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本日の一曲 vol.322 テンシュテットのワルキューレ第1幕 (Richard Wagner: Die Walküre Act 1, 1870 cond. Klaus Tennstedt)

「ワルキューレ」は、リヒャルト・ワグナー(Richard Wagner)さんの4部作「ニーベルングの指環(Der Ring des Nibelungen)」の第1夜の作品です。「ニーベルングの指環」については、以前ご紹介したことがありました。

この「ニーベルングの指環」のうち、第1夜「ワルキューレ」の第1幕は、「指環」の中でもドラマティックな構成になっていること、全体で約1時間であること、歌手が3人しか出てこないこと、などから、演奏会形式で取り上げられることがあり、レコードとしてもそれだけでリリースされることもあります。

往年の名指揮者ハンス・クナッパーツブッシュ(Hans Knappertsbusch)さん指揮のレコードは、クラッシック・ファンに愛されてきた名盤であり、かつ、決定盤とも言われていたものでした。オーケストラはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)、ジークリンデ役のソプラノはキルステン・フラグスタート(Kirsten Flagstad)さん、ジークムント役のテノールはセット・スヴァンホルム(Set Svanholm)さん、フンディング役のバスはアルノルト・ヴァン・ミル(Arnold van Mill)さんです。

本日ご紹介したいのは、クラウス・テンシュテット(Klaus Tennstedt)さん指揮のものです。これは、2016年にリリースされたもので、1991年のライヴ録音、オーケストラはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(London Philharmonic Orchestra)、ジークリンデ役のソプラノはエーファ=マリア・ブントシュー(Eva-Maria Bundschuh)さん、ジークムント役のテノールはルネ・コロ(René Kollo)さん、フンディング役のバスはジョン・トムリンソン(John Tomlinson)さんです。

クラウス・テンシュテットさんは、1926年6月6日、旧東ドイツのメルぜブルクに生まれた音楽家で、1948年にハレ歌劇場のコンサートマスターとなり、1952年には同歌劇場の首席指揮者になりました。1971年、西ドイツに亡命し、1972年にはキール歌劇場の音楽監督に就任します。その後、アメリカで人気に火が点き、1983年にロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就任して、このオーケストラとの蜜月時代を築きました。しかし、1985年に喉頭癌を発病し、1987年に音楽監督を退任し、治療を続けながら体調のよいときに演奏活動をしていましたが、1998年にはお亡くなりになりました。

このライヴ録音は、1991年のもので、テンシュテットさんが治療中のものですが、ロンドンの期待に応えた大熱演でした。

オープニングとエンディングです。

全体のプレイリストです。

ところで、テノールのルネ・コロさんは、一時代を築いたワグナーのヘルデン・テノールですが、1998年にベルリン・ドイツ・オペラとして来日し、原宿を散歩中に「オヤジ狩り」の被害に遭ったそうです(1998年2月11日の東京スポーツ「ナイフ少年原宿でカネ強奪/世界的歌手襲撃/ルネ・コロさん被害」)。

ほかのコンテンツも紹介しておきます。

ブルーノ・ワルター(Bruno Walter)盤です。

レナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein)盤です。

オペラ対訳プロジェクトさんによるクナッパーツブッシュ盤の対訳です。

(by R)

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