かつて親友だった貴方へ

お誕生日おめでとう。
もう、本音を手紙に綴ったりちょっと長めのLINEを送るのは怖くなってしまったから、この場で心の中を書くことを許してね。

私たち、小学校からの仲だったね。
小学校、中学校、高校、、と続き。
なんだかんだ12年の時を共にしたわけだけども

貴方が私と過ごした12年はどんな日々だった?
私は、一概に幸せな日々だったとは言えないな。

小学校高学年に上がる頃、私は貴方のことが大好きで仕方なかった。
根暗でウジウジしていた私を毎日笑わせてくれたあの頃の記憶が、まだ鮮明に残ってるよ。

本気で親友だと思っていた。
これからの人生、貴方とずっと隣で歩めると信じきっていた。
何度も言ってくれた「私たち親友だよ」「大好きだよ」「永遠に友達だよ」という言葉に溺れていた。




ちょうどその頃だったね。
突然、無視されるようになったのは。

小学生の私は、本の読みすぎか、いつでも主人公のヒロイン気分で生きていた。
だから、本当はすごく嫌なやつだったんだと思う。正義感が強くて、ちょっとかっこつけてて、真面目で、先生やみんなに好かれたくて仕方なかった。

「○○ちゃん(私)のこと、▲▲ちゃんが悪口言ってたよ。」
「ほんとにうざい」
「とっとと死ねばいいのに」

そんな言葉を言われるまで、気づかなかったくらいには自分をヒロインだと思っていた。
いいご身分だこと。

きっと、そんな私だったからだろう。
あんなに大好きだった貴方が、私のいない場所で吐き捨てた血塗れの罵詈雑言は、私の心を壊すのに十分すぎた。

人って、裏切られたら怖いんだ。
怖い時って、本当に震えが止まらないんだ。

と、小学生ながら思い知った。

だけど変わらず、なぜか私は貴方が好きだった。
どれだけ貴方に嫌われていても、私は貴方が大好きだった。
それはかつて貴方が、「どれだけ○○(私)に嫌われても、私は○○のことが大好きです」と書いた手紙をくれたから。記憶力、いいでしょ?笑


今思えば一種の執着だったのかもしれないなあ。
メンヘラの素質ありすぎるでしょ。笑


それからしばらくして、小学校を卒業する頃にはなぜかまた元の距離感に戻った。
単純な私は、過去の心にあっさり蓋をした。
一緒に楽しい中学校生活を送れると思っていた。

けどそんなの、また夢に過ぎなかった。

一緒に帰ろうねって、言ったのは貴方なのに
待てど暮らせど貴方は来なかった。
次の日も、その次の日も

そしていつしか、また私を避けるようになった。
同じ部活なのに、一言も話さない。
こちらから話しかけたら、曖昧な反応を残して他の子の元へ駆け寄る。


と、思いきや数ヶ月後にまた話しかけてくるようになる。

見覚えのある、謎のループ。

悲しかった。虚しかった。苦しかった。
どうして?としか思えなかった。
私は何もしていないのに。どうして?
そればっかり考えていた。
でも、相も変わらず嫌いになれなかった。


私はこんなにも大好きなのに、貴方は私のことを避けたくなってしまうんだろうか。
でも、単純な私は、貴方が近寄ってくれる度にこの思いに蓋をして、楽しい時間を素直に楽しんでた。

そんなことの繰り返しだった。
仲良くなったり、疎遠になったり。

あとから知ったけど、話しかけてくるようになった時期って、ちょうど貴方が人間関係のいざこざがあったときなんだね。
まあ、これ以上は何も言わないけど。


中学卒業、高校合格、同じクラス。
なんで嘘でも嬉しそうな顔をしてくれないんだろう

入学初日って当たり前だけど初対面の人ばっかりだから、少なくとも同じ中学の人とは話すじゃん。

いっっさい話しかけてくれなかったよね。
なんなら逃げてたよね?なんで?

けどそのあと、私が仲良くなった子と貴方が仲良くなった子が同じだったから、3人組になった。

必然的に距離が近づいて、元の関係に戻った。
たくさん遊びに行った。
県外にも、泊まりにも、ライブにも行った。

大好きで愛おしくて、キラキラしてる日々を送っていた。

送って''いた''のだ。

今でもたまに、写真を見返して縋る。
今はもうない貴方の姿を見て、あの頃の貴方に会いたいと強く思う。

けどもう、今は。

さっきから何度も繰り返しているように、近づいたり離れたりの関係だった私たちだった。

来る者拒まず、去るもの追わず

そんな思いで何年も何年もいたし、
心から大好きだった。執着するほどだった。

だけど突然、ぷつんと何かが切れたように、私は貴方の背を追わなくなった。
もう、どうでもよくなってしまった。

必要とされていない私が惨めになった。

最近は、無視こそされていないけれど
仲のいい友達たち数人と一緒にいるとき、絶対に私の顔を見ないし、話も振らないし、隣にも来ない。
私と仲良くする気はもうないんだ、と悟った。

そう思った瞬間、貴方とは話せなくなった。
文字通り、もはや私は鯉のように口をパクパクすることしか出来なくなった。滑稽。

言いたいこと、あるのにな。
喉元まで来た感情を言葉に変換出来なくなった。

もう、終わりだ、と思ってしまった。
大学生になったらどうなるんだろうとか、もう思ってない。
卒業したらそれっきりの仲なんだ、と全てを悟ったような感情に覆われるようになった。

今まで貴方の何に執着していたんだろう。
どうして嫌われても好きだと言えたのだろう。

きっと、あの頃の私は、貴方の全てを分かった気になっていた。そう思わせて欲しかった。
そう思ってたから、手を放せなかった。
''私の中の1番''という揺るぎない信念が私をそうさせていたんだと思う。

だけど、来る者拒まず、去るもの追わずという言葉には使用制限があるみたい。

私のこの歪んだ愛にも似た感情を貴方が知れば、きっともう顔も合わせてくれないだろうし、ドン引きされるんだろうな。知ってるよ。わかるよ。

ほら、やっぱりまだ分かった気になってる。

私はもう、貴方とのこれまでの出来事も、これからの出来事も乗り越えた気になってる。
時間が経てば忘れていくと思っている。
けれど本当はそんなことなんてない。
いつまでもいつまでも引き摺ってんだ。

私も私でイカれてるよな。笑
馬鹿みたい。

だけどそろそろ、私は貴方の手を手放す用意が出来てきた。
貴方がとっくに離した私の手を、私が掴んでいるだけだから。離せばもう、終わっちゃう。

でももう、いいんだ。
いいの。
こんな友達、いらないでしょ。
私だっていらない。
だから。


ごめんね、こんな友達で。
悪いのは私の方だ。
ずっと楽しかった。
また仲良くなれたらいいな、なんて思ってて、ごめん。
私はもう手を離すから、覚悟、できたから
またどこかで巡り会えたら、その時はそのとき。
大好きだった日々を忘れないし
大嫌いだった日々も忘れない


貴方は私の青春だったよ

今までありがとう。
18歳、私のいない世界で素敵な未来を歩んでね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?