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2022年第4回定例会 代表質問より

2022年11月28日から開催された第4回定例会で、世田谷立憲民主党区議団を代表して、代表質問に取り組みました。

2022年を通して各会派から「学校給食費の無償化」への要望が継続して出されてきました。これまで区長は政策実現に対し明言を避けてきましたが、この時期、来年度予算案づくりの大詰めを迎えることから、あらためて会派内でも議論をおこなし、質問づくりに臨みました。

会派の議論では、「教育費の負担軽減」の立場から給食費の無償化を求める考えを主張する議員もいましたが、私は「子どもの権利」の視点と「憲法26条の実現」の立場に立ち実現を求めるべきと主張しました。世帯の収入制限を設けずにすべての子どもへ無償化を実現する根拠として、「子どもの権利の保障」と「憲法の実現」の立場に立ち、普遍主義を主張することが重要だと考えています。

来年度予算として、学校給食費の無償化から義務教育の完全無償化(憲法26条の実現)へ一歩踏み出せるかが、今後の大きなテーマとなっています。
                   (以下、代表質問内容から抜粋)

【経済対策の必要性について】

新型コロナウイルス感染症拡大への対応は3年目を迎え、世界経済の悪化や物価高により、個人消費も停滞し経済的な危機感が広がっている。繰り返される補正予算では、高騰するガソリン代や光熱費への支援策が講じられているが、経済的厳しさが増す一方で好転する兆しは見られない。特に来年10月から始まるインボイス制度は、区内中小企業や自営業者、個人事業主などに影響を与え、廃業も余儀なくされるなどの懸念が広がっている。インボイス制度の導入の影響調査を行い区内中小企業への支援策を強めるともに中間層への支援など、今後の経済支援に対する考えを聞く。
A:区として、早急に事業者団体などに聞き取りを行い、インボイス制度の困難な点、不安な点を把握し、国に声を届けていく。また区内事業への支援については次年度予算編成の中で検討する。

【公契約条例のさらなる活用を】

公契約条例により労働報酬下限額が東京都の最低賃金よりも高く設定されていることは、労働者の収入増だけではなく、企業は時給を上げることで労働者確保が出来ると評価を得ている。現在1,170円の労働報酬下限額の引き上げを求める。
A:労働報酬下限額の設定により地域経済の好循環を生んでいると考える。下限額引き上げの効果も踏まえながら区の財政状況等も考慮した上で適切に対応する。

【学校主事の外部委託問題】

会派として一貫して反対をしている学校主事の外部委託の問題は、区政運営の姿勢が問われている。区は学校主事の外部委託の目的を教育の領域であるにも関わらず「効率化・行革」としているが、子ども・教育政策にその視点を持つことは妥当ではない。しかし今年度の導入検証もままならない中、来年度も1校に導入を決定した。これ以上取り組みを広げるべきはない。区長の考えを聞く。
→2024年度以降の学校主事業務については、検証血管を踏まえて、客観的かつ子どもの安全や様々な学びを保証する観点から今後の方針を判断する。

【学校給食費の無償化の実現】

学校給食費無償化は、普遍主義の立場に立ち所得制限のない制度にすることを求めてきた。来年度から学校給食費については所得制限を設けない完全無償化を実現することを求める。区長の考えを聞く。
A:区民生活を下支えする視点から保護者負担の権限を図ることに配慮するとともに、お話の子どもの権利の保障といった視点も含めて検討する。

【インクルーシブ教育の実現】

国連障害者権利委員会は日本政府に対し、障害を理由に学ぶ学校やクラスを分ける「分離教育」から、障害のあるなしにかかわらずともに学びともに育つ「インクルーシブ教育」への転換を強く求め、インクルーシブ教育の実現への具体的なプランを示すことを勧告。今やインクルーシブ教育の実現は世界的な要請である。世田谷区では真のインクルーシブ教育をめざすとし、教育総合センターをインクルーシブ教育実現の拠点と位置付けるなど、取り組みを進める姿勢を示している。改めて、国連の勧告をどのように反映するのか、教育長の決意を聞く。
A:すべての子どもが安心して過ごせるよう「ともに学び、ともに育つ」環境の実現をめざし、各学校が従来の枠組みにとらわれず、差別を生まない環境となるよう全力で取り組む。

