本日の一曲 vol.24 スティール・パルス クー・クラックス・クラン (Steel Pulse: Ku Klux Klan, 1978)
スティール・パルスはイギリスのレゲエのバンドです。レゲエはジャマイカ発祥の音楽で、2拍4拍にリズムが入り、だいたいModeratoのテンポ感で進みますので、人によっては退屈に感じるかもしれません。しかし、ポピュラー音楽の世界では一世を風靡しました。そのきっかけは、ボブ・マーレイさんの音楽でした。ボブさんは銃撃事件にも遭い、政治的メッセージをもったミュージシャンだったのですが、スティール・パルスもそうしたメッセージ性の強いバンドです。クー・クラックス・クラン(KKK)は、三角帽子の奇妙な覆面で有名な団体ですが、彼らのことを歌っている曲です。
この曲は、スティール・パルスのファースト・アルバム「Handsworth Revolution」(邦題は「平等の権利」)に収録されたものですが、今回ご紹介するのは、その曲の「12" Version」になります。
「12" Version」と言っても若い人はわからないかもしれません。現在の音楽鑑賞はサブスクなのがメインだと思いますが、一時代前はCD、その前の時代はビニール盤だったのです。ビニール盤の大きさは、主にシングル盤とLP(Long Play)盤があり、シングル盤は17センチで、インチにすると7インチで回転数が45回転、LP盤は30センチ、インチにすると12インチで回転数が33と3分の1回転だったのです。シングル盤の欠点は片面10分も入らないこと、LP盤の欠点は音の迫力が落ちることでしたが、両者の欠点を克服しようとして、12インチのビニール盤を45回転用に刻み込んだものがいわゆる「12インチ・シングル」です。「12” Version」とはこの12インチ・シングルに収録されたものという意味です。12インチ・バージョンはロング・バージョンがほとんどでしたが、音にエコーのエフェクトをかけたダブ・バージョンや、エンジニアが遊んでしまったエクステンディド・バージョンなどいろいろありました。例えば…(80年代ですね!)
話はスティール・パルスに戻りますが、彼らの6枚目のアルバム「Babylon The Bandit」1986年のグラミー賞では、ベスト・レゲエ・アルバムに選ばれました。
KKKについては、バーズ(The Byrds)にも曲があります。「Drug store truck drivin’ man」という曲です。
(by R)