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本日の一曲 vol.107 ピアノ・トリオ集 (5/5) ブラームス ピアノ三重奏曲第3番ハ短調 (Johannes Brahms: Piano Trio No.3 c moll, 1886)

1886年、前年に最後の交響曲である第4番を完成させた53歳のブラームスさんは、スイスのトゥーン湖に避暑に訪れます。

ブラームスさんは、しばらくここで作曲活動にはげみ、このピアノ三重奏曲第3番作品番号101のほか、チェロ・ソナタ第2番やヴァイオリン・ソナタ第2番なども書き上げられました。

プラハ・グァルネリ・トリオによる演奏です。ちょうど3番に飛ぶように設定してあります。

この動画には、他のピアノ三重奏曲も収録されていますので、他の曲もお聴きになってみて下さい。ブラームスさんの若い頃の第1番、壮年期の第2番、晩年の少し前の第3番とブラームスさんの生涯にわたり、この3曲を演目にした演奏会もしばしばありますので、足を運んでみるのもよろしいかと思います。

同時期に作曲されたチェロ・ソナタ作品番号99やヴァイオリン・ソナタ作品番号100を聴いても、このトゥーン湖での創作が非常に充実していたことがうかがわれます。

あまりこちらの3曲(チェロ・ソナタ、ヴァイオリン・ソナタ、ピアノ・トリオ)を演目にした演奏会はないような気もしますが、統一感のあるメニューになるのではないかと思います。ピアニストは大変かも、ですね。

ちなみに、先ほどのプラハ・グァルネリ・トリオの動画には、3曲のピアノ・トリオの後に、ピアノ・トリオイ長調(Op.posth)が収録されていますが、こちらは、ブラームスさんが20歳代のころに書かれたものらしいですが、ブラームスさんご自身では発表しなかった曲のようであり、今で言う「Now and Then」みたいなものですね。

さらに、ピアノ・トリオイ短調の後に、F.A.E.ソナタのスケルツォが収録されていますが、これは1853年、ブラームスさんがまだ20歳のときにロベルト・シューマンさん、アルベルト・ディートリヒさんとの共作のヴァイオリン・ソナタの第3楽章です。ヴァイオリニストの方々にはおなじみの曲かと思います。

(by R)


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