【世田谷の教育改革への道すじ】

4月に開設された不登校特例校と既存の学校との違いは、「ゆとりある教育プログラム」「少人数学級」「子ども主体の学校づくり」と決算特別委員会で教育委員会は答弁している。不登校の子どもの増加が止まらない状況から教育委員会は「不登校特例校の実践をいかす」としているが、どのように取り組む考えか。
A:不登校特例校の取り組みや効果は、すべての子どもたちにとって学びやすい環境を築いていく上で礎になるものと捉えている。不登校支援にとどまらず、すべての小中学校において従来の枠組みにとらわれない教育活動の展開につなげていく。

【教員不足への対応】

4月にはクラス担任の教員が不足するなど、学校現場では教員不足は深刻な問題。なぜ教員不足が生じているのか、原因を捉えた取り組みが必要だ。区は2019年に教員の働き方の実態調査を行い、教員が働きやすい環境づくりへの取り組みに対し期待されたが、新型コロナウイルス感染症拡大の対応策の前にうやむやにされた感がある。特に、コロナ対応の影響によって教員の働き方、多忙化に変化はないのか?現状の把握とともに、世田谷区独自のカリキュラムの検証なども行い、教員の多忙化を解消し働きやすい環境を確保することで、教員不足への対応策に取り組むべきだ。
A:働き方改革を一層図り、教員が心身ともに健康で働きやすい環境の整備を進める。

【義務教育の完全無償化】

憲法26条では、義務教育は無償であることが規定されているが、学校給食費をはじめとして、家計からの支出による私的な経済的負担に頼っているのが現状だ。子どもの権利として、教育費の無償化が望まれる。副教材などの私費負担の現状を把握し、学校教育の完全無償化に向けて検討することを求める。
A:各自治体の動向等を見ながら保護者の経済的負担をできるだけ抑えられるよう取り組みを進める。

【幼稚園の統合問題】

現在、子ども政策の総合的な視点を示す子どもグランドビジョンの策定中だ。中でも区立幼稚園の統合は子ども政策を変えることにつながる。特に統合対象になっている幼稚園がある地域では、保護者の反対や懸念の声が大きい。子どもグランドビジョンがめざすこれからの子ども政策を共有した上で、現在ある幼稚園など含めた子ども施設がどのような役割を担っていくのか?という視点で考えられるべきであり、現状での議論を強硬に進めることは、認められない。見直しまたは立ち止まることが必要と考える。
A:保護者や地域の声、区議会の意見を十分に伺いながら、検討を進めていく。

【障害当事者参加の徹底】

国連障害者権利委員会からの91もの勧告を受けたにも関わらず、残念なことに日本政府は勧告に対し真摯な態度を示さない。一方で、世田谷区は、国連の勧告を受け第3回定例会において、「私たちのことを私たち抜きで決めないで」という言葉を引用し、地域共生社会の実現とインクルーシブ教育の実現への決意を区長が明言。9月に「障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例」が制定した世田谷区がこれからいかに障害当事者の参加を発展させるのかが問われる。
A:次期ノーマライゼーションプランの検討やシンポジウムなどで障害当事者の参加を試行的に進められるよう検討するとともに、今後区の計画や施策に対しても当事者参加が進むように検討する。

【気候変動対策としての街づくり】

区は、10年後の区政100年にみどり率33%をめざしているが、みどり率は年々減る一方だ。例えば、みどりの保全と創出が期待できる土地の購入などを積極的に行い、公園や農地などの広い面積の緑化によって、温室効果ガスの削減、ヒートアイランド現象への取り組みなど脱炭素の取り組みの一助を担う政策が必要だ。北烏山7丁目緑地の公園計画では、脱炭素を意識し、自転車が安全で走りやすいクリーンな移動を推進するモデルとするなど、気候変動対策の視点を持ったまちづくり政策を求める。
A:気候変動対策のモデルとなる豊かな空間の実現に向けて検討する。

                 

                                以上

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