アニメ映画『天気の子』感想日記

 先日、仕事の休みにアニメ映画『天気の子』を観に行った。
 
 公開前から既に、新海監督のファンである私にとっては、たまらなく待ち遠しかった公開で、ようやくそれが見られるという事に胸を高鳴らせながら、心地よく晴れたうだるような暑さの中、駅から映画館までの道を一歩一歩、速足で向かっていた。

 新海監督の映画を、スクリーンで観るのはこれで二回目。一回目はあの空前絶後の大ヒットを記録した『君の名は。』だ。長野県という括りで言えば、新海監督と私は同郷であり、勝手ながら親近感を抱いている、大好きな監督である。『君の名は。』の映画が好き過ぎて、私は特典付きのブルーレイも買った上に、小海町で開かれていた『君の名は。』展に一人で電車を乗り継いで行ったほどだ。

 その新海誠監督の最新作が『天気の子』だ。私がこの映画についてまず感じたのは、「どれだけ『君の名は。』の大ヒットがこの『天気の子』を後押しする形になったのか」だ。2019年6月30日に、テレビ朝日で放映された『君の名は。』の地上波二度目の放送では、『サントリー食品インターナショナル』、『増進会ホールディングス』、『ソフトバンク』、『ディップ』、『日清食品』、『ミサワホーム』、『ロッテ』の7社が、映画『天気の子』の映像などを使ったりして作ったコラボCMが『天気の子』という作品の世界を彩った。私はもちろんこのコラボCMが観られたことに感謝した。ブルーレイ録画レコーダーの機能を使い、自作編集し、永久保存版としてブルーレイディスクにダビングした。もちろん、これを動画サイトでアップロードすることは、著作権の侵害に当たる違法行為である。だが、別に自作ブルーレイを作るくらい別に良いだろう。永久保存版なのだ、永久保存版。(何度でも言う)この7社がどういう経緯で『天気の子』のスポンサーになったのか、などは業界の裏事情だろうからどうでもいい。しかし、このコラボCMは、非常にインパクトのある、それでいて出来が非常に優れた作品といえた。

 ここからは先日のNHK総合で放送された新海監督のインタビュー『ここから』を、録画して何度も観直した私の個人的推測になるのだが、新海監督が描くこのアニメ『天気の子』がなぜこれほどまでに人を惹きつけて離さないのかといえば、ひとえにこの監督が「ひとりでなんでもやってしまう監督」だからである。

 新海監督の特徴と言えば、他のアニメーション監督ではまずしない、Vコンテのセルフアテレコである。(これは今、この文章をしたためながら適当に作った私の造語である。)要は、声優が演技をする上での指導を、監督自らやる、ということである。正に、「王様から動かないと、部下がついてこないだろう?」を体現している、上司として素晴らしい姿勢である。

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