⑥FTMパンセクシャルの自叙伝

高校進学を控えていた。

定時制に進みたいと思った。

制服が嫌だったから

私服で通える定時制に進学したかった。

それに早く働いて、お金を貯めて、治療費を稼ぎたかった。

イイ加減、制服のスカートが嫌だった。

学校に私服で行って、隣の席の女の子好きになって

メアド聞いて、告白して、毎朝学校に一緒に行って、

みたいなTHE青春みたいな高校生活に憧れた。

僕が好きになる女の子は、

僕のことを「女」として見ていて、

いちいちそんなステップ踏まなくても

もうメアドは知ってるし、普通に一緒に帰るし、

「友達」だから、そんな行為にドキドキも初々しさもナイ。

私服で登校して、

自分がオナベであることをカミングアウトして、

治療もすぐに始めてしまえば、

誰かが理解してくれて男性として生活できるかなと思った。

だから定時制に行きたかった。

もし制服だったら、カミングアウトしたとしても、

スカートは履かないといけないから、

男として見てくれなんて無茶なお願いだと思った。

スカート履きながら、

男性ホルモンを打ったり、

胸の手術をするのは無理がある。

「スカート」は女性の象徴だから。

親にこの想いを伝えたら、

定時制だけは勘弁してくれと言われた。

実は僕には推薦で

高校に進学できるほどの力があった。

推薦で進学すれば、

入学金免除、授業料全額免除だった。

親孝行だと思って、定時制は諦めて、

推薦がかかっていた高校に進学した。

3つほど声がかかっていた高校があったが、

偶然なのか全て女子校だった。

女子校なんて、ハーレムじゃないかと羨ましがられることが多い。

だけど、残念ながら女子校の女子は男子当然だった。(笑)

それに自分のスカート姿を知っている女子と

お付き合いなんて到底考えられなかった。

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