジナルをほぼ忠実に再現したものでした。

ちなみにアラン・メリルさんは、麻布台の有名店「キャンティ」の常連さんでした。

(by R)

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