見出し画像

インプロと私。チャレンジすること。

I dedicated this note to Tapistori.

初めてのノートです。最初は、私の今までの人生のことを書いたら、自己紹介にもなって良いかなと思いましたが、インプロをきっかけに気づいたことを書くのがいちばん最新の私の人生観を表しているかもしれないと思い、そこから書くことにします。

インプロを初めて一年が経ちました。ここで話すインプロとは、台本無しで演じる即興のお芝居のことです。何が起こるか全くわからないところが即興の醍醐味だと思います。元々、私は女優で、脚本があるお芝居を21才になる直前くらいから始めていました。

ではなぜインプロを始めたかというと、私のことを、インプロ未経験にも関わらず、今度インプロショーを企画するから一緒にやらない?と声をかけてくれた友人、むらしがいました。試しに稽古に遊びに行ったら、初対面にも関わらずのいさん、はなちゃんともすっかり意気投合してしまい、その後加わったうつみくんとも気が合ってしまい、ショー前の集中稽古から急遽参加。そしてショーを迎え、とっても良かったし、楽しかったので、そのメンバーでそのままチームになった…という経緯で私のインプロ歴は始まりました。チーム名は「タピストリ」です。そして約1年、メンバーとひたすら稽古をし、計3回のショーをして、今はチームから一歩踏み出して、色んなインプロバイザー(即興表現者)との出会いも増え、インプロを楽しんでいます。そんなインプロ歴がとっっても浅い私が話す、インプロで気づいたことです。

失敗することの概念が変わった。失敗は、沢山していいもので、それ自体が面白くて、オープンにしたほうがいいもの。


即興芝居を練習し始めると、普通に人生生きてるだけでは考えられないくらい、ものすごい速さで、沢山の失敗をします。5分くらいのシーン(場面)を演じるだけで、相手の言うことを勘違いしたり、自分の意図が相手に伝わらなかったり。そんなインプロを通して気づいたこと。沢山失敗すれば、まず、「失敗すること」自体に慣れるということです。1つの失敗にウジウジしていたらあっという間に人生終わるということが体感出来ます。(でもたまにウジウジしてしまうことは未だにあります。笑)

また、インプロショーを観に来て頂ければ分かるのですが、インプロは「失敗=とても面白い」ということです。お客さんはプレイヤーに失敗してほしいし、そしてその失敗に立ち向かう姿が観たいのです。

ただ、失敗した、と素直に認めることは、一番勇気がいることです。が、認めず隠そうとしても自分もパートナーもお客さんも分かってるから、シーンが大変気持ち悪くなります。笑
だから失敗を、素直に正直に、オープンにすること。大切!!(←自分に言い聞かせてます)

飛び込めばスタート出来るんだと気づいた。Show must go on


私のインプロを始めた経験自体がただ「飛び込んだだけ」だったので、とりあえず飛び込んだら始まるということを体感し、腑に落ちました。だからまず始めて、さっさと失敗したらいい。だってどうせ失敗するんだから。痛い目にあって学べばいいやと思いました。「誰かに背中を押されるのを待ってもいいけど、自分でジャンプすることだって出来ることを忘れずに。」と自分でいつも言い聞かせてます。

という訳で、まだインプロショーをすること自体に沢山ドキドキしているのにMCもやりたいと言ってMCまでやってる3回目のショーの写真がこちら↑です。

飛び込みを続けていくと、段々大丈夫だということが分かってきて、飛び込み上手になれるし、その時出てくる不安も、自然現象だということが分かって、不安と仲良くなれるのです。

自分が下手だと自覚した。

私がインプロを始めたときは、どうやら丁度「演劇的なインプロ」をしよう…と言うムーブメントがインプロ界に起こり始めの時だったようで、まさに今、本格的にそれにフォーカスが当たっている時のようです。だから、私が始めたときに、《紗良はとてもラッキーだ、面白くやろうと思うクセなく、純粋にインプロが出来て、今までの経験も活かせる。》と言われていました。私はいかんせん素直すぎて、言葉を鵜呑みにしすぎて謎の自信がありました。今まで芝居を続けてきた、という小さなプライドもありました。←めんどくさいおばかさんですね。

