本日の一曲 vol.140 ガーシュウィンのヴァイオリン曲 (George Gershwin: Tunes played by violin)
ジョージ・ガーシュウィンさんは、1898年生まれのアメリカの作曲家です。ジョージさんのお兄さんが作詞家のアイラ(Ira Gershwin)さんで、アイラさんが歌詞を作り、ジョージさんが曲を作るという共同作業をしていました。そこで、オペラ「ポーギーとベス」を始め、たくさんの歌曲が作られました。
ところが、ジョージさんは体調がすぐれず、1937年に38歳の若さで亡くなってしまいます。ジョージさんは、まさしく「モーツァルト以来の天才」だったと思います。
ところで、著作権の保護期間は、原則作者の死後50年(現在は70年)だったので、ジョージさんの曲も1998年ころ(戦時特例の適用あり)には保護期間が終了し、パブリック・ドメインになったのですが、おそらくアイラさんの遺族の申立てにより、2020年、アイラさんとの共同作業と認められる曲については、アイラさんが亡くなった1983年を基準にして、保護期間がそこから70年の2053年までと再開されることになりました。
以下、保護期間が再開された曲の一覧はこちら(JASRACのページ)です。
ヴァイオリニストにとって、ガーシュウィンのレパートリーは、弦楽四重奏のためのララバイ、ヤッシャ・ハイフェッツさんが編曲した3つの前奏曲、歌曲のいくつかくらいで、それほど数はないと思います。ララバイの方は、アイラさんは関わっていないようなので、今回の問題とは関係ないと思います。
一方、3つの前奏曲の方ですが、こちらはもともとピアノ曲だったものをハイフェッツさんが編曲しましたので、ピアノ曲として演奏するときは、アイラさんの問題とは関係ないのですが、ヴァイオリンとピアノのデュオで演奏するときは、ハイフェッツさんの著作権がからんできて、ハイフェッツさんは、1987年に亡くなっていますので、2057年までは保護期間内だということになります。コンクールやリサイタルで「3つの前奏曲」を取り上げるときは、このことを思い出してくださいね!
また、ハイフェッツさんは、アイラさんが関係している歌曲を編曲して演奏していますので、こちらを取り上げるときも、著作権のことを思い出して下さい!
(by R)
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