しかし。外の世界の「インプロショー」をいくつか観たら…本当に、とっても、面白かった。爆笑したし、感動した。「面白くしよう」とは確かにしてるのか…どうか…はご本人たちからお話を聞きたいですが笑、その前に、皆さん信じられないくらい、「インプロが、本当に上手」でした。そこで、気づいたんです。

「私って、インプロ、下手なんだ」。

これは、自己卑下でもなく、悲しいとか落ち込むとかじゃなく、自覚です。ちっぽけなプライドなんかいらないんだって気づいて、捨てることにしました。

この自覚は、「どうせ下手くそなんだから、沢山失敗して、チャレンジしよう」って、《チャレンジする動機》に使えばいいんです!

プレイヤーが輝くときは、パートナーを助けるとき。


インプロを、質の高い、今この瞬間の生きたやり取りでのお芝居でする、ということは、脚本芝居から始めた私としては、とてもこだわりたいですし、これからも追求していきたいです。ですが、良いお芝居をしたら感動する、というわけではないのが、インプロの面白いところであり、魅力だと私は思っています。

どんなにパートナーが無茶振りで、悪いパスをしたとしても、それを受け入れ、良いパスを渡したときにプレイヤーは輝くのです。
私にとってはそれが、インプロを観ていて、一番感動するところです。

そして、それが出来るプレイヤーが、とても「良いインプロバイザー」だと私は思っています。何故自分がインプロに惹かれるのか、やり続けているのか、しばらくずっと分かりませんでした。私はスタートが恵まれすぎていました。いきなりショーに立ててしまったのですから。でも今ははっきりと分かります。現時点で私がインプロを続けている理由は「良いインプロバイザー」になりたいからです。

これは、最初から出来ることではありません。だから、最初は、一、沢山助けてもらう勇気を持つこと。インプロ始めたばかりの時は、助けてもらった感覚さえ、最初のうちは分からないです。でも、やっていくうちに、段々と分かってくる。だから、二、自分はパートナーに助けてもらった、という自覚を持つこと。
この二点が大事だと私は思っています。

この二点が自分の中にあれば、助けてもらった方法を勝手に身体でインストール出来て、今度は自分が、シーン中に助け方を思い出せます。

ちなみに、自覚せず、ただ「助けてもらえばいいや」と無意識でも甘えが出ると、インプロはまったく、上手くなりません。相手の愛を受け取っていないのでどう助けてもらったのか分からず、インストールも出来ません。これは私の大きな失敗談です。でも上記のことに気づけたから、失敗してよかった、と思っています。

私はいつでも自由に選択出来る。

インプロは脚本が無いため、数え切れないほど何度も選択が迫られます。(逆に脚本は無限にある選択肢の中からあえてこれを選んだ、というキャラクターを理解することですね)
人生の縮図だなぁ、と思います。

無限にある選択を狭めているのはいつだって、自分自身です。

いつでも自由に選択出来ることを忘れずに、インプロをやりたいです。

そしてお客さんに私が今回書き綴ったことが全て伝えられるようなインプロをしたいし、インプロだけでなく、すべての表現においてこう在りたい。

私は生まれたときから表現が好きでした。
でもその「好き」という気持ちに従えない、時期も長くありました。真っ当に生きようと。今考えると爆笑沙汰ですけどね。真っ当って何よ。笑

今は、生まれたときからアーティストだった、ということを思い出すように生きています。好き、に従って選択できる自分になったのです。
今回書き綴ったことは私にとってとても大切です。

他の誰かに、このノートが役に立ったなら、それはとても嬉しいです。

赤いワンピースの写真:内山慎也さん
その他の写真:ますくわーどさん
撮影。ありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?